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血圧のしょっぱい話 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(62)  

 血圧のしょっぱい話 

 滋賀医大の上島弘嗣教授によると、国民平均では2㌘食塩を減らせば血圧は2㍉Hg下がり、それによって6%脳卒中が減ると推定されている。塩を多くとると、心臓病や胃がんも増えることがわかっている。(「元気のひけつ 減塩」=朝日新聞2009年2月15日)

 ええッ、たったの2㍉!? 20㍉のマチガイじゃないの?

 毎日、血圧を測っている人だったら、みんなそう思うのではないか。

 血圧は、冬になればだれでも10㍉や20㍉は上がる(寒冷刺激で血管が収縮するため)、1日のうちでも「日内変動」といって、やはりそれくらいは上下する。

 朝は高く、夕方から夜は低く、歩いた後や入浴後も下がる。「2㍉Hg」なんて誤差の範囲ではないか。

 一方、「2㌘」の減塩というのは、かなりきつい。

 日本人の1日当たりの食塩摂取量は、「平成21年国民健康・栄養調査」によると、男性11.6㌘、女性9.9㌘だ。

 これでは多過ぎると、厚生労働省は、男性は9㌘未満、女性は7.5㌘未満を食塩摂取目標値とした。

 男女とも2㌘以上の減塩が必要なわけだが、それの達成率は男性37.6%、女性31.8%に過ぎない。

 ことほどさように難しい減塩をしっかり行っても(繰り返すが)たったの2㍉しか血圧は下がらない。

 「国民平均」としてはそういうことになるらしい。

 だったら減塩なんて無意味なのか?

 そんなことは、ない。

 上掲の記事にもあるように減塩の効用はとても大きい。

 2010年1月、世界最古の(つまり世界で最も有名な)医学雑誌『NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)』に発表された論文によると、米国民の塩分摂取量が1日3㌘減った場合、1年で3万2000~6万6000件の脳卒中、5万4000~9万9000件の心筋梗塞を防ぐことができ、結果的に年間死亡が4万4000~9万2000件減少すると予測されている。

 脳卒中や心筋梗塞の最大の原因は、高血圧である。

 高血圧の要因としては、遺伝素因(体質)と環境素因(生活習慣)がある。

 遺伝はどうにもならないが、生活習慣は変えられる。

 食塩の過剰摂取、肥満、運動不足などを解消すればよいのだ。

 とりわけ最も重要とされているのが、減塩である。

「塩を減らそうプロジェクト」を推進している、日本高血圧協会理事長の荒川規矩男・福岡大学名誉教授は、

「日本の9㌘はまだまだ高過ぎる。国際的にも恥ずかしいくらいだ。とくに減塩先進国イギリス政府が掲げている2025年までに1日3㌘という目標に比べれば、日本は減塩最後進国だ。せめて1日6㌘未満にしたい」と強く勧めている。

 1日6㌘とか9㌘とかいわれても、ピンとこないが、しょうゆ小さじ1杯、みそ小さじ2杯、ウスターソース小さじ2杯、トマトケチャップ小さじ5杯には、それぞれ食塩約1㌘が含まれている。

 外食のうどん・そば・ラーメン1杯の食塩含有量は約5㌘、汁を残せばそれが2㌘に減る。

 にぎりずし1人前には約3㌘の塩分が含まれている。

 それにたっぷりしょうゆをつけたらどうなるか。すしにつけるしょうゆは少なめにしよう。

 みそ汁は具を盛りだくさんにして汁は多少残す。漬物、干し魚など塩辛いものは食べる量に気をつける。酢や香辛料を効果的に使おう。

 減塩の最大のポイントは、薄味に慣れることだろう。
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