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おかゆ二説 [雑感小文]

おかゆ二説

おかゆを食べると美人になる。

昔の人がそう言っている。

食の随筆家、本山荻舟の著述の受け売りだが、江戸末期の食学者大蔵永常の著書に、

「これを二年が間、朝夕食するときは無病になり、容貌(ようぼう)うるわしく極めて肥満するなり」とあるそうだ。

「これ」とは、塩を加えない白がゆ(具を入れないで炊くかゆ)のことで、胃にはよさそうだけど、なぜ「容貌うるわしく」なるのか?

「極めて肥満」したら逆効果ではないか?

また、貝原益軒も、

「朝早く、粥(かゆ)をぬくめて、やわらかくして食べると、腸胃を養い、体を温め、つばがでる。寒い月に最もよろしい」

と、中国の張来という人の説を「養生訓」に紹介している。

 だが毎朝熱いかゆを食べる習慣は、食道がんになりやすい。

現代の常識を、益軒先生はご存じではなかった。

それやこれや考え合わせると、今も昔も一押しのおかゆは、七草がゆだろう。

なにも正月に限らないし、七種(ななくさ)そろえなくてもよい。

万病よけとされた千年続く食文化である。
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