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長寿の極意は「久しい火」 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(83)

 長寿の極意は「久しい火」

 結核に感染させたウサギに灸をすえる実験によって、抵抗力が増すことを突き止めた論文で「お灸博士」として注目を集めました。
 1929年に開業。病院の診療科目に「灸科」を創設し、その後もお灸の効能を活用した医療の普及に力を注ぎました。
 自身のヘルスケアの極意は、足の裏に灸をすえることだったそうです。(日野原重明「108歳まで生きた先輩医師に学ぶ」=朝日新聞2014年8月2日)

 「近ごろ、『日本一長生きした男─医師 原志免太郎』(千年書房、1996年刊)という本を読み、大変な興奮を覚えました。  原志免太郎(はらしめたろう=1882~1991)は108歳まで生き、亡くなる約2カ月前に、男性の長寿日本一になりました。」と書き出された一文は、

 独学で医師の検定資格をとり、京都府立医専(現在の京都府立医科大)に入学、九州帝国大医学部で灸の研究に取り組み、104歳まで聴診器を持ち、26万余のカルテを残した先人の足跡を辿り、

「志免太郎医師の晩年のアクティブな生き方には学ぶところが多く、故人とはいえ、私は彼を『同志』のように感じてファイトがわいてきました。」と結ばれる。

 いつもながらの滋味豊かなエッセーを心にしみるように読んだが、3週間後の、同じ連載コラム「102歳 私の証 あるがまゝ行く」の文末の一節─。

 「さて2日付のこの欄で、私は原志免太郎医師の健康維持の極意を『足の裏』の灸と記しましたが、正しくは『足三里』の灸でした。勘違いで、読者の方に教えて頂きました。」

 仰ぎ見る高名な老師の、なんと謙虚なことばだろう。感動しました。

「足の三里」は、人体をめぐる12の経絡(けいらく)に点在する300を超える経穴(けいけつ=ツボ)のなかで最もよく知られる一つである。

 腕にも三里と呼ばれるツボ(手の三里)があるが、単に「三里」といえば足の三里のこと。ひざの少し下、向こうずねの外側を、指の位置をずらしながら押してみて、ちょっと強く痛みを感じる一点、そこが三里のツボである。

 古人もその効能をさまざま称揚している。たとえば─、

 「四十以後の人、身に灸を加えて三里を焼かざれば、上気(じょうき=のぼせ)の事あり。必ず灸すべし」=吉田兼好『徒然草』

 「三里を、毎日一壮づつ灸する人あり。これまた時気(高血圧)をふせぎ、風(中風)を退け、上気を下し、衂(はなぢ)をとめ、眼を明にし、胃気をひらき、食をすすむ、尤も益ありと云」=貝原益軒『養生訓』

 「独(ひとり)は象牙の掛羅(くわら=印籠、巾着)よりもぐさを取出し、三里にすえて皃(かお)をしかむる」=井原西鶴『好色一代男』

 「道祖神のまねきにあひて取もの手につかず、もも引きの破をつづり笠の緒付けかえて、三里に灸すうるより、松島の月まず心にかかりて」=松尾芭蕉『奥の細道』

 「相伴に信濃も三里据へて立」=『誹風柳多留』

 ─といったあんばい。

 三里の灸については、忘れえぬ面接取材の思い出がある。

 三昔も前の1982年1月、京都・清水寺に大西良慶貫主を訪ねて、健康法話をうかがったのである。

 この年、茶寿(数え108歳)の新春を迎えた和上は、7、8歳のころ「全身が痛うて、痛うて、体が動けんようになった」とき、灸治療を受けて快癒した。

 以来、三里の灸を毎日、欠かさぬ習慣として100年になる。

 「灸という字は“久しい火”と書くように1度や2度やったから効くというのではない。長くつづけないかん。おかげさまで病気をしません」とお話しくださった。

 30年前のその記事の全文は、別のブログ「なんやらかんやら日録」に再掲しました。「茶寿和上の健康法話」=2014年9月10日。

 三里のツボの正しい探し方もわかります。ご一見ください。
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マーガリンの褒と貶 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(82)    

 マーガリンの褒と貶

 1954(昭和29)年2月、新婚旅行で宿泊したマリリン・モンローもこのもてなしに親しんでいる。
 のちに総料理長となる村上信夫さん(故人)は、美容と健康に気を使う人気女優の徹底した自己管理にとことんつき合った。
 油はすべてマーガリンを、肉はヒツジの背肉を…略…(「街プレーバック マリリン・モンロー来日 @帝国ホテル」=朝日新聞2014年7月25日)

