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幸福長寿の三原則 [医学・医療・雑感小文]

平成養生訓24

幸福長寿の三原則

日本人の平均寿命がまた延びました。

男性79.19歳、女性85.・99歳、いずれも過去最長を更新しました。

女性は23年連続世界1位、男性も僅差の3位です。

それだけではありません。

「健康寿命」は世界一です。

平均寿命は、ことし生まれた赤ちゃん(0歳児)が何歳まで生きられるかを算定したものですが、健康寿命は、一生のうち日常生活に大きな障害を及ぼす病気やケガなどの期間を推計、平均寿命から差し引いたものです。

つまり元気で活動的に生活できる人生の長さのことです。

このほうが平均寿命よりも価値がある、人生の幸福に直結する寿命だと思います。

WHO(世界保健機関)によると日本の健康寿命は74.5歳(女性77.2歳、男性71・9歳)、国連に加盟する世界192ヵ国のうち最長です。

日本の健康寿命が長いのは、

1 食生活が低脂肪食で心臓疾患が少ない。

2 たばこの影響による肺がんの発生率が低い─からとWHOは分析しています。

それを支えているのが、日本人の高い健康意識だと思います。

いま、私たちの国は、かつてない「健康時代」の真っ只中にあります。

多くの人が、自分と自分の家族の健康に強い関心をもち、これを増進し、保つ努力をしています。

そのことが日本の健康寿命を支える最大の理由だと思うのです。

これをさらに延ばすには、よく食べ、よく動き、よく寝る─の三原則を励行することでしょう。

「健康の基本はなんといっても食生活。日常、栄養のバランスのよい自然の食物をとることだ。

今の日本人には栄養失調はめったに起こらないが、たいてい何かに偏っている。

しかし、成人の偏食を直すのはそう容易ではない。

無理に直そうとすると、かえってストレスになる。

いい年をして、嫌いな物を食べろと強制されたら腹が立つ。

また、一人暮らしだったりすると、なかなか多品種・多品目の食事がとりにくい。サプリメントを活用すればよい」

とは、野本亀久雄・九州大学名誉教授の助言です。

免疫学の基礎的研究の権威で、「生体防御」という考えを提唱、同大学に生体防御医学研究所を創設した人です。

次の「よく動く」は、自分に合った運動を、習慣的に続けることです。

年をとって足腰が弱って歩けなくなったり、疲れやすくなる「生活不活発病」は、言い換えると運動不足病です。

動かないから動けなくなるのです。

といっても、一般の人の過激な運動は禁物。

足腰をいためてしまうこともあるし、体内に活性酸素が生じ、老化やがんの原因になるとも指摘されています。

誰でも無理なくできる運動といえば、ウォーキング。高齢者でも、慢性の病気を持っている人でも、体力や病態に合った歩き方なら何ら問題ありません。

自分の体力に適した早足歩きは、足腰を丈夫にするだけでなく、心肺機能を高め、胃腸の働きをよくし、頭脳の老化防止にも役立ちます。

昔の人も「強い足には冴えた頭脳が宿る」と言っています。歩きましょう!

三つめの「よく寝る」は、適度の休養をとって疲労を翌日に持ち越さないようにしようということです。

不眠症治療の名医、伊藤洋・東京慈恵医大教授(精神神経科)はこう話しています。

「睡眠には四つの役割がある。

一つは体や脳を休めて疲れを解消する。

二つは睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、ケガなどを修復し、成長を促す。

三つは記憶を固定する(脳にたまった情報を睡眠中に整理し固定する)。

四つは夢を見ることでストレスを発散させる」と。

♪♪ 眠れ、眠れ、よい子のように……。

さて、そして、もう一つ。

幸福な長寿に欠かせないもの。それは「笑い」と「喜び」です。

笑えば病気とたたかうリンパ球がふえたり、痛みのもとになる血液中の物質がへったりします。

いつも喜びの種を見つけて、よく笑うようにしましょう。

それは誰でも心のもちよう一つで手に入れられる、幸福長寿の最高の妙薬です。

(株)心美寿有夢のPR誌『絆』26号=2008年11月発行=より再録>

●追記  前記の「日本人の平均寿命 健康寿命」は、2008年当時のもので、最新(2014年)の平均寿命は、男性=80.50歳(世界3位)、女性=86.83歳(世界1位)。 健康寿命は、男性=71.11歳、女性=75.56歳で、男女とも1位です。
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