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歯の末期 [医学・医療・雑感小文]

歯の末期

中唐の詩人、韓愈は歯周病だった。

その症状は、

「去年、一牙(いちが)を落し/今年、一歯を落す/俄然(がぜん)として六七を落す」
と始まる詩「落歯」に詳述されている。(牙は奥歯、歯は前歯)。

「去年は奥歯が一本ぬけ、今年は前歯が一本ぬけた。にわかに六本七本とぬけてゆき、ぬける勢いはいっこうにおわりそうにない。あとに残っているものもみなぐらぐら…(筧文生訳)」

これ、歯周病の末期症状にほかならない。

「一つまさに落ちんとする時毎(ごと)に、凛凛(りんりん)たること恒(つね)に己にあり。

叉牙(さが)として物を食らうことを妨げ、顛倒(てんとう)して水に漱(すす)ぐことを怯(おそ)る。

今来、落つること既に熟せり。落つるを見れば空しく相似たり。」

一本抜けかかるたびに、びくびくもので、物を食べるのも、水で口をすすぐのも、おっかなびっくりだった。

だが、このごろでは抜けるのにもなれっこになり、またかと思うだけだ…。

いや、なんともお気の毒。

こうなる前にぜひとも歯科医を訪ねるべきだ。
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