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育毛剤余話 [雑感小文]

育毛剤余話

 ところで、お訊ねするが、男にとって、AGA(早くいえばハゲ)と、ED(漢字で書けば勃起不全)と、どちらがより重大問題だと、貴殿は思われるか?

 拙者の小さな見聞では、どうも前者のほうのようである。

 ─というのは、先年、バイアグラとリアップが、鳴り物入りで発売されたさいのことである。

 メディアへの製品発表に参集した記者たちの数(拙者のおおまかな目勘定)は、バイアグラのときは約150人、リアップのときはざっと300人はいたようだ。

 仄聞だから真偽は請け合えないが、大いによろこんだリアップ発売元の大正製薬の広報担当者が、「勝った!」と叫んだそうだ。

 むろん、バイアグラだってけっしてハンパな数ではない。

 ほかの薬のときは、たいてい50人かそこらなのだから、バイアグラのすごさ(言い換えると、EDに対する男たちの関心度の強さ)が、よくわかる。

 しかし、それをはるかに凌駕したリアップの人気からかんがみるに、インポよりハゲが重大事、といえるのではあるまいか?

 ─というわけで、育毛剤の話。

 ご存じのように、リアップは、もともと血管を拡張させる高血圧の薬として開発された。

 が、その臨床試験中に薄くなった頭に毛が生えてくる育毛促進効果が確認され、方向転換して製品化されたものだ。

 バイアグラも、やはり血管を拡張して血圧を下げる、狭心症の薬として研究開発中に勃起不全を改善することがわかった薬である。

 ちなみに、後発製品のレビトラ、シアリスも、バイアグラと同じPDE5(勃起組織の中にある酵素)阻害薬なので、狭心症の治療に用いる硝酸薬(ニトログリセリンなど)と併用すると、血圧が急激に下がり、生命にかかわる危険性がある。

 どちらも血管拡張作用があるからだ。

 リアップやバイアグラのような例は、ほかにもけっこう多く、緑内障の薬(点眼薬)を使っていたら、まつ毛が太く、長く伸びたので、まつ毛育毛剤「ラティッセ」がつくられた。

 このような偶然の価値ある発見を、セレンディピティというそうだが、土中の元素からつくられた、養毛料「AUGEN(アウゲン)」もその一例といえる。

 洗剤開発の研究実験で毎日、何種類もの土をいじっていたら、手の甲に黒い太い毛が生えてきた。

 土のどれかに含まれる物質のしわざに違いないと研究を進め、ある特定の微量元素を突き止めた。

 その「生命に必須のバイオエレメント」が、毛髪の幹細胞の増殖・分化を促し、生育周期を調整するのだという。

 シャンプー後に頭皮によくなじませて洗い流すだけで「髪が元気を取り戻し、ハリやコシが出てくる」と説明書にはある。

 根強い愛用者をもっているようだ。

 男女兼用。約3カ月分で1万3650円。

 土から生まれた養毛料─草木繁茂のごとき効果があるか?

 試してみるとするか。
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