くすぐったい感じとは? [医療小文]
これがとけたらのーべるしょうもの?!じつはなぞがおおい「くすぐり」のふしぎ
くすぐり。だれもが体験するごくありふれた戯れの行為だが、じつは謎が多い。
なぜくすぐったいと感じるのか、なぜくすぐられると笑ってしまうのか、そしてくすぐることにどんな生理的な意味が隠されているのか。
これらはダーウィンの時代から研究されてきたが、いまだに科学的に解明されていない。
くすぐりの謎
くすぐりにはわからないことが多い。
たとえば体の同じ場所をくすぐられても、くすぐったい人とくすぐったくない人がいる。
また体の中でも特にくすぐったい箇所はいくつかあるが、それらになにか特別な「くすぐりセンサー」のようなものが確認された試しはない。
そんな謎につつまれた行為を少しでも理解するために、生理学者はくすぐりを二種類に分けて考えるそうだ。
The Conversationによると、「knismesis」と分類される刺激は比較的軽く、体のどの部分でも感じることができる。
たとえば羽でやさしくコチョコチョされたり、テントウムシが肌の上をじかに動きまわる感覚がこれ。
こちらは人間のほかにもイヌやネコ、サルなど幅広い哺乳類に共通しているそうだ。
ふたつめの「gargalesis」はもっと本格的。
リズミカルなタッチが脇腹や首元などの敏感な部分に容赦なくくり返されることで、笑いたくなくても笑い出してしまう。
こちらは霊長類のみに確認されているが、動物によって笑い方はさまざまだそうだ。
くすぐりの機能
ところで、自分で自分をくすぐっても全然くすぐったく感じないのはなぜか。
それは自分の行動を自分の脳が把握している以上、「触っている」という感覚と「触られている」感覚がダブってくすぐったい感覚が相殺されてしまうからだ。(ちなみに重度の統合失調症を抱えた人は、自分で自分をくすぐることができるとの研究結果もある。)
しかし、もし触っているのが自分ではない何者かだとしたらどうか。
「触られている」という感覚を即座に認識する必要がある。
もしかしたら毒グモかもしれないし、自分に危険をもたらす可能性のある外部からの接触にいち早く反応するために、「Knismis」という感覚が発達したのかもしれないと考える科学者もいる。
「Gargalesis」に関していえば、なんと防御力を高める効果があるのではないかと考えられるそうだ。
くすぐられている人は通常くすぐる手から免れようと、あらゆる抵抗を試みる。
近くに子どもがいたら試しに「gargalesis」式にくすぐってみてはどうだろう。
脇を閉め、腹をちぢこませ、笑い転げながらも一生懸命逃げようとするではないか。
これをしつこく繰り返せば、いずれは反射神経が身について外部からのダメージを最小限に留められるかもしれない。
一種の愛情あふれるトレーニングだ。
くすぐりの意味するもの
くすぐりの理解を深めるために、これまで多くの科学者がいろんな動物をくすぐってきた。
150年ほど前にチンパンジーをくすぐってみたダーウィンは、こんな言葉を書き残している。
若いチンパンジーをくすぐってみると、脇の下が特にくすぐりに敏感であることがわかる――人間の子どもたちがそうであるように――そして笑いのような音が発せられた。
チンパンジーもくすぐられると笑う。
そして積極的に仲間とくすぐり合う行動も確認されたそうだ。
このようなくすぐり合い行動が認められている動物は霊長類のみ(人間も含む)だが、なんとネズミなどの哺乳類もくすぐると「笑う」ようなそぶりを見せる。
2018年2月に発表されたばかりの最新の研究では、ネズミの首回りをコチョコチョと刺激してからひっくり返しておなかをくすぐってやると、くすぐらなかったネズミよりも人に馴れるのが早くなったばかりか活動的になったという。
ひょっとしたら、くすぐるという行為は仲間同士の愛情をはぐくむ行為なのではないか?
このように考えた科学者も当然いた。
ところがこの仮説はどうやら違うようだ。
ロボットにくすぐられてもやっぱり人間は笑ってしまうからだ。
結局人間はなぜ進化の過程でくすぐり、くすぐられ、笑うようになったのかは依然と解明されていない。
この謎を突き止められたら次のノーベル賞はあなたのものかもしれない。
さあ、実験と称して、今日はだれの足のうらをくすぐってみようか?
