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海外旅行病 [医学・医療・雑感小文]

海外旅行病

夏の終わり。

海外旅行から帰った人は特に健康にご注意を─。

海外で感染した病気が発症する時期だからだ。たとえば、下痢。

2、3日で治った「旅行下痢症」なら心配無用だが、

1治りが悪い、

2下痢便に血が混じる、

3排便の間隔が2時間以下などは要注意。

発展途上国帰りならコレラ、先進国帰りならサルモネラ(食中毒)かもしれない。

怖いのはマラリア。

流行地を旅した人は、帰国1年以内の発熱は「マラリアかも?」と考えてほしい。

タチの悪い熱帯性マラリアの治療を誤ると1週間以内に死亡することがあるという。

インフルエンザと誤診される例が多いので、マラリア地域を旅行したと告げて、キニーネなどによる早期治療を受けるべきだ。

リオ帰りのかたは、ジカ熱にご用心。

症状は発疹、発熱、結膜炎、関節痛など。

感染しても約8割は症状が出ないという。

大きな問題になっているのは、胎児の小頭症との関連。

妊娠している女性はとくにご注意を。

狂犬病にも注意したい。

日本では半世紀以上発生がなく、海外の6カ国・地域(アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィージ諸島、ハワイ、グアム)でも発生がないとされているが、それ以外の国でもしも犬にかまれたら、すぐに傷口を水で洗い流し、医療機関を受診しよう。

ワクチンを注射すれば発症のリスクはだいぶ下がるという。

発症した場合の致死率はほぼ100%とされている。超危険・恐怖の病気である。

忘れてはならないのがデング熱。

「デング熱は、熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で患者の報告が多く、アフリカ、オーストラリア、南太平洋の島でも発生しています。

発生地域に渡航した方で、渡航中に発熱、頭痛、筋肉痛や発疹などの症状が現れたときは、自分一人で判断せず、すぐに医療機関を受診し適切な診断・治療を受けましょう。」
     (首相官邸新着情報メール=2016年8月1日)

   

感染してから5年近くもたって発病する病気もある。

海外旅行後5年以内に、下痢、黄だん、むくみ、リンパの腫れ、ぜんそく様のせき、できもの・湿しん、急激なやせなどの症状が出たら、「海外から持ち帰った病気かも」と考えてみるよう専門家は注意している。
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ダイズ力 [医学・医療・雑感小文]

ダイズ力 

ダイズに多く含まれるイソフラボンは、更年期障害の早期症状─ほてり、のぼせ、発汗、どうき、冷え症といった自律神経失調症状─を改善し、晩期症状─骨量の減少や血中コレステロール値の上昇─を抑え、骨粗しょう症や動脈硬化を予防する。

男性では前立腺がんの発症を抑える。

イソフラボンとは、植物の黄色やだいだい色の色素をつくる物質で、化学構造が女性ホルモンとよく似ている。

体内で女性ホルモンと同じような働きをするので「植物由来のエストロゲン」といわれる。

その活性はエストロゲンの千分の一~一万分の一。

女性ホルモンを医師の指示なしに飲むのは危険だが、ダイズ製品ならなんの副作用もなく、メリットだけが得られるわけだ。

イソフラボン以外のダイズの健康機能成分の一つ、サポニンは、体内に過酸化脂質ができるのを防ぎ、コレステロールや中性脂肪を減らす。

レシチンは、脳代謝の機能を改善する効果にすぐれ、記憶力を向上させる。

食物繊維は、腸内の有害物質やコレステロールを吸着して排せつする。
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青年豆vs壮年豆 [医学・医療・雑感小文]

 青年豆vs壮年豆 

 枝豆はまだ熟してない大豆を茎ごと切り取ったものだが、食品成分表では、枝豆は「野菜類」で、ダイズは「豆類」だ。

それによると、三大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物はダイズのほうが2倍も3倍も多い。

カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルもずっと多い。

しかし、カロチン(ビタミンA)、ビタミンB群などは枝豆のほうがはるかに多い。

ダイズにはごく微量のビタミンCも、枝豆には豊富だ。

枝豆よりもダイズのほうが多いビタミンはEだけだ。

要するに枝豆は、豆と野菜、両方の栄養素を持っている。

未熟豆で、栄養蓄積の途中なので、三大栄養素やミネラルはダイズには及ばないが、成長に必要なビタミンはたくさん持っている。「青年」の勢いが感じられる。

一方、ダイズは、青々とした魅力は失ったが、みそにもしょうゆにも、豆腐にも納豆にもきな粉にもなる。

いうなら〝つぶし〟の利く「壮年」の総合力をもっている。

イソフラボンをはじめとするさまざまな生理活性物質は多くの健康効果をもたらす。
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エダマーミー  [医学・医療・雑感小文]

