SSブログ

HRTの効果と副作用 [医学・医療・雑感小文]

HRTの効果と副作用

女性ホルモンのエストロゲンは、もの覚えに密接にかかわり、アルツハイマー病の予防に役立つなど、脳にとってきわめて大切な作用をしている。

では、男性は関係ないのか。そんなことはない。

男性の場合も、男性ホルモンのテストステロンが体内でエストロゲンに変わって、同じ働きをしている。

むろん、年を取ればテストステロンの分泌は減るが、女性の閉経期のような急激な減少は、男性にはみられない。

実際、更年期以後の女性と同年齢の男性を比べると、体内のエストロゲンの量は男性のほうが多い。

そこで、閉経期前後の女性にエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)が行われる。

その効果はとてもシャープで、HRTを三カ月間受けただけで、記銘力テストの成績が明らかによくなることが証明されている。

 これは効きそうだという感じは、飲み始めて数日でわかるそうだ。

「お化粧ののりがよくなる。肌の状態がよくなる。一番敏感なのはそれかなと思います」と、自分でもHRTを行っている婦人科の専門医は話している。

 このようにホルモン補充療法(HRT)は、更年期のさまざまな症状を治し、脳の働きをよくし(認知症の予防)、骨の量を増やし(骨粗しょう症の予防)、動脈硬化の進行を防ぎ、大腸がんのリスクを下げるなど、メリットは十指に余るほど多い。

 気になるのは副作用だ。

 以前はHRTを5年以上行うと、乳がんのリスクがやや増える─その割合は1000人中11人といわれた。

 ところが最近、乳がんの発症はむしろ減るという報告が相次いでいる。

 1例を挙げると、国際閉経学会は2006年、エストロゲンを七年間、投与した群では乳がんが24%減少したと発表した。

 日本では、厚労省研究班が、乳がん患者3434人と同年代の女性2427人を調査して、乳がん患者のHRT経験者は5%で、HRT経験者のほうが乳がんになるリスクは57%低いと報告している。

 世間に言いふらされている、これが効く、あれが効くにふり回されず、更年期に詳しい医師に相談し、自分でしっかり選び、前向きに─と、NP0法人メノポーズ(更年期)を考える会は勧めている。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。