SSブログ
医学・医療・雑感小文 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

急性心不全は病名ではない [医学・医療・雑感小文]

 突然死を招く心臓病、原因と予防
 
 俳優の大杉漣さんの突然の死去にはほんとうに驚いた。

 すぐにはしんじられなかった。

 死因は急性心不全と報道された。

 急性心不全とは、「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻し,心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への灌流不全を来たし,それに基づく症状や徴候が急性に出現,あるいは悪化した病態」(急性心不全治療ガイドライン)と定義されている。

 ひらたく言えば、「心臓が何らかの理由で急激に動かなくなり、循環状態に病的な影響を及ぼす」という状態。

 心臓は全身に血液を送るポンプの役割を果たしているが、そのポンプが故障したために全身に血液を循環させる事ができなくなるわけだ。

 血液には体の機能を維持するための酸素や栄養素が含まれているが、その血液が全身を循環できないという事は死に直結する。

 もっとも厚生労働省報告には、急性心不全という疾患分類はなく、明確な実態や動向は明らかにされていない。

 一つの疾患としての分類には急性心不全は位置づけられておらず、疫学的な調査も本格的にはあまり行われていないようだ。

 急性心不全を起こす原因は、心疾患の三大危険因子と言われる「高血圧・糖尿病・高コレステロール血症や高脂血症などといった脂質代謝異常」から、「風邪などの感染症」、「アルコール」、「ストレス」など非常に多くのものが複合的に絡んでいる。

 もともと不整脈が持病にある人が急性心不全を起こす事も多く、心室細動など致死性不整脈が急性心不全の原因のひとつともなることも多い。

 東京都監察医務院のHPによると、急性心臓死あるいは心臓発作の大半が虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)と報告している。

 虚血性心疾患では安静時や労作時など時を問わず突然意識をなくし倒れ、症状出現後1分以内に命を落とすこともある。

 そうした短時間で心肺停止に陥った場合、ただちに救急搬送しても蘇生することはきわめて困難といわれている。

 もし、目の前で意識不明の状態に陥った人がいた場合、その原因がもし致死性不整脈による急性心不全であれば、すぐさまAED(自動体外式除細動器)を使用することで救命できるかもしれない。

 AEDは動作が自動化されているので、機械が適切に判断し、必要な場合のみ電気ショックを流す仕組み。

 AEDによって助かる命がふえることは確実。

 もし目の前で誰か倒れて「意識がなく」「呼吸がない」場合には、たとえ原因がわからなくてもすぐさまAEDを━。

 日ごろより自分の持ち場のどこにAEDがあるか把握し、的確に救命処置が行えるためにも自治体などが行っている救命講習を受けておきましょう。

 急性心不全は予防できうるか

 基礎疾患や原因が一つとは限らず完全に予防するのは難しい急性心不全だが、その状態に陥るリスクを減らすことはできる。

 急性心不全のリスクを減らすためには

・会社などの定期健康診断は必ず受診する。

・定期的に血圧測定をする(特に30歳以上の人)。

・塩分はできるだけ少なくする。肥満を防ぐ。

・何か症状が出たら医療機関に受診する。

・禁煙。

・ストレスをさける(特に競争心が強い努力家、性急、短気な人)。

・スポーツなどの趣味を適度に生活の中に取り入れ、睡眠を十分に取る。

「おたくま経済新聞」より引用・要約。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

頭皮にもある神経痛 [医学・医療・雑感小文]

頭皮神経痛、ピリピリした痛み

洗髪やブラッシングがとても痛い、髪の生えぎわや額にピリピリと痛みを感じる…といった経験はありませんか?

頭皮などに感じる電気が走るような鋭い痛みは、頭皮神経痛の可能性があります。

「神経痛」と聞くと手足や関節などを思い浮かべるかもしれませんが、頭皮にも神経痛は起こります。
今回は、頭皮神経痛の症状や原因などについて解説します。

神経痛とは

神経痛は末梢神経(まっしょうしんけい)が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで起こる痛みの総称です。

「末梢神経」は、脳や脊髄などの中枢神経から全身に広がっていて、脳の命令を手足に伝達する、反対に感覚器官や皮膚などで得た情報を脳に伝える、という役割をしています。

神経痛を身体の部位別にみると、「三叉(さんさ)神経痛=顔面」、「肋間(ろっかん)神経痛=胸」、「坐骨(ざこつ)神経痛=腰」などがよく知られています。

この神経痛の症状が頭部にでた場合「後頭(こうとう)神経痛」あるいは「頭皮神経痛」と呼んでいます。

頭皮神経痛の症状

頭皮神経痛は、後頭部や頭頂部にピリピリ、ジンジンといった痛みを感じます。

目の奥の痛みやめまいといった症状がでる場合もありますが、一般的には頭の表面のピリピリとした痛みと、シャンプーやブラッシング時の痛み、ドライヤーの風が異様に熱いなどの症状が特徴です。

