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頭皮にもある神経痛 [医学・医療・雑感小文]

頭皮神経痛、ピリピリした痛み

洗髪やブラッシングがとても痛い、髪の生えぎわや額にピリピリと痛みを感じる…といった経験はありませんか?

頭皮などに感じる電気が走るような鋭い痛みは、頭皮神経痛の可能性があります。

「神経痛」と聞くと手足や関節などを思い浮かべるかもしれませんが、頭皮にも神経痛は起こります。
今回は、頭皮神経痛の症状や原因などについて解説します。

神経痛とは

神経痛は末梢神経(まっしょうしんけい)が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで起こる痛みの総称です。

「末梢神経」は、脳や脊髄などの中枢神経から全身に広がっていて、脳の命令を手足に伝達する、反対に感覚器官や皮膚などで得た情報を脳に伝える、という役割をしています。

神経痛を身体の部位別にみると、「三叉(さんさ)神経痛=顔面」、「肋間(ろっかん)神経痛=胸」、「坐骨(ざこつ)神経痛=腰」などがよく知られています。

この神経痛の症状が頭部にでた場合「後頭(こうとう)神経痛」あるいは「頭皮神経痛」と呼んでいます。

頭皮神経痛の症状

頭皮神経痛は、後頭部や頭頂部にピリピリ、ジンジンといった痛みを感じます。

目の奥の痛みやめまいといった症状がでる場合もありますが、一般的には頭の表面のピリピリとした痛みと、シャンプーやブラッシング時の痛み、ドライヤーの風が異様に熱いなどの症状が特徴です。

ほかの神経痛と同じように、突発的に鋭い痛みが現れ、本人はすごく痛がりますが、しばらくすると痛みは消えます。

頭皮神経痛の原因

頭皮神経痛の原因は生活習慣ではないかといわれ、次のような点が指摘されています。

姿勢が悪くて骨格がずれて、身体に負担をかけている

睡眠不足でストレスが生じている

ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が不足し疲労が蓄積されている

背骨が凝ったり歪んだりしている

騒音、気候の変動、大気汚染などの外的ストレスにさらされている

仕事や人間関係のストレスが昂じている

頭皮神経痛の対策

今のところ治療法は確立されていませんから、鎮静剤の服用といった対症療法か、痛みが鎮静化するのを待つ以外にありません。

ストレスや生活習慣が痛みの原因になると考えられていますので、生活習慣の見直し、ストレス発散・回避など、「予防」を心がけることが大切になります。

具体的には次のようなことです。

姿勢を悪くしない、長時間同じ姿勢でいつづけない

肩凝りや腰痛を治す

急激な運動によって発症しないように気をつける

騒音や大気汚染などの外的ストレスに対し、環境を変えることも考える

人間関係や長時間労働など仕事のストレスは上手に発散する。もしくは、相談をして状況を変えるように努める

栄養に偏りのないバランスよい食生活を心がける

質の良い十分な睡眠を習慣とする

オン・オフのけじめをつけリラックスする時間を確保する

ものごとに取り組む際、必要以上に悲観的にならないようにする

頭皮神経痛ではない別の病気の可能性

頭部が痛む、という症状は頭皮神経痛に限りません。

頭皮の「ヒリヒリ、ちくちく」という痛みは、乾燥によるかゆみなどが起因しているかもしれませんし、頭の奥の方がズキズキ痛む「頭痛」もあります。

注意しなくてはならないのは、専門的な治療が必要となる重要な病気が隠れているケースです。

たとえば、脳梗塞やくも膜下出血などが挙げられます。

痛みが生じていて、痛みのほかにも手足のしびれや嘔吐などの症状があるときは、すみやかに医療機関を受診してください。

頭部の痛みを自己判断すると、危険な場合もあります。

やさしい頭皮ケアを!

頭皮神経痛が出現すると、新陳代謝が低下して頭皮が硬くなるため血液の循環が悪くなります。

髪に栄養がゆきわたらなくて抜け毛につながることもあります。

しかし、痛くてブラッシングやシャンプーなど、頭皮ケアにも支障がでますから、老廃物が溜まりやすい状態である点にも留意しましょう。

刺激を与えないで丁寧に頭部をケアすること、そして冷たい外気や紫外線などから頭皮を保護すること、さらに乾燥にも気を配りましょう。

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

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アルコールと認知症 [医学・医療・雑感小文]

アルコールの飲み過ぎが「認知症」の原因に
 
 アルコールの飲み過ぎは、あらゆる種類の認知症、特に早期認知症のもっとも重要な危険因子であることが、世界保健機関(WHO)とカナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)による、3,000万人以上を対象とした大規模調査で明らかになった。

「健診でアルコール障害を早期に発見し介入することで、認知症を減らせる可能性があります」と、研究者は指摘している。

 アルコール障害が認知症リスクを3倍以上に上昇させる

 研究チームは2008~2013年に、フランスの3,162万4156人の医療記録を解析した。

 期間中に110万9,343人が認知症と診断された。

 結果、「アルコール使用障害」(AUD)は、あらゆるタイプの認知症、特に早期発症型認知症の発症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになった。