 ああ、そうだった。

 バターよりもマーガリンのほうが「体にいい」といわれ始めたのは、あのころだった。

 「コレステロール」なる耳慣れないコトバの解説付きで─。

 動物性脂肪のバターは、血液中のコレステロールをふやし、動脈硬化を促進し、心臓病の発症率を高める。

 反対に、植物性脂肪のマーガリンはコレステロールを下げて、心臓病を予防する、と。

 以来、植物油信奉の風潮は長く時代を支配しつづけた。

 厚生省(現・厚生労働省)が1985年に策定した「健康づくりのための食生活指針」にも、「動物性の脂肪より植物性の油を多めに」とある。

 植物油の主成分(脂肪酸)は、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸などだが、リノール酸が多いことが最上の要素とされ、「リノール酸リッチ」を謳うサフラワー(紅花)油が大いにもてはやされた。

 ところが、いま、リノール酸はすっかり影をひそめ、マーガリンは体によくない、といわれるようになっている。

 リノール酸を摂り過ぎると、血栓ができやすく、心臓病や脳卒中のリスクが高くなる。

 がんの発症もふえる。

 アレルギー反応性も高まる─というようなことが、疫学調査や動物実験でわかってきたからである。

 マーガリンは、リノール酸リッチのうえ、液体の植物油を固体にするときできる「トランス脂肪酸」という、さらに厄介な代物が加わる。

 トランス脂肪酸には、悪玉コレステロールをふやす働きがあり、大量に摂りつづけると、動脈硬化や心臓病につながる。

 2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同専門家会議は、「1日の総エネルギー摂取量に占めるトランス脂肪酸の比率を1%未満に」と勧告した。

 そして現在、欧米諸国、シンガポール、韓国などでは、食品中のトランス脂肪酸の含有量の規制や表示の義務化が行われている。

 日本では、「外国と比べて摂取量が少なく、健康への影響は小さい」とされていたが、若者や女性に高摂取層があることが判明し、消費者庁が11年、含有量表示の指針を発表した。

 そうした一連の風潮のなかで代わって登場したのが、α-リノレン酸、オレイン酸と魚油に多く含まれるEPA、DHAである。

 かつてはリノール酸リッチを売り物にした紅花油も、いまは「品種改良によりオレイン酸が豊富です」と、ぬかりはない。

 オレイン酸の豊富な植物油といえば、なんといってもオリーブ油だが、これにもなんやらかんやらあって、「ニセ物だらけのエキストラバージンオリーブオイル」という記事を読んだこともある。

 むろん、本物の最高品質のオリーブ油だからといって、それさえ使っていれば万全ということはない。

 食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を誇大に信奉する「フードファディズム」は、賢く避けたい。

 新しい「食生活指針」も、先の「植物油を多めに」を訂正するかたちで、「動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう」と勧めている。

 なお、個々の脂肪酸の性質や作用については、別のブログ「健康1日1話」の「子どもの脳を育てるDHA」をご参照ください。
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ゆめ軽んずなかれ [それ、ウソです]

 それ、ウソです(81)   

 ゆめ軽んずなかれ

 われわれは夢を見ると睡眠が浅かったとか、夢みないでぐっすり眠りたいとかと言いますね。
 ところが、夢というのは必ず深い睡眠のあとに見る。
 夢を見ているということは、前に深い睡眠があるということです。(遠藤四郎・東京都精神医学研究所参事研究員の話=アップジョン文庫『ナポレオンの3時間』)

 えっ、そうかなあ? と首をかしげる人がけっこう多いのではないだろうか。

 だって、日中の仮眠や夜の寝入りばなの浅い眠りのなかでもちらっと夢をみることがあるじゃないですか。

 素人の実感的意見を言わせてもらうと、「必ず深い睡眠のあとに見る」というのは、必ずしも正しくないと思うのだ。

 ヒトの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられる。

 レム(REM)睡眠のときは、閉じたまぶたの下で目玉がキョロキョロ動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が現われる。

 で、英語の頭文字をとってそう呼ばれる。

 ノンレム睡眠(non-REM sleep)ではそれがみられない。

 レム睡眠は浅い眠り。

 意識水準は起きている状態に近く、脳は活発にはたらいている。

 しかし全身の筋肉が緩むため体は動かず、聴覚・触覚などの感覚機能も鈍くなっている。

 ノンレム睡眠は大脳が休む深い眠り。

 体は寝返りを打ったりするが、脳のはたらきは低下している。

 レム睡眠とノンレム睡眠は交互に現われる。

 1回の周期は約90分(その約20%がレム睡眠)。

 一晩に数回、これが繰り返され、最後のレム睡眠のあと目覚める。

 夢は、主にレム睡眠のときにみるが、ノンレム睡眠のときに現れることもある。

 ある実験の被験者たちはレム期に83%、ノンレム期に35%、夢をみた。

 レム睡眠のときの脳の活発な活動に伴う電気刺激が、脳のいろいろな部分にある記憶を勝手に引き出し、それが夢になると考えられている。

 人は、なぜ夢をみるのか?