ほかの神経痛と同じように、突発的に鋭い痛みが現れ、本人はすごく痛がりますが、しばらくすると痛みは消えます。

頭皮神経痛の原因

頭皮神経痛の原因は生活習慣ではないかといわれ、次のような点が指摘されています。

姿勢が悪くて骨格がずれて、身体に負担をかけている

睡眠不足でストレスが生じている

ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が不足し疲労が蓄積されている

背骨が凝ったり歪んだりしている

騒音、気候の変動、大気汚染などの外的ストレスにさらされている

仕事や人間関係のストレスが昂じている

頭皮神経痛の対策

今のところ治療法は確立されていませんから、鎮静剤の服用といった対症療法か、痛みが鎮静化するのを待つ以外にありません。

ストレスや生活習慣が痛みの原因になると考えられていますので、生活習慣の見直し、ストレス発散・回避など、「予防」を心がけることが大切になります。

具体的には次のようなことです。

姿勢を悪くしない、長時間同じ姿勢でいつづけない

肩凝りや腰痛を治す

急激な運動によって発症しないように気をつける

騒音や大気汚染などの外的ストレスに対し、環境を変えることも考える

人間関係や長時間労働など仕事のストレスは上手に発散する。もしくは、相談をして状況を変えるように努める

栄養に偏りのないバランスよい食生活を心がける

質の良い十分な睡眠を習慣とする

オン・オフのけじめをつけリラックスする時間を確保する

ものごとに取り組む際、必要以上に悲観的にならないようにする

頭皮神経痛ではない別の病気の可能性

頭部が痛む、という症状は頭皮神経痛に限りません。

頭皮の「ヒリヒリ、ちくちく」という痛みは、乾燥によるかゆみなどが起因しているかもしれませんし、頭の奥の方がズキズキ痛む「頭痛」もあります。

注意しなくてはならないのは、専門的な治療が必要となる重要な病気が隠れているケースです。

たとえば、脳梗塞やくも膜下出血などが挙げられます。

痛みが生じていて、痛みのほかにも手足のしびれや嘔吐などの症状があるときは、すみやかに医療機関を受診してください。

頭部の痛みを自己判断すると、危険な場合もあります。

やさしい頭皮ケアを!

頭皮神経痛が出現すると、新陳代謝が低下して頭皮が硬くなるため血液の循環が悪くなります。

髪に栄養がゆきわたらなくて抜け毛につながることもあります。

しかし、痛くてブラッシングやシャンプーなど、頭皮ケアにも支障がでますから、老廃物が溜まりやすい状態である点にも留意しましょう。

刺激を与えないで丁寧に頭部をケアすること、そして冷たい外気や紫外線などから頭皮を保護すること、さらに乾燥にも気を配りましょう。

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

アルコールと認知症 [医学・医療・雑感小文]

アルコールの飲み過ぎが「認知症」の原因に
 
 アルコールの飲み過ぎは、あらゆる種類の認知症、特に早期認知症のもっとも重要な危険因子であることが、世界保健機関(WHO)とカナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)による、3,000万人以上を対象とした大規模調査で明らかになった。

「健診でアルコール障害を早期に発見し介入することで、認知症を減らせる可能性があります」と、研究者は指摘している。

 アルコール障害が認知症リスクを3倍以上に上昇させる

 研究チームは2008~2013年に、フランスの3,162万4156人の医療記録を解析した。

 期間中に110万9,343人が認知症と診断された。

 結果、「アルコール使用障害」(AUD)は、あらゆるタイプの認知症、特に早期発症型認知症の発症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになった。

