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風詩感唱 [雑感小文]

 風詩感唱

「誰の山でもいい 皆(みんな) 俺(おれ)の若葉だ」

川柳誌『風詩むさしの』4月号の表紙に毛筆で記された句だ。

一読、腹の底から共感の笑いを笑った。

まったくだ! 誰の山だろうが、眺める分には、思う分には、誰に何の気がねがいるものか。

見渡す限り我が心の領土である。

思うさまたっぷりと眺めて楽しもうぜ。

気持ちはればれページをめくると、

ゆるやかにワルツのごとく老いてゆく  浩三

歳のこと気にもならない歳となる  魚扇 

あかね雲安易に老いを語るまい  須磨子

夢ひとつ老い先信じ米を研ぐ  房枝

合鍵を忘れ記憶の戸が開かず  掬流

言い勝って後悔という負けを知る  豊子

人生の達人たちの佳句が並ぶ。

『風詩むさしの』は、主宰者・堀内浩三氏の手書きの原稿をそのまま複写し製本した、表紙本文合わせて20ページの冊子(B5判3段割り)だ。

「20ページを書き上げるとボールペン1本のインクがなくなる」という。

その毎月の営為、小生が知るようになってからでも20年を超える。

頭が下がる。

(2008年5月地方新聞各紙のコラム「健康歳時記」を再録)
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