 さまざまな仮説はあるが、完全に証明された定説はない。

 夢の科学的解明が難しいのは、夢を実験で再現する(客観的に観察する)ことができないからだ。

 読みかじったいくつかの仮説を乱暴にちぢめて、ご紹介する。

 夢をみるのは本能的な衝動を発散させるためである=フィッシャーの仮説。

 行動プログラムを脳がシュミレーションしているのが夢である=ジュペーの仮説。

 覚醒中に脳が処理した情報のうち、重要なものを再生し、記憶として固定するために夢をみる=ウインソンの仮説。

 不要な記憶を脳が処理する過程で、消去された情報が素材となって夢ができる=クリックとミッチソンの仮説。

 レム睡眠中に脳幹から無作為に出た神経信号が、大脳に伝わり発生したイメージがつなぎ合わされたものが、夢である=ホプソンとマッカリーの仮説。

 偶発的な視覚映像から生じた連想の記憶情報が、夢の資源となる=大熊の仮説。

 ちなみに、「夢をいつみるか?」の実験を行ったのも、大熊輝雄・東北大教授(のち国立精神・神経センター総長)らである。

「仮説はいずれもそれなりの根拠がある。すべてうそでもないし、すべて本当でもない」というのが夢理論の結論になるようだ。

 ところで、「夢」という語は、

 ①はかないもの、②空想的な願望、に対して、③将来実現したい願い─の比喩的表現としても用いられる。

 英語のドリーム、ドイツ語のトラオム、フランス語のレーヴなども同じであるようだ。

 ③の意味の夢については、古今東西、じつに多くのさまざまな名言が残されている。

 その一つ─。

 どうすれば夢を実現することができますかとよく人から聞かれる。

 自分でやってみることだと私は答えている。=ウォルト・ディズニー
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HACCPの破綻 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(80)

 HACCPの破綻

 東京都板橋区の渡邊彌生さん(89)は今年6月、最高齢で準2級に合格した。
 一昨年11月に「面白そう!」と受けた3級に合格して以来、受験を続けている。
 「ビタミンKとかHCCAPとか、知らない言葉を学べるのが楽しくて。
 3級の成績はすごく良くて、『ラクなもんだわ』といきなり1級を受けたら、まるで歯が立たなかった」と笑う。(『まなあさ まなぶ@朝日新聞』豊かなことば、人生に彩り 語彙・読解力検定=朝日新聞2014年8月27日)

 はて、HCCAPって何?

 同じ老生の当方も「知らない言葉を学」ぶ「楽し」みの一端に触れてみたく、『外来語略語辞典』『現代用語の基礎知識』『新聞用字用語集』『科学用語辞典』『最新医学大辞典』『医学と食品事典』……貧弱雑然たる書棚から手当たりしだい引っ張りだしてはページをめくってみたが、全部空振り。

 しからば、困ったときのパソコン頼み! Google Yahoo! goo bing……次々、検索してみたが、こちらもノーヒット。

 いや、Googleは、「もしかして、HACCP」と助言してくれて、Yahoo!やgooなどはドサッと出てきて、おおっ! とヨロコんだけど、よく見たらどれも「HCCAP」ではなくて、Googleのいう「HACCP」だった。

 HACCPとはなにか?

 以下、ウィキペディア、厚生労働省、食品産業センターなどの解説をとりまぜて抄録─。

 HACCP(ハサップ:Hazard Analysis and Critical Control Point)は、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された。

 食品の製造・加工のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染などの危害(Hazard)をあらかじめ分析し(Analysis)、製造工程のどの段階でどのような対策を講じるべきか、重要管理点(Critical Control Point)を定めて、これを連続的に監視し、製品の安全を確保する管理手法である。

 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関=食品規格委員会が、各国にその採用を推奨している。

 従来、食品の安全性は、製造する環境を清潔にすれば得られるだろうと、製造環境の整備や衛生管理に重点が置かれてきた。

 そして、製造された食品の安全性の確認は、主に最終製品の抜き取り検査により行われていた。

 だが抜き取り検査だけでは、危険な食品が市場に出て、食中毒を引き起こす可能性を完全に排除することはできない。

 HACCP方式は、従来の考え方ややり方に加え、原料の入荷から製造・出荷までのすべての工程の重要管理点を特定し、そのポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたらただちに対策をとり解決する。

 不良製品の出荷を未然に防ぐことができるシステムである。

 ─以上、コピペ終り。

 たぶん、上掲記事のHCCAPは、HACCPとするつもりの「A」の位置を打ち損なったのだろう。

 その誤植を、デスクも校閲も見落としたのだろう。つまり新聞制作の“コントロールポイント”がきちんと機能しなかったわけだろう。

 話はいきなり飛躍するが、あの「慰安婦問題」にしても、一人の記者の「情報は必ず裏を取る」という基本的な取材手法の欠如に端を発して、それをチェックすべきデスク、部長などの重要管理点をあっさり通過してしまった、いわば報道におけるHACCPの破綻といえるのではないか。

 東電「吉田調書」誤報、また、しかり。

 同様の事例は業種の別を問わないだろう。

 以って他山の石としたい。
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教授、ご乱心!? [それ、ウソです]

 それ、ウソです(79)   

 教授、ご乱心!?