 アルコール使用障害は、あらゆる種類の認知症のリスクを、男性で3.4倍に、女性で3.3倍にそれぞれ上昇させるという。

 また、全体の5.2%にあたる5万7,353人が65歳以前に発症する早期認知症と診断された。

 認知症全体では女性の発症が多かったが、早期認知症に限ると3分の2(64.9%)が男性だった。

 早期認知症と診断された患者の半分以上が、アルコールの飲み過ぎと関連していることも判明した。

 アルコールが原因の認知症は予防が可能

 世界保健機関(WHO)は、慢性的な大量飲酒をアルコール換算で、男性の場合は1日当たり60グラム以上、女性の場合は40グラム以上と定義している。

 アルコール10グラムは、ビールでは250mL(ロング缶の半分)、ウィスキーでは30mL(シングル1杯)、ワインでは100mL(グラス1杯弱)に相当する。

「アルコールの飲み過ぎが認知症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになりました。

 特に早期認知症は死亡リスクが高く、飲酒と関連が深いことも分かりました」

 と、カナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)の精神・保健政策部のユルゲン レーム氏。

 20歳以上の成人がアルコール依存症になると、平均余命が短縮するという報告がある。

 認知症が主要な死因となっている可能性がある。

「アルコールがもたらす脳のダメージと認知症は予防が可能です。

 アルコールをコントロールすることで認知症の発症をくい止められる可能性があります」

 と、レーム氏は強調する。

 健診でアルコール障害を早期発見 指導介入を

 喫煙習慣、高血圧、糖尿病、うつ病、難聴などがあると、アルコールによる健康障害が増える傾向も示された。

 これらはすべて認知症の危険因子でもある。

 アルコールによる健康障害は多面的に、認知症の発症リスクを上昇させるとみられている。

 「精神科医として高齢者を診療していると、実際に認知症患者にはアルコール使用障害が多いことに気付かされます。

 認知症の予防の観点からみると、アルコールによる健康障害を改善する介入が遅れるケースが多いのは残念なことです」

 と、CAMHのブルース ポロック副理事長は話している。

「定期的な健康診断で飲酒状況をスクリーニングして、慢性的な大量飲酒を早期発見し、アルコール使用障害を治療することを、早期プライマリケアで開始する必要があります」

 と、指摘している。

 今回の研究では、アルコール依存症のもっとも重篤な症例である入院を伴う治療のみを対象としていたが、アルコール依存は不名誉なことなので、現実には隠れて飲んでいる患者も多いとみられる。

 アルコールの飲み過ぎと認知症の関連は、実際にはさらに強くなる可能性があるという。

 研究は、公衆衛生についての医学誌「ランセット パブリック ヘルス」に発表された。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

糖尿病の重症化を防ぐ「七福神」 [医学・医療・雑感小文]

「七福神」が糖尿病の重症化予防を助ける

糖尿病患者2,000人を対象にした大規模な研究が日本で開始される。

スマートフォンアプリ「七福神」を活用し、「IoT」によって糖尿病患者の行動変容をはかる。

糖尿病患者がIoTを活用 無理なく生活を改善するために国立国際医療研究センター糖尿病研究センター(センター長:植木浩二郎)は、

「IoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究-2型糖尿病患者におけるIoT活用の行動変容と血糖改善効果の検証-」の臨床研究を開始すると発表した。

「IoT」(アイオーティー)は、身の回りの機械がインターネットを通じてつながることで実現する新たなサービスや技術。

糖尿病患者が血糖コントロールを改善するためには、体重管理や運動を習慣として行うことが重要だ。

医師や保健指導者は、診療や保健指導を通して、自己管理のノウハウを提供し、動機づけを患者に行っている。

しかし、生活習慣病スタイルを変えていくのは患者自身。

糖尿病患者が治療に対するモチベーションを維持し、治療からの脱落を防ぐために、これまでの医療機関からの一方通行の情報伝達では不十分。

この臨床研究は、糖尿病患者がIoTを活用して、無理なく生活改善に取り組みながら、血糖コントロールと生活の質(QOL)を改善できる手法を検証する研究であり、今後の糖尿病治療のあり方に大きな変革をもたらす可能性のある取り組みである。

「七福神アプリ」を使い血糖コントロールを改善

研究では具体的に、スマートフォンアプリを日常的に使用している2型糖尿病患者2,000人を研究対象にし、そのうち1,000人の患者に「七福神アプリ」を使用してもらう。

研究は1年間行い、HbA1cの変化を比較する。

HbA1c【ヘモグロビン・エーワンシー】は、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値。

ふだんの血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり ふだんの血糖値が低い人はHbA1c値も低くなる。

研究に参加する患者に、通信機能をもつ測定機器(血圧計、体重体組成計、活動量計)を無償で貸与し、患者自身がスマートフォンを使って、日々の健康情報をセルフモニタリングする。

さらに、介入群は、「七福神アプリ」により日々の健康情報にもとづいたメッセージを受けることで、血糖コントロールの改善効果を検証する。

「七福神アプリ」は、あいち健康の森健康科学総合センターが経済産業省の「IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業」の結果にもとづき、バージョンアップして開発したスマートフォン専用アプリケーション。

