ダニの話<Ⅱ> [雑感小文]
地球のダニ
佐々学先生は、風土病や熱帯病の研究で知られた。
「ダニ学」はその重要な一項目だった。
ダニの種類は無慮数万。
動物で最も種類の多いのは昆虫だが、その昆虫のそれぞれの種類に数種類のダニがくっついている。
人間の皮膚にも、生後数カ月までの乳児を除けば、みんなダニがいる。
土の中にもいっぱいいて、ミクロの世界で大地を耕している。
もしダニがいなかったら土壌の─ひいては地球の様相は、かなり変わっていただろう。
ダニには、眼のあるのも、ないのもいる。
あるダニの眼は肩についている。
そして生殖器がのど仏にある。
交尾のさいは両者立ち上がって"ハッケヨイ"と組み合った形で行う。
シラミダニというのの子は、生まれてくるなり、ただちに交尾する。
メスだけで(オスとの交渉はナシで)子を産むダニもいるし、オスが精子を袋に入れて置いておくと、それを見つけたメスが、いそいそと腹の中に押し込み、子を産むダニもいる。
ぜんそくの原因になるチリダニ、夏場に繁殖し人を刺すツメダニ、かいせんをつくるヒゼンダニ、果実の害になるハダニなど、いろいろ厄介なダニもいるが、ダニのほとんどは無害で、「益ダニ」もけっこう多い。
「街のダニ」なんて形容は、ダニに失礼だ。
佐々学先生は、風土病や熱帯病の研究で知られた。
「ダニ学」はその重要な一項目だった。
ダニの種類は無慮数万。
動物で最も種類の多いのは昆虫だが、その昆虫のそれぞれの種類に数種類のダニがくっついている。
人間の皮膚にも、生後数カ月までの乳児を除けば、みんなダニがいる。
土の中にもいっぱいいて、ミクロの世界で大地を耕している。
もしダニがいなかったら土壌の─ひいては地球の様相は、かなり変わっていただろう。
ダニには、眼のあるのも、ないのもいる。
あるダニの眼は肩についている。
そして生殖器がのど仏にある。
交尾のさいは両者立ち上がって"ハッケヨイ"と組み合った形で行う。
シラミダニというのの子は、生まれてくるなり、ただちに交尾する。
メスだけで(オスとの交渉はナシで)子を産むダニもいるし、オスが精子を袋に入れて置いておくと、それを見つけたメスが、いそいそと腹の中に押し込み、子を産むダニもいる。
ぜんそくの原因になるチリダニ、夏場に繁殖し人を刺すツメダニ、かいせんをつくるヒゼンダニ、果実の害になるハダニなど、いろいろ厄介なダニもいるが、ダニのほとんどは無害で、「益ダニ」もけっこう多い。
「街のダニ」なんて形容は、ダニに失礼だ。
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