SSブログ

乾癬はうつらない [医学・医療・雑感小文]

乾癬はうつらない

10月29日は「乾癬の日」だ。

 乾癬はいろいろな意味で「隠れた」病気である。

 乾癬をもたない人は乾癬という病気をよく知らず、乾癬をもつ人の多くは周囲の無知・無理解に苦しんでいる。

 それを変えるためWHO(世界保健機関)は、この日を「世界乾癬デー」と定めた。

 乾癬にかかると、皮膚が赤くなって(紅斑=こうはん)、盛り上がり(浸潤、肥厚)、その表面に銀白色の垢(鱗屑=りんせつ)が付着し、フケのように剥がれ落ちる(落屑=らくせつ)。

 鱗屑を無理にはがすと、出血することがある。

 かゆみには個人差があり、全然かゆくない人もあれば、強いかゆみが生じる人もある。

 乾癬は、症状の違いによって、次の5種類に分けられる。

尋常性乾癬(局面型乾癬) 尋常性とは、「最も普通の」という意味。

 乾癬の約90%はこのタイプで、上に記したような皮膚症状が現れる。

乾癬性紅皮症 尋常性乾癬が広がった状態で、全身が真っ赤になる。

膿疱(のうほう)性乾癬 カサカサした部分だけでなく、少しジクジクとして真っ赤な部分が生じ、その中に膿疱(膿をもつ小さな発疹)ができる。

関節症性乾癬 (乾癬性関節炎) 皮膚症状に加え、手足の指、背骨、腰などの関節に痛みや変形などが現れる。

 関節リウマチに似ているが、血液検査でのリウマチ反応は陰性がほとんどだ。

急性滴状乾癬 風邪、扁桃炎などに引き続いて、全身に水滴ぐらいの小さい紅斑が急速に現れる。

乾癬の原因はまだはっきりとはわかっていない。

乾癬になりやすい体質は遺伝することがあるが、体質があっても必ず発症するわけではない。

 体質的素因と、食生活、気候、ストレスなどの環境因子が重なり合って発症するとかんがえられている。

 一つ、ハッキリわかっているのは、非感染性である(伝染しない)ということだ。

 プールやお風呂、接触などで、他の人にうつることは決してない。

うつる人は一人もいない。『発病』することは、誰にもおこりうる(WHOのポスター)。

 乾癬は、決して「一生の病気」ではない。

 症状のコントロールができる病気であり、生活環境の改善や治療などにより、皮膚が完全に正常な状態に戻る人もたくさんいる。

 近年は生物学的製剤(3剤ある)も開発されて治療効果が一段と上がっている。

 乾癬で悩む人は、全国に約10万人。

 各地に患者友の会がある。

 正しい治療情報を知ることができる。

 独りで悩まず、ぜひお訪ねを─。

 連絡先は日本乾癬患者連合会(JPA)のHpでわかる。 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

抗酸化酵素「親が死んでも食休み」 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。