血圧計と体重体組成計、活動量計に連動

患者は、自分のスマートフォンに、「七福神アプリ」に加えて、測定機器のデータを連動する専用アプリをダウンロードする。

患者には血圧計と体重体組成計、活動量計が貸与される。

専用アプリでこれらの機器を登録し、測定データを無線で転送・記録できるようにする。

測定データは「七福神アプリ」に連動する。

アプリでは、患者が食事や運動をよりよく自己管理できるようにするために、七福神のキャラクターが測定データをもとに励ましのメッセージを呼びかける。

週2回の応援メッセージを表示するほか、4週間ごとに測定値の平均と目標値との差分などをまとめたサマリー(診療記録の一つ、病歴などの要約)も表示する。

測定しない日が続くと、アラートを通知し、脱落を防止する。

「七福神」のそれぞれのキャラクターには担当があり、測定値や記録により褒めたり喜んだり、時に悲しんだりする。

たとえば働き者の恵比寿は歩数の管理、少しお腹の出た布袋尊は体重管理など、測定状況に応じて表情などを変えながらコメントする。

七福神が励ましてくれる 医療者にもメリットがある

週2回届く七福神からメッセージは多彩だ。

頑張って効果が出れば「がんばっておられて、うれしゅうございます」と褒めてくれるし、運動を少しさぼった時は「もう少し動かんと体力が落ちるぞ」と激励してくれる。

毎日の健康管理に伴走してくれるので、楽しみながら続けられる仕掛けになっている。

実証研究では、アプリを利用した群では、3ヵ月後、6ヵ月後までのHbA1cの変化量が有意に改善した。

「七福神アプリ」のデータは、専用クラウドにも転送され、医師や保健指導者が遠隔で患者の様子を確認することもできる。

医師は提供された健康データや指導者用サマリーレポートにより、診察日と診察日の間の健康状態、生活態度を簡便に把握することができるようになる。

適切にサポートすれば治療中断率は下げられる

特定健診・保健指導の調査によると、特定健診で受診を勧められても、病院に行かない方の割合は約50%(2,790万人)に上る。

積極的に治療を受ける患者の割合は低く、糖尿病でも早期発見・早期治療が十分に実施されていない。

外来通院中の2型糖尿病患者を対象にした研究では、通常の診療だけでは1年間で8%以上の患者が治療を中断することがわかった。

受診しなかった患者に手紙や電話で受診を呼びかけたり、食事と運動のアドバイスなどの診療支援を行ったところ、治療中断率は3%程度に下がることが確認できた。

しかし、こうした取り組みは人手や時間を必要とするため、多くの医療機関で常に行えるわけではない。

そこでIoTを活用することで、糖尿病患者の重症化を防げる可能性がある。

最初の段階で体重が減ったり、血圧が低下したり、歩くことの気持ち良さを実感できるようになれば、日常の行動が変化して自信をもって生活習慣の改善につなげられる。

逆に、最初の段階でサポートに失敗すると、治療から脱落してしまうおそれが出てくる。

「七福神アプリ」にはゲーム的要素もあり、これまでの参加者からは「治療を楽みながら続けられる」という声も聞かれたという。

IoTで一人ひとりに適合した治療を実現

この臨床研究「IoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究~2型糖尿病患者におけるIoT活用の行動変容と血糖改善効果の検証~」は、国立国際医療研究センターが日本医療研究開発機構の「IoT等活用生活習慣病行動変容研究事業」の採択を受け、開始するものである。

糖尿病を含む生活習慣病の医療費は、医療費全体の11.3%に達するほか、網膜症や腎症、心筋梗塞、脳梗塞などに加え、がん、認知症の発症リスクを高めるため、重症化を予防することは患者の生活の質(QOL)を改善するためにも重要である。

課題となるのは治療からの脱落を予防し継続させること、そして糖尿病をコントロールするために生活スタイルの改善を支援すること。

今回の取り組みは、2年程度を予定している。

あいち健康の森健康科学総合センターでは、今回の実証研究の経験をもとに七福神アプリをさらに改良し、一人ひとりに合った保健指導に役立てていく考えだ。

日常行動を変えるために、IoTを役立てる試みははじまったばかりだ。成功すれば、IoTの活用が行動を変えるきっかけになり、糖尿病治療を良好に続けられ、糖尿病合併症を防ぐための大きな手助けとなるだろう。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

ヨーグルト効果と糖尿病リスク [医学・医療・雑感小文]

