インスリン [医学・医療・雑感小文]
インスリン
紀元前1500年ごろのエジプトの医書に、「多尿を駆逐する薬」として奇妙な処方が記されてあるのが、糖尿病に関する最古の記載だという。
古代インドで「蜜(みつ)の尿」と形容された病気や、漢方で「消渇(しょうかち=のどが渇き、消耗する)」と呼ばれた病気も、糖尿病にほかならない。
そんなにも昔から多くの国の医師たちが治療法を模索し続けたがかなわず、この「不思議な病気」は、一度かかると死を待つしかない病気だった。
だが現代の糖尿病患者は、
「永い暗黒時代の末に、今世紀初めて手にしたインシュリンのお蔭で生き永らえ、現代生活を享受しております」
と、『インシュリン物語』の著者は述べている(二宮陸雄訳=岩波書店)。
インスリンは、1921年の夏、カナダ・トロント大学の「ネズミの出没する薄暗い研究室で、仕事を始めた29歳の外科医、フレデリック・バンティングと、まだ医学生だった22歳のチャールズ・ベスト」によって発見された。
紀元前1500年ごろのエジプトの医書に、「多尿を駆逐する薬」として奇妙な処方が記されてあるのが、糖尿病に関する最古の記載だという。
古代インドで「蜜(みつ)の尿」と形容された病気や、漢方で「消渇(しょうかち=のどが渇き、消耗する)」と呼ばれた病気も、糖尿病にほかならない。
そんなにも昔から多くの国の医師たちが治療法を模索し続けたがかなわず、この「不思議な病気」は、一度かかると死を待つしかない病気だった。
だが現代の糖尿病患者は、
「永い暗黒時代の末に、今世紀初めて手にしたインシュリンのお蔭で生き永らえ、現代生活を享受しております」
と、『インシュリン物語』の著者は述べている(二宮陸雄訳=岩波書店)。
インスリンは、1921年の夏、カナダ・トロント大学の「ネズミの出没する薄暗い研究室で、仕事を始めた29歳の外科医、フレデリック・バンティングと、まだ医学生だった22歳のチャールズ・ベスト」によって発見された。
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