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眠れ、労働者! [医学・医療・雑感小文]

 日本睡眠調査

寝不足が体によくないのは、誰でも実感的に知っているが、寝過ぎるのも同じようによくない。

短すぎる眠りも、長すぎる眠りも、寿命を短くすると、1960年代後半から言われるようになった。
2003年には、同様の関連性が虚血性心疾患(狭心症、心筋こうそく)との間にもみられると報告された。

さらに最近では肥満、高血圧、糖尿病なども、睡眠時間と密接に関連することがわかってきた。

しかし、これらの多くは欧米での研究で、日本人の睡眠時間と生活習慣病の関連性を調べた研究は少なかった。

また、睡眠時間と脂質異常症(血液中の中性脂肪値が高く、善玉コレステロールのHDL値が低い状態)との関連性については、世界的にもよく知られていなかった。

兼板佳孝・日本大学医学部専任講師(当時。現・大分大学医学部公衆衛生・疫学講座教授)らは、日本人の睡眠時間と、虚血性心疾患・脂質異常症との関連性を、

① 男女1062人の地域住民の健診データ 

② 男女3995の全国調査(国民健康・栄養調査)データ

③ 地方公務員の男性2万1693人を7年間追跡した職場健診データ

─を解析し、睡眠時間と、虚血性心疾患や脂質異常症との関連性を検討した。

日本人の睡眠時間と生活習慣病について、こうした大規模疫学調査が行われたのは初めてのことだ。

結果、

①地域住民データでは、睡眠時間が6時間未満の人たちと、8時間以上の人たちではHbA1c(過去1~2カ月の血糖の指標値)が高いことがわかった。

②全国データの成人女性では、やはり睡眠時間の短い人と長い人は、中性脂肪が高く、善玉のHDLコレステロールが低いことがわかった。

③職場健診データの追跡研究では、短い睡眠時間が、肥満、高血糖、高トリグリセライド(中性脂肪)血症の危険因子となることがわかった。

夜の目も寝ずに働くと、やせるどころか、かえって太り、糖尿病になりやすい。

眠れ、万国の労働者!
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