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便通食品と便秘薬 [医学・医療・雑感小文]

便通食品と便秘薬

◎便秘のタイプ

大腸は実に精妙でデリケートな臓器だ。

その働きが過敏になると、下痢もするし、便秘もする。

この過敏性腸症候群の便秘型は、女性に多い。

便秘には、腸管の動きが悪い「弛緩(しかん)性便秘」と、逆に腸管の緊張が強すぎる「けいれん性便秘」がある。

過敏性腸症候群の便秘型の多くはけいれん性だ。

けいれん性便秘を治すには、便の硬さを変える(便を軟らかくする)ことと、腸の緊張を取ることの二つの対処法が必要だ。

弛緩性便秘も、やはり便を軟らかくすることと、腸の動きをよくすることの二つになる。便を軟らかくする点は同じだが、けいれん性は腸の緊張をゆるめ、弛緩性は緊張を強める。正反対の対処法になるわけだ。

便秘解消には食物繊維を─といわれるが、弛緩性とけいれん性では、繊維の種類による向き・不向きがある。

水に溶けない不溶性繊維(セルロースなど)は、便は軟らかくなっても、大腸に刺激を与え腹痛が強くなるので、けいれん性には向かない。

水溶性繊維なら、けいれん性にも弛緩性にも効果的だ。

◎食物繊維

食物繊維には、水に溶ける水溶性繊維と、溶けない不溶性繊維がある。

水溶性の食物繊維は、ペクチン、グアガム、グルコマンナンなどで、多く含む食品は、果物、海藻類、コンニャクなどだ。

不溶性の食物繊維は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどで、小麦ふすま、干したエンドウマメ、ダイズ、干しシイタケ、カンピョウ、切り干し大根などに多く含まれている。

◎便秘薬

しかし、頑固な便秘は食物繊維を多くとるだけではなかなか治らない。

腸管の病態に合わせた、消化管運動の異常を改善する治療法が必要と専門医は指摘している。

その治療に多く用いられるのが、「ポリカルボフィルカルシウム(商品名・ポリフル、コロネル)」という薬だ。

腸管内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やし、便を軟らかくする作用がある。

薬の成分が体内に吸収されないので副作用の心配は少ない。

そのぶん効果の現れるのが緩慢で、「やや改善」は比較的早い段階から得られるが、「改善」以上の効果が得られるのには約8週間かかる。

すこし気長にのみ続ける必要がある。

いや、というのはちょっと古くて、いまはもっと早く効果の現れる薬もある。

2012年、便秘治療薬としては約30年ぶりに発売された「アミティーザ」がそれだ。

小腸に作用し、便に含まれる水分をふやし、便を軟らかく移動しやすくする。

慢性便秘に広く効果があり、長く飲んでも効きがわるくなることが少ないという。
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