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汗の生理学 [医学・医療・雑感小文]

汗の生理学

猛暑のなか甲子園の熱闘が続いている。

熱中症は大丈夫か?

運動生理学の専門家によれば、運動で体を鍛えた人は、体温の調節と汗を出す能力に優れている。

一流のアスリートと、同年齢の一般人に同じ条件で運動をしてもらい、汗の出方を調べた。

アスリートは1時間で3㍑以上の汗を出したが、一般人は30分間で0・8㍑ほど出たところで、それ以上は汗が出ず、体温が上がり、ダウンした。

汗の最も重要な働きは、体温の調節だ。

気温が高くなったり、運動や発熱で体温が上がったりすると、汗の量が多くなり、その蒸発によって体の熱を奪い、体温を一定に保つ。

1時間の発汗量は、室温29度の部屋では座っているだけで0・1㍑、気温32度~36度の街路を歩くと0・5㍑、ジョギングをするとその倍の1㍑、さらに激しい運動をすると2㍑…、頭から水をかぶったように汗をかく。

汗の99%は水だが、大量に汗をかくと塩分などのミネラルも失われる。

ひどい汗をかいたあとは低ナトリウム状態が生じ、体がだるく、食欲が減退したり、軽い下痢をしたりする。

お茶のとき梅干しを1個しゃぶるとよい。

外を歩いて汗をかいた程度なら、コップ1杯の水をゆっくり飲めばよい。

運動中や運動後などひどくのどが渇くようならスポーツドリンクを─。

昔の運動指導者は、運動中は水を飲ませなかった。

胃がだぶついて呼吸運動に影響したり、競技のリズムが狂ったり、汗を余計にかいてそれだけ疲労度が大きくなる─といった理由だった。

この考えには科学的根拠がないばかりか、非常に危険だ、と専門家は断言している。

汗をかいて体重の2~3%に相当する水分が失われると、循環機能に影響が出始める。5%程度になると持久力が低下し、7%になると幻覚が現れる。

10%以上になると意識がなくなり、最も重症の熱中症(熱射病)で死ぬケースが出てくる。

渇きを覚えたら(いや、渇きを覚える前に)水を飲もう。
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