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仕事を「死ごと」にしないで! [医学・医療・雑感小文]

無理と過労

自分でもあきれるくらい仕事がのろい。おまけに怠けぐせもついている。

したがって年中、シメキリという魔物に追われることになり、いよいよ切羽詰まると、おちおち昼寝などしていられない(実は今もそうだ)。

狭苦しい仕事部屋で、もたもたパソコン労働をやっていると半徹夜になり、家の者から「あまり無理しないで…」と言われたりする。

しかし、考えてみるに、人間、生きているということは、無理をするということではないのか。

全く何の無理もしないで生きていくなんて、よほどの「鈍感力」の達人でなければできぬ相談だろう。

仕事には無理がつきものだと思う。

とはいえ、むろんそれにも限度はある。

無理に無理を重ねることを続けていると、その先には「過労死」などという致命的結末が待っている。

「過労死は自己管理の問題」と言った人がいるそうだが、極言すればそのとおりだ。

そのとおりだが、自己管理もへったくれもない状況の中で働いている、働かざるを得ない人があるのも事実だ。

この国はどこか間違っている。おかしい。

 勇気ある休息

過労死。正式な病名ではない。

1970年代の初めから「勤労者の急死」を研究してきた、国立公衆衛生院の上畑鉄之丞・成人病室長(当時)の造語だ。

いまでは「KAROSHI」として外国でも通用している。

『広辞苑』にも1991年の第四版から収載されている。

「仕事のしすぎによる勤労者の急死。一九八〇年代後半から一般化した語」。

発病から死亡までが24時間以内の病死を「突然死(英語ではサドンデス)」というが、過労死は、その原因が過労(蓄積疲労)であること、発症から死亡までを24時間以内に限定しないこと、また、死亡に限らず、重度障害者としての生存者を含む点で、突然死と区別される。

過労死を防ぐために勤労者本人ができることは、疲れたら休む、特に睡眠を十分とるという、この一事につきる。

過労死したほとんどすべての人に共通している事実は、数日以上の睡眠不足である。

過労死すなわち睡眠不足死といってもいい。疲れたら休もう!

勇気を出して休もう!

仕事を「死ごと」にしてはいけない。

(2007年4月、地方新聞各紙に掲載した旧稿です)
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