心の栄養 [雑感小文]
心の栄養
たのしみは まれに魚(うお)煮て 児等(こら)皆が うましうましと いひて食ふとき
幕末の歌人、橘曙覧の歌だ。
貧しい文人の暮らしながら、むつみ合う家族の情景や日々の小さな喜びを詠んだ『独楽吟』52首は、人生の幸せとは何かを教えてくれる。
ところで、薬の効能書などに副作用が「まれに見られる」とある場合の「まれに」は、その発生頻度が0・1%(1000人に1人)未満であることを示す。
それが0・1%以上5%未満の場合は「ときに」、それ以外は「不明」と記される。
橘家の食卓に魚の煮付けが供された頻度は、まさか1000回に1回ということはなかっただろうが、その食生活には栄養上の問題が少なからずあったように思われる。
でも、その家族だんらんの食卓には、心の栄養があふれていたに違いない。
貧しい食生活の影響もあったのか?
曙覧は56歳で他界している。
長寿の人だったとは言えないが、幸せな生涯を送った人ではあっただろう。
たのしみは 妻子(めこ)むつまじくうちつどひ 頭(かしら)ならべて物を食ふとき
たのしみは まれに魚(うお)煮て 児等(こら)皆が うましうましと いひて食ふとき
幕末の歌人、橘曙覧の歌だ。
貧しい文人の暮らしながら、むつみ合う家族の情景や日々の小さな喜びを詠んだ『独楽吟』52首は、人生の幸せとは何かを教えてくれる。
ところで、薬の効能書などに副作用が「まれに見られる」とある場合の「まれに」は、その発生頻度が0・1%(1000人に1人)未満であることを示す。
それが0・1%以上5%未満の場合は「ときに」、それ以外は「不明」と記される。
橘家の食卓に魚の煮付けが供された頻度は、まさか1000回に1回ということはなかっただろうが、その食生活には栄養上の問題が少なからずあったように思われる。
でも、その家族だんらんの食卓には、心の栄養があふれていたに違いない。
貧しい食生活の影響もあったのか?
曙覧は56歳で他界している。
長寿の人だったとは言えないが、幸せな生涯を送った人ではあっただろう。
たのしみは 妻子(めこ)むつまじくうちつどひ 頭(かしら)ならべて物を食ふとき
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