エダマーミー 

飲み干せしビールの泡の口笑ふ   星野立子

ビールは、一年中飲まれる通年性飲料だが、ビールの季節といえば断然、夏だ。

そしてビールのつまみに欠かせないのが、枝豆だ。

だからビール同様、枝豆も夏の季語だろうと思っていた。

が、手元の俳句歳時記3冊のうち2冊では「秋の部」に収められている。

「莢(さや)ごと青々と茹(ゆ)でて名月に供えるので<月見豆>とも言われている」

というのが、山本健吉『新俳句歳時記』の解説だ。

枝豆や雨の厨(くりや)に届けあり  富安風生

一方、「夏の部」に収録した新潮社編『俳諧歳時記』は、

「ビールや酒のつき出しによく出され、莢を出た豆は青い玉のように美しい。爽(さわ)やかな初夏の味覚豊かである」という。

客散りて枝豆の殻なまなまと   小坂順子

ともあれ、ビールと枝豆。

夏の夕べの名コンビは、単に味覚的相性がいいだけではなく、栄養面でも多くの機能性成分の相乗作用で、さまざまな効果が期待できるという。

とりわけ更年期障害の諸症状を緩和し、骨粗しょう症や動脈硬化を防ぐ素晴らしさには、アメリカ人もビックリ。 > 「エダマーミー」と呼ばれ、愛されているそうだ。
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トマト娘 [医学・医療・雑感小文]

トマト娘

トマトをたくさん食べるとがんを予防できるか? 

それには「信頼できる根拠はない」とFDA(米食品医薬品局)は発表した。

ちょっとガッカリしたが、しかし、まったく効果がないと断定しているわけではない。

とりわけ、前立腺がんについては「予防効果を示す限定的な根拠がある」というのだから、「前立腺世代」のお父さんは、心がけてトマトを食べるとよろしいのではないか。

トマトの抗酸化作用は、赤色色素のリコピンによるものだ。

リコピンの量は、日陰よりも日なたに育ったトマトに多く、味もよい。

リタイア・ファマー(定年退職後の農夫)の友人が丹精したトマトが感動的にうまかったのには、ちゃんと理由があったわけだ。

リコピンは、油に溶けやすく、熱に安定なので、効率よく摂取するには油でいためたり、調理すると吸収が良くなるという。

だからといって、毎度、油いためでは肥満が心配だし、本当にうまいトマトは生に限る。

余談だが、アメリカの俗語では、「トマト」は若くてピチピチした女性のことだそうだ。
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限定的評価  [医学・医療・雑感小文]

 限定的評価 


トマトのがん抑制効果については、多くの研究報告がある。

日本でも京都府立医大や秋田大のグループが、大腸がんの発生を抑える、トマトの赤い色素リコピンの効果を、実験的に確かめて発表している。

しかし、米食品医薬品局(FDA)は、日本での研究を含め、トマトやトマトソースなどの消費量とがん発症との関係を調べた計146の論文を分析・検討した結果、その評価は「限定的」でしかないと発表した。

トマトをたくさん食べることで肺、乳房、大腸、子宮のがんにかかるリスクを減らせるかどうかについては「信頼できるほどの根拠はない」が、前立腺に関しては、1週間にトマトを1~5回食べることで、がんにかかるリスクが約4割下がるといった報告があることなどから、予防効果を示す限定的な根拠はある。

しかし「期待のレベルは非常に低い」という。
米がん協会は、「トマトだけでがんを防げるわけではない。トマトを含めた、いろいろな野菜や果物を食べることが大切」とコメントしている。
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リコピンと前立腺がん [医学・医療・雑感小文]

 リコピンと前立腺がん 

トマトをたくさん食べると、前立腺がんの予防に効果的─と最初に発表したのは、米ハーバード大の研究者で、1995年だった。

40~75歳の男性4万7000人を6年間追跡。

前立腺がんになった812人と、がんがみられなかった人たちについて、46種類の野菜や果物の好みを調べたところ、トマト料理を週に10回以上とると、45%、4~7回では20%、がんになる危険性が減っていた。

