豚肉とニラ [医学・医療・雑感小文]
豚肉とニラ
夏の盛りのころ、テレビの健康番組が、「夏は豚肉を......」と勧めていた。
夏バテを防ぐにはビタミンB1を多く含む食品を食べるべきだ。
ビタミンB1を多く含む食品といえば、大豆、ピーナッツ、麦、サツマイモなどが挙げられるが、肉類では豚肉がズバ抜けている、と。
見ていてふと、むかし子どもだったころのことを思い出した。
豚は白豚(ヨークシャー種など)と、黒豚(バークシャー種など)に大別されるようだが、鹿児島県は黒豚の主産地だから、故郷屋久島の豚もみな黒豚で、生肉用として飼われていた。
だから肉といえば、まず豚か鶏だった。
牛肉は食べたことがなかった。
バターを知らない者にとってはマーガリンがバターだが、私における牛肉と豚肉の関係もそのようなものだった。
もっとも、栄養学的に考察すると、豚肉は少しも牛肉にひけをとらない。
むしろずっとすぐれてさえいる。
とりわけビタミンB1の含量(赤肉、生)は100グラム中0.75ミリグラムと、牛肉(同0.09ミリグラム)の8倍以上で、これはあらゆる肉類のなかでも圧倒的な含量である。
豚肉はビタミンB1の宝庫だ。
豚肉は、ニラ、ネギ、タマネギなどと一緒に料理すると、ビタミンB1の吸収率が一段と上がる。
これらの野菜にはアリインという物質が多く含まれているからだ。
アリインは、ニンニクやラッキョウにも多量に含まれている。あの独特の臭いのもとだが、アリナーゼという酵素の働きでアリシンという物質に変わり、次いでビタミンB1(化学名チアミン)と結合してアリチアミンになる。
このアリチアミンの化学構造は、非常に安定しているため分解されにくく、ビタミンB1の吸収も、B1単独の場合よりも20倍以上高まる。
つまり豚肉はニラなどと一緒に食べると、ビタミンB1をむだなく摂取できることになる。
ニラは、葉が薄緑色で太く短いものがよく、鮮度が落ちると葉先が黄色く変わる。
調理のポイントは、火を通し過ぎないこと。
以上、専門的な話は姪の管理栄養士からの受け売り。
おじさんもトシをとって、負うた子に教えられるようになった。
夏の盛りのころ、テレビの健康番組が、「夏は豚肉を......」と勧めていた。
夏バテを防ぐにはビタミンB1を多く含む食品を食べるべきだ。
ビタミンB1を多く含む食品といえば、大豆、ピーナッツ、麦、サツマイモなどが挙げられるが、肉類では豚肉がズバ抜けている、と。
見ていてふと、むかし子どもだったころのことを思い出した。
豚は白豚(ヨークシャー種など)と、黒豚(バークシャー種など)に大別されるようだが、鹿児島県は黒豚の主産地だから、故郷屋久島の豚もみな黒豚で、生肉用として飼われていた。
だから肉といえば、まず豚か鶏だった。
牛肉は食べたことがなかった。
バターを知らない者にとってはマーガリンがバターだが、私における牛肉と豚肉の関係もそのようなものだった。
もっとも、栄養学的に考察すると、豚肉は少しも牛肉にひけをとらない。
むしろずっとすぐれてさえいる。
とりわけビタミンB1の含量(赤肉、生)は100グラム中0.75ミリグラムと、牛肉(同0.09ミリグラム)の8倍以上で、これはあらゆる肉類のなかでも圧倒的な含量である。
豚肉はビタミンB1の宝庫だ。
豚肉は、ニラ、ネギ、タマネギなどと一緒に料理すると、ビタミンB1の吸収率が一段と上がる。
これらの野菜にはアリインという物質が多く含まれているからだ。
アリインは、ニンニクやラッキョウにも多量に含まれている。あの独特の臭いのもとだが、アリナーゼという酵素の働きでアリシンという物質に変わり、次いでビタミンB1(化学名チアミン)と結合してアリチアミンになる。
このアリチアミンの化学構造は、非常に安定しているため分解されにくく、ビタミンB1の吸収も、B1単独の場合よりも20倍以上高まる。
つまり豚肉はニラなどと一緒に食べると、ビタミンB1をむだなく摂取できることになる。
ニラは、葉が薄緑色で太く短いものがよく、鮮度が落ちると葉先が黄色く変わる。
調理のポイントは、火を通し過ぎないこと。
以上、専門的な話は姪の管理栄養士からの受け売り。
おじさんもトシをとって、負うた子に教えられるようになった。
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