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戦後を永遠に! [雑感小文]

戦後を永遠に!

「B29って、ビタミンの一種?」

「鉛筆の記号じゃないの? HBとか2Bとかいうでしょう」

 高校生たちのそんな会話を耳にしたことがあると、作家の早乙女勝元さんから聞いた。

 B29とは、太平洋戦争の末期、日本中の都市に焼夷(しょうい)弾の雨をふらし、広島と長崎に原爆を投下した米軍爆撃機だ──と説明が要るほど戦争は遠い昔になった。

 だが、あの戦争で負うた過酷で悲痛な体験を、いまなお、心身のうずきとしてもち続ける人びとがいる。

「〈戦後〉は終ってはいない。終らせてはならない。〈戦後〉を新たな〈戦前〉にさせないために」と早乙女さんは言う。

「戦後よ、永遠なれ」と不肖マルヤマも祈る。

 〈戦後〉は〈平和〉の同義語だから。
 
 余談だが、早乙女勝元とは20代の初め3年ほど一緒に働いた。

 社員10人ばかりのその小出版社には詩・小説・翻訳の岩田宏こと小笠原豊樹、労働経済学の加藤佑治(元専修大学教授)、プロレタリア文学研究・左翼運動の栗原幸夫、近代女性文学研究・文芸評論の渡辺澄子(大東文化大学名誉教授)などがいた。

 交友超半世紀、「戦争反対」の仲間だったが、加藤は1999年2月12日、岩田は2014年12月2日、先に逝ってしまった。

 加藤は68歳、岩田は82歳、二人とも肺炎だった。
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