費用対効果 [医学・医療・雑感小文]
費用対効果
ピロリ菌は抗生物質で除菌できる。
が、そのコスト、除菌の失敗、副作用の逆流性食道炎(ピロリ菌を除菌して胃粘膜の炎症が治まると、胃酸の分泌が増え、胃酸が食道内に逆流しやすくなる)などの理由をあげて、胃がん予防のためのピロリ菌除菌を疑問視する意見もある。
しかし、ピロリ菌と胃がんに詳しい畠山昌則・東京大教授(感染腫瘍学)は、日本の胃がんの現状、社会的コストを考えれば、ピロリ菌除菌は絶対必要だと言い切っている。
日本では毎年、約13万人が新しく胃がんと診断され、約5万人が死亡している。
男性ではがん死の2位、罹患数は1位、
女性では死亡数も罹患数も3位。
ピロリ菌感染者が70%以上という団塊の世代ががん年齢になった今後はさらに増えるかもしれない。
ピロリ菌感染者からは10年間におよそ3%、胃がん患者が出ている。
青年期から発がんまでの約30年間の発がんレンジを考えると、ピロリ菌感染者が胃がんになる危険率は約10%になる。
「10人に1人が同じがんになる可能性があるわけで、これはかなり危険な数字といえます」
ピロリ菌の除菌については、そのためのコストも問題にされる。
除菌費用を1人1万円とすると、日本の総感染者は6000万人だから6000億円を要する。
一方、ピロリ菌感染者の10%は胃がんを発症するといわれるが、少なくとも500万人の胃がん患者のトータルの治療費は軽く1兆円を超える。
また、胃がん手術後の回復・社会復帰には1カ月ないし1カ月半かかるが、除菌は薬をのむだけだ。
ピロリ菌を除菌すれば約10%、逆流性食道炎が起こるといわれ、食道がんが発生する心配がある。
実際、アメリカではピロリ菌の除菌によって食道がんの発生率がわずかに上がるため、除菌に否定的な意見がある。
この意見について、畠山教授は、
「日本とアメリカでは全く状況が違う。
日本人の胃がん患者は、アメリカの10倍以上、圧倒的な多さです。
除菌が胃がんのリスクを下げるメリットを考えると、食道がんのリスクを議論する余地はない。
アメリカを基準にして判断するのは大きな間違いです」と話している。
ピロリ菌は抗生物質で除菌できる。
が、そのコスト、除菌の失敗、副作用の逆流性食道炎(ピロリ菌を除菌して胃粘膜の炎症が治まると、胃酸の分泌が増え、胃酸が食道内に逆流しやすくなる)などの理由をあげて、胃がん予防のためのピロリ菌除菌を疑問視する意見もある。
しかし、ピロリ菌と胃がんに詳しい畠山昌則・東京大教授(感染腫瘍学)は、日本の胃がんの現状、社会的コストを考えれば、ピロリ菌除菌は絶対必要だと言い切っている。
日本では毎年、約13万人が新しく胃がんと診断され、約5万人が死亡している。
男性ではがん死の2位、罹患数は1位、
女性では死亡数も罹患数も3位。
ピロリ菌感染者が70%以上という団塊の世代ががん年齢になった今後はさらに増えるかもしれない。
ピロリ菌感染者からは10年間におよそ3%、胃がん患者が出ている。
青年期から発がんまでの約30年間の発がんレンジを考えると、ピロリ菌感染者が胃がんになる危険率は約10%になる。
「10人に1人が同じがんになる可能性があるわけで、これはかなり危険な数字といえます」
ピロリ菌の除菌については、そのためのコストも問題にされる。
除菌費用を1人1万円とすると、日本の総感染者は6000万人だから6000億円を要する。
一方、ピロリ菌感染者の10%は胃がんを発症するといわれるが、少なくとも500万人の胃がん患者のトータルの治療費は軽く1兆円を超える。
また、胃がん手術後の回復・社会復帰には1カ月ないし1カ月半かかるが、除菌は薬をのむだけだ。
ピロリ菌を除菌すれば約10%、逆流性食道炎が起こるといわれ、食道がんが発生する心配がある。
実際、アメリカではピロリ菌の除菌によって食道がんの発生率がわずかに上がるため、除菌に否定的な意見がある。
この意見について、畠山教授は、
「日本とアメリカでは全く状況が違う。
日本人の胃がん患者は、アメリカの10倍以上、圧倒的な多さです。
除菌が胃がんのリスクを下げるメリットを考えると、食道がんのリスクを議論する余地はない。
アメリカを基準にして判断するのは大きな間違いです」と話している。
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