 世界的音楽家の坂本龍一(62)が中咽頭がんの治療に専念するため、演奏活動を全面的に休止することが9日、分かった。きょう10日に自ら公表する。
 咽頭がんに効果があるとされる放射線治療については、反原発運動の先頭にたってきた立場から拒否する考えを主治医に伝えている。
 自らの命にかえても「反原発」だけは譲れないという不屈の精神で、世界の〝教授〟が闘病生活に入る。(スポーツニッポン=2014年7月10日)

 「坂本龍一 がん」と、紙面の上半分をぶっつぶす超特大文字の見出しが躍り、「放射線治療拒否 反原発貫く」の脇見出しがついている。

 第1面の全面を埋める記事の、この前文を読んで、おどろき、あきれ、時代をリードする音楽家へのかねてからの尊敬の念がいっぺんに消失するようだった。

 がん告知のショックで発作的に乱心しちゃったのか?

 もともとその程度の浅い識見の持ち主でしかなかったのか?

 原発と放射線治療はまったく異なる次元の問題ではないですか。

 ミソとクソを一緒にしてはいけませんよ、阪本さん!

 主治医も主治医だ。

 放射線治療拒否を伝えられて、ハイ、そうですか、とおとなしくうなずいたのか?

 だとしたら、センセイ、あなたもずいぶん情けないお医者さんだなあ。

 そんなことを胸の中でぶつぶつ呟いていたのだが、夕方、朝日新聞のデジタル版を見たら─、

 〈速報〉坂本龍一 放射線治療を排除せず

 中咽頭がんであることを公表した音楽家坂本龍一(62)が、放射線治療の可能性を排除していないことが分かった。
 一部メディアが、坂本は「反原発」の立場から、放射線治療については、主治医に拒否する考えを伝えていると報じたが、関係者はこれを否定した。
 坂本は、ツイッターでそのメディアを名指しした上で「適当な記事」と批判している。

 ─さもあらん、と納得、ネットを検索してみたら、こんな記事が見つかった。

 坂本龍一氏「脱原発だから放射線治療も拒否」報道は飛ばしだった!! J-CASTニュース7月10日(木)15時16分

 中咽頭がんを患っていることを公式サイトで発表した音楽家の坂本龍一さんが、脱原発運動を率いてきた立場から放射線治療を拒否していると報じられ、ファンや脱原発派の間で動揺が広がっている。
 報じたのは中咽頭がんの事実を正式発表に先がけてスクープしたスポーツニッポンだ。
 ──中略──
 しかし、坂本さんのマネージャーが、10日10時ごろ、「スポニチ、なんて適当な記事……」とツイートし、記事内容に事実誤認があることを示唆した。
 すると坂本さん本人もこれに反応。マネージャーのツイートを引用した上で、「読んでないけど。ああいう芸能記事を真に受ける人いるの?」とコメントした。
 ──以下、略───

 いやあ、よかった! よかった!

 それにしても、スポニチ、ずいぶん手の込んだ飛ばし(憶測記事)をやってくれるじゃないの。

 大した想像力?だよ(笑)。笑っちゃいけないな。

 咽頭は、鼻・口の奥と食道・喉頭にはさまれた部分。

 その真ん中辺りにできるのが中咽頭がん。

 喫煙や過度の飲酒を長期間続けることで発生の危険性が高まる。

 中高年男性に多い。早期発見・適切治療の治癒率は高い。

 坂本さんは、6月上旬、のどに違和感を覚え、いま住んでいるニューヨークの病院を受診、中咽頭がんを告知された。

 現地で治療に専念するという。

 ホームページの「みなさまへ」と題した、坂本さんのメッセージは、

 「必ずきちんと治して戻ってまいります。どうかしばらくの間、静かに見守っていただけたら幸甚です」と結ばれている。

 全快を切に祈りたい。ファンの一人として、全世界のファンとともに─。
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おでこ→脳=× [それ、ウソです]

 それ、ウソです(78)

 おでこ→脳=×

 熱中症になったらおでこを冷やす→×

 額を冷やすのは暑さ対策に限らず、風邪などで発熱したときに誰もが日常的にしていること。
 ところが、熱中症対策に詳しい済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科の十河剛副部長は「おでこだけを冷やしても効果はありません」とばっさり。
「脳が『体全体も冷えた』と勘違いし、体温を下げようとしなくなるからです」(「暑さ対策のウソ・ホント」=毎日新聞2013年7月25日)