ヨーグルトを積極的に食べると、2型糖尿病のリスクを低下できる。

2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ることで発症する。

ハーバード公衆衛生大学院栄養学部のフランク フー教授らのチームは、ヨーグルトを食べることが糖尿病の発症リスクにどう影響するかを調査した。

研究調査は、米国で行われた大規模調査である「看護師健康研究」(1980~2010年)、「看護師健康研究II」(1991~2009年)「医療従事者追跡研究、」(1986~2010年)に参加した男女を対象に行われた。

対象となった人数と年齢はそれぞれ、4万1,436人(40~75歳)、6万7,138人(30~55歳)、8万5,884人(25~42歳)だった。

調査期間中に1万5,156人が2型糖尿病を発症した。

分析した結果、ヨーグルトを毎日28g食べていると、2型糖尿病を発症するリスクが18%減少するという結果が得られた。

ヨーグルト28gはティースプーン山盛り2杯半分に相当する。

ヨーグルトがインスリン受容性を改善、炎症も低減

研究チームは、「ヨーグルトを食べると、インスリン受容性が改善し、血糖を下げるインスリンの効きが良くなり、炎症を減らす作用を得られる可能性があります」と指摘している。

また、炭水化物の摂取前に乳製品を摂取すると、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンである「グルカゴン様ペプチド-1」(GLP-1)の分泌が刺激され、食後の血糖値の上昇を抑えやすくなることが、過去の研究で確かめられている。

「植物ベースの食事を摂ること、野菜や果物、全粒穀物を十分の摂ること、運動を習慣として続けることなどに加え、ヨーグルトを食べることを健康的な習慣に加えるべきでしょう」

と、フランク フー教授は述べている。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

ヨーグルトは心臓にも効く? [医学・医療・雑感小文]

ヨーグルトが心血管疾患リスクを低下

ヨーグルトの摂取量が多いほど、高血圧の男性と女性の心血管疾患のリスクが低下する傾向があることが、7万人以上を対象とした調査で明らかになった。

ヨーグルトを食べると、糖尿病のリスクが低下することもわかっている。

高血圧は、心筋梗塞や心不全などの心血管疾患の主要な危険因子だ。

世界の10億人が高血圧であると予測されており、効果的な心血管疾患の予防策が求められている。

これまでの研究で、ヨーグルトなどの乳製品を食べることで、高血圧、2型糖尿病などを予防・改善でき、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を改善できることが示されている。

これらは心血管疾患の危険因子であり、ヨーグルトを食べることで心血管疾患を予防できる可能性があることが、7万人以上を対象とした調査で明らかになった。

ボストン大学医学部予防疫学部のジャスティン ブレンディア医師はこう話している。

「高血圧の男性と女性を30年以上追跡した大規模な研究で、ヨーグルトが心臓の健康の維持に役立つことが分かりました。

食物繊維が豊富に含まれる野菜や果物、全粒穀物とともに、ヨーグルトを食べることが勧められます」

ヨーグルトが女性の心筋梗塞リスクを30%減少、男性では19%減少

研究チームは、米国で実施されている大規模調査である「看護師健康研究」(Nurses' Health Study)に参加した5万5,898人の女性(30~55歳)と、
「医療従事者追跡研究」(Health Professionals Follow-up Study)に参加した1万8,232人の男性(40~75歳)のデータを解析した。

研究の参加者は、61項目の食事についての質問票に回答し、心筋梗塞や脳卒中などの発症や、血行再建術などの治療歴について報告した。

期間中に3,300人の女性と2,148人の男性が、これらの疾患と診断されたり治療を受けた。

解析した結果、ヨーグルトの摂取量が増えると、高血圧のある人で、心筋梗塞のリスクが女性では30%減少し、男性では19%減少することが分かった。

女性では、ヨーグルトを食べることで、血行再建術の手術を受ける割合が16%低下した。

さらにどちらのグループでも、週2回以上のヨーグルトを食べている人は、追跡期間中に主要な冠動脈性心疾患や脳卒中を発症するリスクが20%減少した。

「ヨーグルトなどの乳製品が健康に良いことは多くの研究で指摘されています。

今回の研究で、ヨーグルトを長期間食べ続けると、心血管疾患のリスクを低下できることが示されました」と、ブレンディア医師。

明日は糖尿病とヨーグルト効果について─。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

インフルワクチン効果は? [医学・医療・雑感小文]

「インフルワクチン効果は25%」米で分析結果

米疾病対策センター(CDC)は2月15日、今シーズンに米国で最も多くの患者をもたらしたH3N2型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの予防効果は、25%にとどまるとの分析結果を明らかにした。

