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虫歯菌の正体 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(9)

 虫歯菌の正体


「口の中にいる無数の細菌のうち、ミュータンスと呼ばれる〝虫歯菌〟は、歯垢に住みつき、砂糖を食べて成長し、酸を排せつします。私たちの体の中で最も硬い歯もミュータンスが出す酸のために溶けて虫歯になってしまうのです。」(深田英朗「虫歯を防ごう」=『ビッグトゥモロウ』1991年1月号)
          

「ミュータンスと呼ばれる虫歯菌」などというものは、ない。

 それを言うなら、「ストレプトコッカス・ミュータンス」だ。

 ストレプトコッカスは「連鎖球菌」で、ミュータンスは「突然変異体」だから、「ミュータンス連鎖球菌」でも、よい。

 深田英朗さんは、このとき東京医科歯科大学口腔衛生学教授──つまり虫歯の専門家だった。

 その人がそんな幼稚な誤用をするわけはない。

 深田教授の話を聞いて記事をまとめたライターが、コトバの意味を確かめないまま略してしまったのだろう。

 もっとも、話の内容はほぼ正しい。

 口の中には何百種類もの細菌がいるが、虫歯の原因のほとんどはミュータンス連鎖球菌だ。

 この細菌は、砂糖が大好きで、砂糖を分解して酸を作り出し、歯の表面のエナメル質や象牙質を溶かしてしまう。

 この菌にはもう一つ厄介な性質があり。砂糖からねばねばした液をつくり、歯にくっつき、細菌の塊のプラーク(歯垢)に変える。

 ねばねば歯垢は唾液でも流されにくい。歯への集中攻撃が行われ、歯に穴が開き、虫歯ができる。

 ──ということは、歯に歯垢さえついてなかったら、虫歯はできない。

 ばかりか、歯周病(歯槽膿漏)にもならない。

 歯垢の中の主としてバクテロイデス・ジンジバリスという細菌が、歯茎に進入し、炎症を起こすのが歯周病の始まりだからである。

 だから歯垢さえ歯や歯茎から取り除けば虫歯にも歯周病にもならずにすむわけだ。

 それには一にも二にも歯みがきだ。

 歯の病気の最良のクスリは歯ブラシである。

 強すぎず、弱すぎず、適度の力で、適当な角度で、1本、1本の歯をきちっとブラッシングする。

 毎食後少なくとも5分間、しっかり丁寧にみがくことを励行する。

 ただ、それでもみがき残しが少しずつ歯と歯の間、根元、奥歯の裏側などにたまってくる。

 これの除去は、歯科衛生士というプロの手を借りなければならない。

 半年に1度、それをきちんとやってもらえば、もう完璧。いくつになっても歯は大丈夫だ。

 ところで、生まれたばかりの赤ちゃんは虫歯菌も歯周病菌も持ってない。

 母親からうつることが多いと考えられている。

 お母さん、歯をきれいに!
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