 はい。「おでこだけを冷やしても効果はない」はそのとおりですが、「脳が『体全体も冷えた』と勘違いし……」は、先生の勘違いか、記者の聞き違いでしょうね。

 それは、ウソです。

 熱(体温)が高いとき、おでこに氷のうや濡れ手ぬぐいをのっけると、ひんやりして気もちがいいが、熱は下がらない。

 なぜか? 額には太い血管(動脈)がないからだ。「脳が勘違い」するからではない。

 体内の発熱器官(主として筋肉、肝臓)でつくられた熱は、血管を流れる血液によって全身へ運ばれる。

 熱が高いというのは、血液の温度が高くなっているということなので、熱を下げるためには、血液の温度を下げなければならない。

 だから熱中症の手当ては、上掲の記事で十河先生も話しているように、「首やわき、脚の付け根の前面などの太い血管が通っている部位」を冷やせばよい。

「氷や保冷剤、なければ水でぬらしたタオルを当て、可能なら同時に冷やします。さらにうちわであおいであげると良いでしょう」。

【熱中症】高温や多湿の環境下で起こる障害の総称。塩分やミネラルの不足による熱痙攣、脱水症状を起こした熱疲労、体温調節機能が失われた熱射病等に分けられる。

 ─と、『広辞苑』第六版にはあるが、その説明は熱中症の旧分類によるものである。

 日本神経救急学会の新しい指針は、熱中症の重症度を、Ⅰ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)の3段階に分けている。

 Ⅰ度=頭がボーッとして、ふらふら、めまい、立ちくらみ…。汗がとめどなく出る。足がつる。

 旧分類の「熱失神」「熱痙攣」に当たる。

 日陰で休み、水分を補給する。

 Ⅱ度=体がぐったり、力が入らない。頭痛、めまい、吐き気・嘔吐、足や腕などの筋肉に痛みを伴うけいれんが起こる。

 旧分類の「熱疲労」。病院へ行き、補液を受ける。

 Ⅲ度=高度の意識障害を起こし(昏睡に陥る例も)、呼びかけや刺激への反応がおかしい。体がひきつける。発汗はみられず、皮膚は乾燥し、体温は40℃以上に上昇する(体に触ると熱い)。

 旧分類の「熱射病」。超緊急にさまざまな治療が必要。救急救命センターのような集中的な救命医療のできる施設に搬送しなければならない。

 熱中症は知らず知らずに進行して、症状が出てきたときにはかなり深刻な状態になっていることが多い。

 こまめに水を飲もう。最適はスポーツドリンクだ。

 暑い日にぐったりしている人の重症度を見分けるにはどうしたらいいか。

 いちばんの目安は「意識」だ。脳は温度に敏感で、体温が異常に上ると意識がもうろうとなり、呼びかけへの受け答えがおかしくなる。

 はっきり応答し、自分で水が飲める状態だったらそんなに慌てなくてもいい。

 乳幼児は、泣いていたらまず安心。ぐったりして、つねってみても泣きもしないのは非常に重症、ただちに救急車を呼ぼう。

 救急車を待つ間は、できる限り涼しいところで、できるだけ体温を下げる。それに尽きる。冷やす部位と方法は前に記した。

 絶対にやってはいけないのは、昏睡状態の人に水を飲ませようとすること。

 無理に飲ませると、窒息する恐れがある。
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認知症のばらつき [それ、ウソです]

 それ、ウソです(77) 

 認知症のばらつき

 患者の68%を占めるのがアルツハイマー型認知症だ。脳に特有のたんぱく質がたまっていき、脳の萎縮を引き起こす。脳梗塞や脳出血など脳血管障害が原因の型が20%、幻視などを伴うレビー小体型が4%と続く。(「患者を生きる 脳と神経」=朝日新聞2014年3月16日)

 これを「ウソ」と決めつけるのは少々ナヤましい。

 ある時点、あるコホート(集団)における調査データとしては、けっしてウソではないからだ。

 日本の認知症の調査データにはじつにばらつきが多い。

 認知症の最大のリスクファクターが加齢であり、超高齢化社会では年々ふえる一方なので、実態がとらえにくいのがその一因である。

 上掲の記事は、厚生労働省の2013年6月の発表にもとづくもので、それによれば、「65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%で、2012年時点で462万人にのぼることがわかった」という。

 ところが、同じ厚労省が2012年8月には、「認知症になった高齢者数の新たな推計結果は、2012年の時点で305万人(65歳以上人口の9.9%)に達するとみられる」と発表しているのだ。

