SSブログ

野坂さんのヘンな痛風 [それ、ウソです]

それ、ウソです(20)

 野坂さんのヘンな痛風

 朝鮮の次期統領様と目される方、痛風に悩むと伝えられる。痛風なる病名はない。高尿酸値症の、一時的発作をいう。そしてこれはしばしば酒による重篤な肝疾患が原因。(野坂昭如「もういくつねると」『週刊文春』1994年9月1日号)


 きのうに続いてまたもやずいぶん古い文章をひっぱり出して、いちゃもんつけるみたいで、申し訳ないが、野坂さん、こんな短い一節のなかで三つもウソを書いている。

 1=痛風という病名は、ある。

 2=高尿酸値症は、高尿酸血症。

 3=肝疾患とは、なんら関係ない。

 痛風は、血液の中に尿酸という物質が、異常にふえた高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)を基盤として起こる病気だ。

 血中尿酸値の正常値は、男性4~6㍉㌘、女性3~5㍉㌘で、それ以上になると高尿酸血症と呼ばれる。

 尿酸値が10㍉㌘前後まで上がると、尿酸の結晶が(多くのばあい足の親指の)関節やその周辺に沈着し、赤く腫れて激しく痛む。

 この痛風発作は、野坂さんも言っているように一時的なものに過ぎない。

 1週間もすれば治まる。

 しかし、そのあと正しい治療をしないままでいると、2、3年のうちに必ず2度目の発作に襲われ、あとになればなるほど間隔をせばめながら発作が頻発するようになる。

 でも、きちんと養生してさえいれば、なにも怖れる必要はない。

「痛風というのは、病気をよく理解し、医者に言われたことを守ってさえいれば、こんなに治療のやさしい病気はない」と専門医は明言している。

 ①専門医がその必要があると認めたら、尿酸値を下げる薬を用いる。

 ②水をよく飲み、1日の尿量を2000㍉㍑以上にする。

 ③肥満を避け、標準体重を保つ。

 ④尿酸のもととなるプリン体の多い食品(レバー、モツ、イクラなど)を食べ過ぎないようにする。

 もっとも、体の中でつくられる尿酸の量に比べると、食事で入ってくる尿酸の量はそれほど多くない。

 あまり神経質になる必要はない。

 現在、痛風で通院している人は約60万人、成人男性の20%が高尿酸血症と推定されている。

 夏は痛風の季節だ。

 汗をかき、尿が濃くなると尿酸の排泄が悪くなるからだ。

 ゴルフなどで大汗かいた翌日、発作を起こす例が多い。

 プレー中は水分をしっかりとろう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。