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耳鳴り順応療法 [医学・医療・雑感小文]

耳鳴り順応療法

「夜の霜しんしん耳は蝉(せみ)の声」

「遠方に電話の鈴の鳴るごとく 今日も耳鳴る かなしき日かな」

─小林一茶59歳の歳末の一句と、石川啄木の処女歌集「一握の砂」中の一首だ。

一茶はセミ、啄木はベル。

音は違うが苦痛は同じ。

夜となく昼となく鳴り続ける、本人以外には聞こえない頭の中のしつこい神経音に苦しみながら耐え続けている人が、何十万人もいる。

進歩した現代医学もこれにはほとんどお手上げで、耳鳴りは医者泣かせの症状の最たる一つでもあるようだ。

だが、近年、これに克つ治療法も開発されている。

その一つが、TRT(Tinnitus Retraining Therapy=耳鳴り順応療法)だ。

耳鳴りの苦痛には、正体がよくわからないために不安が強くなるという側面がある。

まず、聴こえのしくみや耳鳴りについて理解してもらう「指示的カウンセリング」し、そのあと、音を使って脳を慣らす「音響療法」を行う。

耳かけ型補聴器に似た形のものから出る人工音のなかから自分に合った不快でない音を選択し、1日6~8時間装着する。

それによって「耳鳴りを意識しない」ようにトレーニングする。

重症患者の一般的な症状の変化を追ってみると、

最初の診察後「診察と詳しい説明を受けて安心した」
1ヵ月後「気持ちが少し落ち着いてきた」

3ヵ月後「耳鳴りにだんだん慣れてきた」

6ヵ月後「普通に生活できるようになった」

1年後「耳鳴りがしていることを忘れる」

2年後「静かなところでのみ、耳鳴りが聞こえる」といったふうで、これが多くの成功例にみられる経過だという。
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