 「462万人」と「305万人」では1.5倍もの開きがある。

 前者は、「茨城県つくば市など8市町で選んだ高齢者5386人分の調査データを使用、高齢者人口(12年)に有病率を当てはめて推計した」数値であり、

 後者は、「2010年時点の介護保険の要介護認定データをもとに算出した」数値である。調査方法が違えば結果も違うというわけ。

 アルツハイマー型=68%、脳血管障害型=20%、レビー小体型=4%という有病率に対しても異論があり、レビー小体型のほうが脳血管型をずっと上回る、と明言する専門医が少なくない。

 大脳皮質にレビー小体という異常物質(たんぱく質の塊)ができるのが原因の、この認知症は、日本の精神科医、小阪憲司博士(横浜市立大学名誉教授)が1976年に発見、96年に国際的な診断基準ができた。

 約200人の認知症患者の脳を調べた小阪博士によれば、

 「レビー小体型は20%、アルツハイマー型の50%に次いで多い」。

 国内の患者数は推計約50万人、「第2の認知症」と呼ばれる。

 認知症治療の指針「コウノメソッド」で知られる河野和彦・名古屋フォレストクリニック院長も、

 「認知症のタイプを多い順に挙げると、アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性、前頭側頭型(ピック病)、その他となる」と話した。(雑誌『壮快』2012年3月号「名医に聞く」)

 しかし、レビー小体型はなかなかわかりにくく、誤診による「隠れレビー」の患者が非常に多い。

 なぜ、レビーはわかりにくいのか。

 アルツイハイマー病やパーキンソン病と混同されやすいからだ。

 この三つは、いずれも脳内の神経伝達物質が低下する病気で、パーキンソン病ではドーパミンが、アルツハイマー病ではアセチルコリンが、レビーではその両方が不足する。

 そのため症状がよく似通っていて、まだよく知られてないレビーは、アルツハイマーやパーキンソンと誤診されやすい。

 パーキンソン病はドーパミンを、アルツハイマー病はアセチルコリンを、レビーはその両方をふやす必要があるが、薬剤過敏性(薬が効きすぎる性質)のあるレビーには、どちらの薬も規定量より少なく処方しなければならない。

 誤診により一方の薬のみを通常量、処方されると、ドーパミンとアセチルコリンは片方がふえると、もう一方はへるという拮抗関係にあるので、薬が効きすぎる副作用だけでなく、ふやすべき物質が欠乏し、たちまち症状の悪化を招いてしまうという。
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脳細胞=常識の逆転 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(76)   

 脳細胞=常識の逆転

 脳を組み立てている神経細胞、すなわち脳細胞は、生まれたときに、数だけはちゃんとそろっており、大脳皮質には、エコノモとコスキナスの推算によると、百四十億の脳細胞があるという。
 生まれてからは、脳細胞の数はふえないし、また、こわれても決して再生しない。(時実利彦著『脳の話』=「岩波新書」1962年発行)

 世界的に知られた大脳生理学者の名著にも記されてある、脳細胞の数と再生に関するこの医学的定説は、現代人の常識でもあった。「脳細胞は1日10万個ずつへっていく」といわれ、だれもがそう信じていた。

 その常識がくつがえされたのは、1998年である。

 スウェーデンのエリクソンとアメリカのゲージは,解剖学的実証にもとづき、「海馬をはじめとして脳のいくつかの部位では、ニューロン(神経細胞)が新たに生まれ続けている」と発表した。

 この驚くべき発見に触発されたその後の多くの研究によって、「海馬の神経細胞はへりやすい一方で、年をとってもふやせる」ことが明らかにされた。

 海馬は、大脳辺縁系(大脳の深層に位置し本能・情動を支配する中枢)の一部で、左右に一つずつある。

 日常的な体験や学習で得た情報はまず海馬に入り、短期的に記憶・保管される。

 海馬に保管された情報のなかで、思い出す、話す、書くなどの刺激(記憶の再生)を受けたものが、長期に記憶されるべき情報として半永久的に脳内に残る。

 「記憶の司令塔」の海馬が働かなくなると、新しいことが覚えられなくなり、昔のことは覚えていても、新しいことはすぐさま忘れてしまう。

 海馬の神経細胞は、脳細胞のなかでもとりわけ繊細で、こわれやすい。

 虚血、酸欠、衝撃、ストレスなどで脳がダメージを受けると、まず海馬の神経細胞から死んでいく。

 アルツハイマー病が海馬の萎縮(神経細胞の減少)から始まるのもよく知られている。

 その海馬の神経細胞が再生するのなら、経験値が上がれば上がるほど(年をとればとるほど)、「脳力」は高まる可能性を秘めていることになる。

 そこが体の各部位とは違う脳のおもしろさである。

 体は老けても、脳は老けない─というわけだ。

 脳のアンチエイジング(抗加齢)、どうすればよいか。簡単だ。

 頭を使えばよいのだ。

 使わない筋肉が萎縮する(「廃用性萎縮」という)ように脳も使わないと萎縮する。

 本を読む。文章を書く。計算をする。物をよく見る。考える。人の話を聞く。自分も話す。歩く。料理を作る。よく噛んで食べるなどなど…すべて、脳を刺激し、脳細胞をふやすことにつながる。