米国では、例年を大幅に上回る規模でインフルエンザの感染が拡大しているが、その一因としてワクチンの効果の低さが指摘されていた。

今回の分析結果はそれを裏付けるものとなった。

発表されたワクチンの効果は今シーズンの中間データに基づき推定されたもの。

ワクチンの効果分析に関する報告書は、米国での今シーズンのインフルエンザの概況に関する報告書とともに「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)=罹患率及び死亡率週別報告書」2月16日号に掲載された。

MMWRは米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)が毎週報告している感染症情報。

米国各地でどの疾病がどの程度発生しているかといった詳しい内容を迅速に知ることができる貴重な情報源であるとともに、重大な健康危機が生じた際も的確に対応するために大きな役割を果たしている。

CDCはアメリカ合衆国ジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所。

MMWRによると、今シーズンに流行した全ての型のインフルエンザに対するワクチンの効果は36%、今シーズンに大流行しているH3N2型(A型インフルエンザウイルスの亜型の一つ)に対するワクチンの効果は25%と推定された。

一方、2009年に大流行し、その後も毎シーズン感染が報告されているH1N1型に対しては67%、B型インフルエンザに対する効果は42%と推定された。

6カ月以上8歳未満の小児では、すべての型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの効果は59%と推定された。

米国以外にも、H3N2型ウイルスに対するワクチンの効果が低かったために、インフルエンザによって大きな打撃を受けている国がある。

たとえば、オーストラリアではワクチンの効果は10%程度であったと推定されているほか、カナダでもその効果は10~20%だったと報告されている。

今シーズンは、ワクチンの製造時に予測されたウイルス型と実際に流行したウイルス型との一致率が低かったが、今後はワクチンによる効果が期待できるH3N2型以外のウイルスの感染が広がる可能性があることから、CDCは「ワクチンをまだ接種していない人は、今からでも接種してほしい」と呼びかけている。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

インフルエンザと心筋梗塞のイヤな関係 [医学・医療・雑感小文]

インフルエンザ感染で心筋梗塞リスクが上昇

インフルエンザ感染が急性心筋梗塞のリスクと関係することを示す研究結果が、カナダのグループにより米医学誌「ニューイングランドジャーナル」に発表された。

急性心筋梗塞は急性呼吸器感染症によって引き起こされることがある。

先行研究でインフルエンザと急性心筋梗塞との関連が示唆されているが、これらの研究ではインフルエンザ感染の検査法や研究デザインに問題があった。

同グループは自己対照ケースシリーズデザインを用いて、検査で確認されたインフルエンザ感染と急性心筋梗塞との関係を検討した。

(自己対照ケースシリーズ=ケース自身に対照となる期間を設定して比較する手法)

特異性が高い種々の検査法を用いて呼吸器検体のインフルエンザ感染を確認し、行政データからAMIによる入院を特定した。

呼吸器検体採取後の7日間をリスク期間、リスク期間前後のそれぞれ1年間を対照期間とした。

インフルエンザ検査の結果が陽性で、前後のそれぞれ1年以内に急性心筋梗塞による入院が確認された患者は364例であった。

このうち20例はリスク期間中の入院(1週当たりの入院20.0例)で、344例は対照期間中の入院(同3.3例)だった。

対照期間と比較したリスク期間の急性心筋梗塞による入院の発生率比は6.05であった。

7日目以降の急性心筋梗塞発症増加は認められなかった。

ウイルス検出後7日以内の急性心筋梗塞発症率比はB型インフルエンザが10.11、A型インフルエンザが5.17、RSウイルスが3.51、その他のウイルスが2.77であった。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

欧州で麻疹大流行 [医学・医療・雑感小文]