この結果は、イタリヤやギリシャなどトマト料理を好む国で前立腺がんが少ないという報告とも合っている。

食べるのは生でも、ソースやジュースでもよい。

その効果は、トマトの赤い色をつくるリコピンという色素のもつ強い抗酸化作用(遺伝子を傷つける活性酸素を消去する働き)によるものとされる。

リコピンの抗酸化作用は、ビタミンEの100倍、βカロチンの2倍だという。

また、リコピンには、細胞のがん化を防ぐ遺伝子を活性化する機能があるともいわれる。

ならば、前立腺がん以外のがんの予防にもトマトは効くはずで、研究報告も多い。
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愛のリンゴ [医学・医療・雑感小文]

愛のリンゴ 

定年退職後、畑づくりを楽しむ友人から、「夏野菜、我が家の冷蔵庫満杯、お宅へ移動させます」と宅配便が届いた。

トマト、ナス、ゴーヤ、枝豆…。

つややかに光るトマトにかぶりついた。

微かに甘い天然のうまさに大感動、むさぼるように食った。

トマトは栄養満点の〝健康菜〟だ。

特にカロチン、ビタミンC、カリウム、食物繊維のペクチンが多い。

高血圧の改善、前立腺がんの予防に効果的といわれる。

理由をかんたんに述べる。

カリウムは、血管内のナトリウムと水分を血管の外へ出して血管を広げる。

ペクチンは、消化管内で自分のもつカリウムを放し、代わりにナトリウムを吸着して体外へ出る。

ビタミンCは、血中コレステロールを減らし、動脈硬化の進行を抑える。

以上がトマトで血圧が下がる理由。

前立腺については明日─。

フランス人は、トマトを「ポーム・ド・アムール(愛のリンゴ)」と呼ぶそうだが、私は「クール・ド・アミ(友の心)」と呼びたい。
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夏バテ料理 [医学・医療・雑感小文]

夏バテ料理

暑い!

言うまいと─書くまいと─思えど今日の暑さかな、だ。

この暑さ、当方のようなトシヨリには特にこたえる。

壮年でも単身赴任中のお父さんも参っているのではないか。

夏バテ回復はまずじゅうぶんな睡眠をとること。

そして疲れた胃に優しくて、食欲を増進し、疲労回復に効果的な食事をとること。

お勧めは酢の物。

暑くて食欲がないときでも、「酢の物や冷やし中華なら口に入る」と感じることがある。

酢の酸味が唾液や胃液の分泌を促進するからだ。

食用菊、紅タデ、青ジソなど、刺し身のツマや吸い口に使われる香りの強い野菜も食欲増進効果が大きい。

しゃきっとした歯触りが清涼感を与え、ピリッとした辛みが胃腸の働きを活発にする。

忘れてならないのは、たんぱく質とビタミン。

これをいかにあっさり味で食べやすくするかが、夏バテ料理のポイントだ。

冷やした豆腐に、大根葉と豚ミンチをいためた具を加えた「変わり冷やっこ」とか、そうめんと真空パックのうなぎをとり合わせた「うなぎそうめん」などいかが、とは管理栄養士の弁。
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湿潤療法 [医学・医療・雑感小文]

湿潤療法

日常的なケガ─切り傷、すり傷は、傷口を消毒液で消毒した後、薬を塗って、ばい菌が入らないようガーゼを当て、包帯を巻く。

─というのは昔の常識。

今は水で洗って被覆材(バンドエイド・キズパワーパッドなど)を当て、ばんそうこうで固定する。

モイスト・ヒーリング(湿潤療法)という。「消毒とガーゼは、傷が自然に治ろうとするのを妨げる」のだそうだ。

以前は、キズやヤケドや床ずれなどの治療は「開放した状態で乾燥させる」のがベストと信じられていた。

1962年、乾いたキズ面よりも、キズをぴったり覆った湿ったキズ面のほうが早くきれいに治ることが、実験で証明された。

しかし、その湿潤療法が普及するのに半世紀もかかった。

「いわゆる〝習慣の奴隷〟というやつで、新しい提言がなかなか受け入れられなかったのです」

と、塩谷信幸・北里大名誉教授(形成外科)。

繰り返す。

家庭で治せるようなキズは、水道の水でよく洗い、被覆材で覆うのが一番。

被覆材の用意がなかったら、台所のラップを使えばよい。
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