 研究者の解説を紹介しよう。

 「海馬の刺激には軽い運動で充分。
 心拍数1分間90~100ぐらいの速歩程度のジョギングを1日10分、2週間続ければ脳細胞がふえ、6週間で認知機能が向上します」と、征矢英昭・筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。

 小野塚實・神奈川歯科大学「咀嚼と脳の研究所」所長らは、fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を用いて、咀嚼(そしゃく)運動による脳への影響を調べた。

 「2分間ガムを噛むと、とりわけ高齢者では海馬の活性化が増強、記憶力の向上が確かめられました。
 日常、しっかり、ゆっくり、意識して噛む習慣を身につけるだけで、神経細胞の数が増加、脳の神経活動が活発になります。咀嚼は脳のジョギングです」

 だいじな補足=睡眠は、脳を休ませるだけでなく、記憶を整理し、定着させるアクティブなはたらきもしている。

 しっかり眠ろう。

 余談=睡眠時間の長い子ほど海馬の体積が大きかったという研究もある。

 寝る子は脳も育つのだ。
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ピロリ菌と胃がん [それ、ウソです]

 それ、ウソです(75)  

 ピロリ菌と胃がん

 ─この菌によって胃潰瘍、胃がんが起こるというのはもう定説になっているのでしょうか?
 下山 いや、そんなことはありません。
 この菌がいるからといって、胃潰瘍にはなりません。胃がんにもなりません。
 たしかに胃炎にはなりますが、胃潰瘍や胃がんができるという実験は、まだ、誰も報告していません。(下山孝・兵庫医科大学第四内科教授。「ピロリ菌の正体と殺菌法」=『壮快』1994年8月号「名医に聞く」)

 ヘリコバクター・ピロリ(通称ピロリ菌)が、オーストラリアの研究者らによって発見されたのは1983年。

 10年たったこのころ、この新顔細菌の作用がいろいろわかってきて、そのうえ日本人には感染者がとても多いということもあり、たとえば、

「僕の名前はピロリ 胃潰瘍の原因だぞ」(『AERA』1994年3月28日号)とか、

「ヘリコバクター・ピロリ 胃の中の“ありふれた”細菌 胃がんに関連か 患者に高い感染率」(『朝日新聞』1994年4月4日夕刊)

 ─といった報道がにぎやかに行われていた。

 当方もその尻馬に乗って、当時、日本で最も先進的な研究者として知られた教授を訪ねて、まずいちばん気になることを聞いて、返ってきたのが、上掲の言葉だった。

 いま、同じ質問をすれば当然、真逆の答えが返ってくるだろう。

 これ、時代が変わると、ホント(と思われていたこと)がウソになる一例である。

 以下、ピロリ菌に関する現代医学の定説と現状を要約してみる。

 現在、日本のピロリ菌感染者は約6000万人(50歳以上では約7割が感染)。

 ピロリ菌に感染すると、ほぼ100%の人に「ヘリコバクター・ピロリ胃炎」という慢性胃炎の一種が生じ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のもとになる。

 慢性胃炎が長く続いて萎縮性胃炎に変わると、その一部から胃がんが発生してくる。

 ピロリ菌に感染している人が必ずしもみな胃がんになるわけではないが、遺伝性のスキルス胃がんなどを除き、ほとんどすべての胃がんの人はピロリ菌に感染しているという。

 国立国際医療センターの研究チームは、ピロリ菌に感染した1246人と感染していない280人を、8年間追跡調査した。

 結果、感染者では約3%に胃がんが発生したが、非感染者ではゼロだったと報告している。

 ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムを解明した畠山昌則・東京大教授(病因・病理学)は、「胃がんの99%はピロリ菌感染が原因です」と明言している。

 がんは、生活習慣病由来(喫煙→肺がん・喉頭がんその他、高脂肪食→大腸がん、紫外線→皮膚がんなど)と、感染症由来(肝炎ウイルス→肝臓がん、ヒトパピローマウイルス→子宮頸がん)に大別される。

 胃がんは従来、前者に分類されていたが、いまは後者に変わった。

 「ピロリ菌は煙草なみの発がん物質」とは、WHO(世界保健機構)のことば。

 日本ヘリコバクター学会は、胃がん予防のため、胃の粘膜にピロリ菌がいる人は全員、薬で除菌することを勧めている。

 学会の提言を受けて、

 まず2000年に胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者のピロリ菌の除菌治療が公的医療保険の適用となり、

