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ピロリ菌の型 [医学・医療・雑感小文]

東アジア型vs欧米型

胃がんの発症にピロリ菌が絡んでいるのは決定的で、日本人にはピロリ菌感染者が多い。

が、それだけが日本人に胃がんが多い理由ではない。

胃がんになりやすい民族的な遺伝的素因、食生活の特徴(高塩分食)に加えて、日本人のもつピロリ菌の型が、欧米諸国のそれに比べて病原性が強いことも大きな一因と考えられている。

ピロリ菌は、遺伝子の型によって、東アジア型と欧米型に大別される。

東健・神戸大学消化器内科教授と畠山昌則・北海道大学遺伝子制御研究所教授(当時。現東京大教授)は、福井県と沖縄県(胃がんの発症率が全国で最も低い)のピロリ菌の菌株を解析した。

福井の65株(慢性胃炎36、胃がん29)はすべて東アジア型、沖縄の50株(慢性胃炎42、胃がん8)は、東アジア型が28株、残りは欧米型とそれに準ずるタイプだった。

胃がん株はみな東アジア型で、慢性胃炎株の東アジア型は、欧米型に比べて胃粘膜の委縮が高度だった。

つまり東アジア型のピロリ菌は、胃粘膜の萎縮や胃がんの発症に強く関与することがわかった。
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