くすぐり。だれもが体験するごくありふれた戯れの行為だが、じつは謎が多い。
なぜくすぐったいと感じるのか、なぜくすぐられると笑ってしまうのか、そしてくすぐることにどんな生理的な意味が隠されているのか。
これらはダーウィンの時代から研究されてきたが、いまだに科学的に解明されていない。
くすぐりの謎
くすぐりにはわからないことが多い。
たとえば体の同じ場所をくすぐられても、くすぐったい人とくすぐったくない人がいる。
また体の中でも特にくすぐったい箇所はいくつかあるが、それらになにか特別な「くすぐりセンサー」のようなものが確認された試しはない。
そんな謎につつまれた行為を少しでも理解するために、生理学者はくすぐりを二種類に分けて考えるそうだ。
The Conversationによると、「knismesis」と分類される刺激は比較的軽く、体のどの部分でも感じることができる。
たとえば羽でやさしくコチョコチョされたり、テントウムシが肌の上をじかに動きまわる感覚がこれ。
こちらは人間のほかにもイヌやネコ、サルなど幅広い哺乳類に共通しているそうだ。
ふたつめの「gargalesis」はもっと本格的。
リズミカルなタッチが脇腹や首元などの敏感な部分に容赦なくくり返されることで、笑いたくなくても笑い出してしまう。
こちらは霊長類のみに確認されているが、動物によって笑い方はさまざまだそうだ。
くすぐりの機能
ところで、自分で自分をくすぐっても全然くすぐったく感じないのはなぜか。
それは自分の行動を自分の脳が把握している以上、「触っている」という感覚と「触られている」感覚がダブってくすぐったい感覚が相殺されてしまうからだ。(ちなみに重度の統合失調症を抱えた人は、自分で自分をくすぐることができるとの研究結果もある。)
しかし、もし触っているのが自分ではない何者かだとしたらどうか。
「触られている」という感覚を即座に認識する必要がある。
もしかしたら毒グモかもしれないし、自分に危険をもたらす可能性のある外部からの接触にいち早く反応するために、「Knismis」という感覚が発達したのかもしれないと考える科学者もいる。
「Gargalesis」に関していえば、なんと防御力を高める効果があるのではないかと考えられるそうだ。
くすぐられている人は通常くすぐる手から免れようと、あらゆる抵抗を試みる。
近くに子どもがいたら試しに「gargalesis」式にくすぐってみてはどうだろう。
脇を閉め、腹をちぢこませ、笑い転げながらも一生懸命逃げようとするではないか。
これをしつこく繰り返せば、いずれは反射神経が身について外部からのダメージを最小限に留められるかもしれない。
一種の愛情あふれるトレーニングだ。
くすぐりの意味するもの
くすぐりの理解を深めるために、これまで多くの科学者がいろんな動物をくすぐってきた。
150年ほど前にチンパンジーをくすぐってみたダーウィンは、こんな言葉を書き残している。
若いチンパンジーをくすぐってみると、脇の下が特にくすぐりに敏感であることがわかる――人間の子どもたちがそうであるように――そして笑いのような音が発せられた。
チンパンジーもくすぐられると笑う。
そして積極的に仲間とくすぐり合う行動も確認されたそうだ。
このようなくすぐり合い行動が認められている動物は霊長類のみ(人間も含む)だが、なんとネズミなどの哺乳類もくすぐると「笑う」ようなそぶりを見せる。
2018年2月に発表されたばかりの最新の研究では、ネズミの首回りをコチョコチョと刺激してからひっくり返しておなかをくすぐってやると、くすぐらなかったネズミよりも人に馴れるのが早くなったばかりか活動的になったという。
ひょっとしたら、くすぐるという行為は仲間同士の愛情をはぐくむ行為なのではないか?
このように考えた科学者も当然いた。
ところがこの仮説はどうやら違うようだ。
ロボットにくすぐられてもやっぱり人間は笑ってしまうからだ。
結局人間はなぜ進化の過程でくすぐり、くすぐられ、笑うようになったのかは依然と解明されていない。
この謎を突き止められたら次のノーベル賞はあなたのものかもしれない。
さあ、実験と称して、今日はだれの足のうらをくすぐってみようか?
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