 2010年にはピロリ菌が原因の胃MALTリンパ腫と特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、内視鏡治療でがんを取り去った早期胃がんの再発防止─と対象が広がり、

 2013年からは慢性胃炎もピロリ菌の除菌が保険でできるようになった。

 ヘリコバクター・ピロリ胃炎であるかどうかを医療機関でチェックし、陽性とわかったら除菌を行うことをお勧めしたい。

 無症状の若い人たちでは、胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などを完全に抑えることができる。

 中高年ではすでに前がん状態に進んでいる場合もあり、除菌後も定期的にフォローする必要がある。

「除菌後も必ず胃がん検診を受け続けます」と一筆とってから、治療を始める専門医もいる。

「これらを徹底すれば、10年後の日本で胃がんで亡くなる人は激減しているはずです」と、除菌の効果を臨床的に実証した浅香正博・北海道大学特任教授。

 なお、食塩は胃粘膜のバリアーを侵し、ピロリ菌の毒素がしみ込みやすくなる。

 胃がん予防には、塩分の取りすぎにも注意したい。
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永さんのパーキンソン病 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(74) 

 永さんのパーキンソン病

 パーキンソン病を告知されて2年。
 調子のいい日と悪い日が日替わりでやってくる。
 だから気分にムラがあり家族や周囲に迷惑をかけている。(「永六輔その新世界 元気な病人になる努力」=毎日新聞2013年11月23日)

 え? 「2年」ですか? 「3年」でしょう?

 だって、2010年10月30日の同じ「永六輔その新世界」に、

 「体調がおかしくなってから1年。やっと病名が決まってパーキンソン病。
 かつては難病のひとつに数えられていたが、研究の成果が上がり薬も開発され、病気を押さえ込むことが出来るようになった。」
 と、書いているではないですか。

 これ、永さんが、パーキンソン病であることを公表した最初の文章である。

 このコラムは、TBSラジオの「永六輔の土曜ワイド」と連係する形で、毎週土曜日、毎日新聞の都内版に掲載されている。

 新聞とラジオでのカミングアウト以来、折おりの放送や紙面にパーキンソン病の話が出てくるのだが、なぜか発病・診断の時期がまちまちなのである。

 何例か、新聞の掲載日順に並べてみよう。

 ①局の内外で最近の体調について言葉をかけられる。
 「全快に近いんじゃないですか?」「もう少し元気だと安心するんだけど」「歩き方が転びそうで危なっかしい」
 いろいろな感想があるのだけれど、当人はパーキンソン病の症状をかかえて落ち着かない。=2011年5月14日

 ②10月8日、ノーベル医学生理学賞の報道。
 「臨床研究がパーキンソン病でも数年以内に始まる」
 NHKでのインタビューだったが、治らないから難病と言われてきたパーキンソン病の役に立つという言葉がテレビから流れたのである。
 ──略──
 パーキンソン病の僕としてみれば、何という幸運。
 ──略──
パーキンソン病と診断されたのが一昨年の夏。=2012年10月13日

 ③今年になってパーキンソン病と診断され、言語不明瞭。その上、転倒して骨折、車椅子になった。=2012年10月27日

 ④今年になって僕はパーキンソン病だと診察されたが、以後「幻視」がにぎやかになってきた。パーキンソンの病状のひとつに「幻視」があるのだ。=2012年11月17日

 ⑤パーキンソン病とつきあって一年半。
 車椅子が手放せなくなっている。=2015年6月20日

 12年10月13日に「一昨年の夏」と正しく書いた2週間後、「今年になって」と間違え、その思い違いのまま、11月にもまた「今年になって」と繰り返し、翌13年11月には「告知されて2年」と1年サバを読んだ?数え間違いをしている。

 そして、ついこないだの6月には「パーキンソン病とつきあって一年半」である。

「パーキンソン病はアルツイハイマー病と症状の一部が似ているところもあり」と永さん自身が書いている(13年11月23日)。

 病気の症状としての記憶の錯誤が生じているのだろうか?

 そうだとしたら、担当編集者が、「今年になって」や「告知されて2年」をその都度、正しく直すべく進言したらよいのではないか。

 それをしないのは怠慢の一種だと思う。

 なお、ノーベル医学生理学賞に関連して、「臨床研究がパーキンソン病でも数年以内に始まる」と永さんがいっているのは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から神経の細胞をつくり、パーキンソン病患者の脳に移植する治療法のこと。14年3月6日、京都大iPS細胞研究所は、手法の確立と16年中の患者への実施を発表した。

 パーキンソン病のあれこれについては、別のブログ「健康1日1話」もご一見ください。

 YahooやGoogleなどで、「永さんの症状」で検索すれば出てきます。

 ついでに「永さん、おだいじに!」もどうぞ─。
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