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認めて治そう [医学・医療・雑感小文]

 認めて治そう

心の病をもつ人が、自分は病気だと自覚することを「病識」という。

ある種の精神疾患をもつ人には病識がないことが知られている。

社会不安障害(SAD)の場合はどうか。

アステラス製薬などが行った調査では、SADの可能性があっても、

「自分がSADに当てはまると思う」人は27%。

73%の人はそうは思っていない。

病識がないか、あっても認めたがらないわけで、だからつらくても、「仕方がないとあきらめて、働いている」のだろうか。

専門医によると、

「SADであることが恥かしく、訴えようとしない人が少なくない。

病気を認めて、本当の症状を話してもらうのに数年かかる症例もある」という。

SADには、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬がよく効く。

一人で思い悩み辛抱せず、思い切って専門医(神経精神科、心療内科)を訪ねることをお勧めしたい。

電車に乗るのもしんどく、退職を考えていた会社員が、治療を受けて一変、社員旅行にも参加した─といった症例が数多く報告されている。
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