欧州で麻疹大流行、前年4倍増

厚生労働省は2月20日、欧州での昨年(2017年)の麻疹発生件数が前年に比べて400%に増加したと発表した。

海外渡航中の感染に注意を呼びかけている。

世界保健機関(WHO)欧州事務局の管轄地域で麻疹が再び増加している。

発表によると、同地域で昨年に麻疹を発症した患者は2万1,315人で、死者は35人。

患者数は2016年の5,273人に比べ4倍増加した。

 昨年は、同事務局管轄地域53カ国のうち15カ国で大規模(患者100人以上)な麻疹の流行が発生した。

感染者はルーマニア(5,562人)、イタリア(5,006人)、ウクライナ(4,767人)の順に多く報告された。

近年、これらの国では、全体的な定期予防接種率の低下や、ワクチン供給の中断、疾病調査システムの機能不全などの問題があったという。

今年(2018年)2月20日には、同地域11カ国の保健大臣が会合を開き、欧州ワクチン行動計画で定めた麻疹および風疹の排除を含む目標達成に向け協議が行われた。

わが国では、外務省が2月16日に「海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起」を発出。

海外では麻疹や風疹の感染リスクがあり、予防接種を2回受けていない人は渡航前の接種を検討するよう呼びかけている。

海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起 外務省

●アジア・アフリカ・ヨーロッパ諸国などでは、麻しん・風しんの感染例が多く報告されています。

●海外では麻しん・風しんに感染するリスクがあることを認識し、麻しん・風しんの予防接種を2回受けていない方は、受けることを検討してください。

●国内では、輸入例を発端とした集団感染も発生しています。

1.麻しん・風しん排除への取り組み

(1)日本は、2015年3月に世界保健機関(WHO)から、土着の麻しんウイルスが存在しない「麻しん排除国」に認定されましたが、その後も海外からの輸入例を発端とした集団発生事例が報告されています。

また、厚生労働省は、2020年までの「風しん排除」の達成を目指して、海外に渡航する人、風しんに対する免疫の不十分な人が多い30歳代後半から50歳代までの男性、妊娠を希望している女性などに対して、風しんの予防に関する啓発を行っています。

(2)これらを踏まえ、同省は、麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない人、予防接種を2回接種していない人または接種歴が不明な人は、予防接種を受けることを検討するよう呼びかけています。

2.麻しんについて

(1)麻しんは、感染力が非常に強く、空気感染や飛沫感染によって簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。

潜伏期間は10~12日で、免疫が不十分な人が感染すると高い確率で発症します。

主な症状は発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発しんなどですが、まれに肺炎や脳炎になることがあり、先進国であっても、患者1,000人に1人が死亡するといわれています。

(2)2016年には全世界で約19万人の患者が報告されました。

最近では、イタリア、ルーマニアなどのヨーロッパにおいて麻しん報告数の増加が確認されています。

(参考)厚生労働省ホームページ:麻しんについて

3.風しんについて

(1)風しんは、感染力が強く、飛沫感染によって人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。

潜伏期間は14から21日で、主な症状は発熱、発しん、リンパ節腫脹などですが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療が必要になることもあります。

また、感染しても症状がでない不顕性感染が15~30%程度存在します。

妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、出生児が先天性風しん症候群(CRS)を発症し、難聴・白内障・先天性心疾患などの病気をもって生まれてくる可能性があります。

近年、大規模流行の頻度は少なくなったものの、海外で感染して帰国後発症する「輸入例」の割合が増えています。

(2)2016年には、アフリカ及びアジアを中心に、全世界で約2万2千人の患者が報告されました。

(参考)○厚生労働省ホームページ:風しんについて

4.麻しん・風しんの予防について

麻しん・風しんの発生がない、あるいは非常に少ない国・地域では、滞在中に麻しんもしくは風しんを発症すると、感染の拡大防止のため、発症した本人はもとより、同行者も移動を厳しく制限されることがあります。
そのようなことを避けるためには、麻しん・風しん混合ワクチンによる定期の予防接種を2回受け、麻しん・風しんに対する免疫をつけておくことが重要です。

このため、麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない方が海外渡航される時には、あらかじめ母子手帳などで麻しん・風しんの予防接種歴を確認し、予防接種を2回接種していない方、または接種歴が不明な方は麻しん風しん混合ワクチンによる予防接種を検討してください。

なお、定期の予防接種は、生後12月から生後24月に至るまでの間にある小児(1期接種)及び小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある5歳以上7歳未満の小児(2期接種)に対して実施しています。

麻しん・風しんの予防接種に用いるワクチンは、麻しん・風しん2つの疾患への対策という観点から、原則として、麻しん風しん混合ワクチンの使用が推奨されています。

(参考情報) 国立感染症研究所ホームページ:麻疹の発生に関するリスクアセスメント第一版

 国立感染症研究所ホームページ:風疹および先天性風疹症候群の発生に関するリスクアセスメント第三版

5.海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。

3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。

3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)

○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367

○外務省海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html(スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp(モバイル版)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

春の「気象病」 [医学・医療・雑感小文]

春が近づくと気分が落ち込む…「気象病」? 

