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鎮痛呪文 [雑感小文]

 鎮痛呪文 

三つか四つのころの思い出─。

手足を何かにぶつけていたがっていると、父が、

「キンジョーサイサイ、ネコ1匹の子、痛いところにイタチのクソを塗りつけたまえ」と唱えながらさすってくれた。

唱え終わって、ふーっと息を吹きかけられると、痛みが薄れるようだった。

亡父は、福岡県築上郡の出身で、いなか寺(浄土真宗本願寺派の末寺)の住職だったが、あのおかしなまじないは、どこの土俗だったのだろう。

キンジョーサイサイは「謹上再拝」の訛語だろう。

謹上再拝 ①神を拝むときにいう語。謡、蟻通「─、敬つて白す」②書状の末尾に添える語。と、『広辞苑』に─。

ネコ1匹の子、イタチのクソは、なんのこっちゃ?

この奇妙な呪文の由来をご存じのかたがおられたらご教示ください。

呪文といえば、昔はちょっとしたケガなら、「ツバキ、万病の薬」と唱えながら傷口にツバをつけたものらしい。

今でも小刀など使いそこねて、「痛ッ!」という瞬間、反射的にその指を口に持っていくが、一体、唾液は傷薬の代用品になるのか?

なるらしい。

唾液に含まれる微量の青酸と硫黄がくっついたロダン塩とかいうものや、リゾチームという酵素が、細菌をやっつける働きをするようなのだ。
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