3月から4月にかけての早春は「木の芽時(このめどき)」とも呼ばれます。

冬から春への季節の変わり目は、体調や精神的なバランスを崩しやすい時期としてもよく知られています。

憂うつな気分に落ち込んだり、うつ病を発症したりしやすい時期なので要注意です。

こうした気象の変化に影響される疾患は、近年「気象病(あるいは天気病)」とも呼ばれるようになってきました。

気象病は、医学用語ではありませんが「温度・湿度・気圧・天候の変化から起こる心身の不具合」として近年認知されてきました。

これと似ている「季節病」は、「ある特定の季節に集中して現れる心身の不調」とされています。

つまり、どちらも気象の変化に影響を受けるのですが、季節病は長期的な変化、気象病は短期的な変化に影響を受けるという点で区別しているようです。

代表的な季節病に、春の花粉症や冬のインフルエンザなどが挙げられます。

一方、気象病には心身のさまざまな疾患が分類されています。

関節痛、頭痛、耳鳴り、めまい、不整脈、高血圧、脳卒中、心筋梗塞、不眠、不安、抑うつなどです。

春の気象の特徴

1年で最も天候が変わりやすいのは冬から春と、夏から冬にかけてです。

この時期は、北緯33~55度付近で低気圧から延びる寒冷前線・温暖前線が頻繁に移動を繰り返すため、天気が変わりやすくなります。

たとえば、春先は低気圧が短い周期で行き来し、晴れの日が続かず気温・湿度・気圧が乱高下します。

寒暖差も激しく、最高気温が前日は25℃の夏日、翌日は10℃という極端な差になることもあります。

また、1日の最低気温と最高気温の差が激しくなる日内変動という現象も最近顕著に見られます。

そんな気温・湿度・気圧といった気象の変化に対して、敏感に反応するのが「自律神経」です。

全身の調整や平衡感覚に関わっている自律神経は、体温調節でも重要な役割を果たしています。

自律神経は、気温が上がると末梢血管を開いたり発汗を促したりして放熱をしますし、気温が下がると末梢血管を収縮させて代謝を高め、体温を保とうとします。

気候の変動が激しいと、これらの調整も同じように激しくなりますから、つまりは自律神経の酷使につながります。

春先は、自律神経を疲弊させるストレスフルな季節であるといえるでしょう。

結果として、気象病に見られるさまざまな症状を引き起こすのです。

年度の変わり目:生活の変化も一因

天候だけでなく、社会生活においても「変動」が多くなりがちな時期です。

4月から新年度という組織・団体は多く、入学・入社・転勤・異動・昇進・転居・転向…など、社会生活が大きく変わる時期でもあります。

これまでなじんだ職場や住環境を去る、初めての仕事や環境に臨む、など大きな変化に適応するには、ある程度の時間と頑張りが必要です。

これが知らず知らずのうちに、心身へのストレスとして蓄積されていきます。

しかし、本人に頑張っている意識が強く、ストレスの慢性化に気づかないケースも多いのです。

こうした生活の変化も、天候同様に自律神経を激しく働かせる要因になってきます。

春の抑うつ

新年度はうつ病や統合失調症など精神疾患の新入院患者数が多くなる時期です。

また、患者である人たちも、この時期に調子が悪くなることが多いようです。

睡眠障害や不安障害が増えるという指摘もあります。

気圧の低下や日常生活の変化により、自律神経のバランスを崩してうつ病などの引き金になるのでしょう。

精神疾患に限らず、その一歩手前の「自律神経失調症」「適応障害」なども然り、やがては「5月病」「6月病」につながっていきます。

ちなみに、うつの主症状は、気分のレベルでいうと意欲の低下と興味の喪失です。

さらに、食欲不振や不眠、性欲減退、疲れやすいといった生理反応の低下も起こります。

春の不調の予防法は?

春が訪れる前の冬は、「冷え」と「乾燥」からもともと自律神経や免疫が弱っている状態といえます。

この状態を持ち越して下地にしてしまうと、春先の変化に耐えることが難しくなります。

ですから、冬のうちから次のことを実行し、習慣化しておきましょう。

生活習慣を整える

⇒睡眠・休養・食事・運動を無理のない範囲でおこない、バランスよく調整しておく

ストレスコーピング

⇒ストレスを上手に発散して、ストレスへの抵抗力を高めておく

そして、辛いときはひとりで悩まない、ひとりで頑張りすぎないことです。

抱え込まず、家族や相談できる相手に話を聞いてもらいましょう。

症状の程度によっては、早めに専門医を受診するほうが重症化を防げます。

【参考】
渡邊章範『その痛みやモヤモヤは「気象病」が原因だった』(青春出版社 2015年)

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康
前の10件 | 次の10件 医学・医療・雑感小文 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。