 アルコール使用障害は、あらゆる種類の認知症のリスクを、男性で3.4倍に、女性で3.3倍にそれぞれ上昇させるという。

 また、全体の5.2%にあたる5万7,353人が65歳以前に発症する早期認知症と診断された。

 認知症全体では女性の発症が多かったが、早期認知症に限ると3分の2(64.9%)が男性だった。

 早期認知症と診断された患者の半分以上が、アルコールの飲み過ぎと関連していることも判明した。

 アルコールが原因の認知症は予防が可能

 世界保健機関(WHO)は、慢性的な大量飲酒をアルコール換算で、男性の場合は1日当たり60グラム以上、女性の場合は40グラム以上と定義している。

 アルコール10グラムは、ビールでは250mL(ロング缶の半分)、ウィスキーでは30mL(シングル1杯)、ワインでは100mL(グラス1杯弱)に相当する。

「アルコールの飲み過ぎが認知症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになりました。

 特に早期認知症は死亡リスクが高く、飲酒と関連が深いことも分かりました」

 と、カナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)の精神・保健政策部のユルゲン レーム氏。

 20歳以上の成人がアルコール依存症になると、平均余命が短縮するという報告がある。

 認知症が主要な死因となっている可能性がある。

「アルコールがもたらす脳のダメージと認知症は予防が可能です。

 アルコールをコントロールすることで認知症の発症をくい止められる可能性があります」

 と、レーム氏は強調する。

 健診でアルコール障害を早期発見 指導介入を

 喫煙習慣、高血圧、糖尿病、うつ病、難聴などがあると、アルコールによる健康障害が増える傾向も示された。

 これらはすべて認知症の危険因子でもある。

 アルコールによる健康障害は多面的に、認知症の発症リスクを上昇させるとみられている。

 「精神科医として高齢者を診療していると、実際に認知症患者にはアルコール使用障害が多いことに気付かされます。

 認知症の予防の観点からみると、アルコールによる健康障害を改善する介入が遅れるケースが多いのは残念なことです」

 と、CAMHのブルース ポロック副理事長は話している。

「定期的な健康診断で飲酒状況をスクリーニングして、慢性的な大量飲酒を早期発見し、アルコール使用障害を治療することを、早期プライマリケアで開始する必要があります」

 と、指摘している。

 今回の研究では、アルコール依存症のもっとも重篤な症例である入院を伴う治療のみを対象としていたが、アルコール依存は不名誉なことなので、現実には隠れて飲んでいる患者も多いとみられる。

 アルコールの飲み過ぎと認知症の関連は、実際にはさらに強くなる可能性があるという。

 研究は、公衆衛生についての医学誌「ランセット パブリック ヘルス」に発表された。
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糖尿病の重症化を防ぐ「七福神」 [医学・医療・雑感小文]

「七福神」が糖尿病の重症化予防を助ける

糖尿病患者2,000人を対象にした大規模な研究が日本で開始される。

スマートフォンアプリ「七福神」を活用し、「IoT」によって糖尿病患者の行動変容をはかる。

糖尿病患者がIoTを活用 無理なく生活を改善するために国立国際医療研究センター糖尿病研究センター(センター長:植木浩二郎)は、

「IoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究-2型糖尿病患者におけるIoT活用の行動変容と血糖改善効果の検証-」の臨床研究を開始すると発表した。

「IoT」(アイオーティー)は、身の回りの機械がインターネットを通じてつながることで実現する新たなサービスや技術。

糖尿病患者が血糖コントロールを改善するためには、体重管理や運動を習慣として行うことが重要だ。

医師や保健指導者は、診療や保健指導を通して、自己管理のノウハウを提供し、動機づけを患者に行っている。

しかし、生活習慣病スタイルを変えていくのは患者自身。

糖尿病患者が治療に対するモチベーションを維持し、治療からの脱落を防ぐために、これまでの医療機関からの一方通行の情報伝達では不十分。

この臨床研究は、糖尿病患者がIoTを活用して、無理なく生活改善に取り組みながら、血糖コントロールと生活の質(QOL)を改善できる手法を検証する研究であり、今後の糖尿病治療のあり方に大きな変革をもたらす可能性のある取り組みである。

「七福神アプリ」を使い血糖コントロールを改善

研究では具体的に、スマートフォンアプリを日常的に使用している2型糖尿病患者2,000人を研究対象にし、そのうち1,000人の患者に「七福神アプリ」を使用してもらう。

研究は1年間行い、HbA1cの変化を比較する。

HbA1c【ヘモグロビン・エーワンシー】は、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値。

ふだんの血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり ふだんの血糖値が低い人はHbA1c値も低くなる。

研究に参加する患者に、通信機能をもつ測定機器(血圧計、体重体組成計、活動量計)を無償で貸与し、患者自身がスマートフォンを使って、日々の健康情報をセルフモニタリングする。

さらに、介入群は、「七福神アプリ」により日々の健康情報にもとづいたメッセージを受けることで、血糖コントロールの改善効果を検証する。

「七福神アプリ」は、あいち健康の森健康科学総合センターが経済産業省の「IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業」の結果にもとづき、バージョンアップして開発したスマートフォン専用アプリケーション。

血圧計と体重体組成計、活動量計に連動

患者は、自分のスマートフォンに、「七福神アプリ」に加えて、測定機器のデータを連動する専用アプリをダウンロードする。

患者には血圧計と体重体組成計、活動量計が貸与される。

専用アプリでこれらの機器を登録し、測定データを無線で転送・記録できるようにする。

測定データは「七福神アプリ」に連動する。

アプリでは、患者が食事や運動をよりよく自己管理できるようにするために、七福神のキャラクターが測定データをもとに励ましのメッセージを呼びかける。

週2回の応援メッセージを表示するほか、4週間ごとに測定値の平均と目標値との差分などをまとめたサマリー(診療記録の一つ、病歴などの要約)も表示する。

測定しない日が続くと、アラートを通知し、脱落を防止する。

「七福神」のそれぞれのキャラクターには担当があり、測定値や記録により褒めたり喜んだり、時に悲しんだりする。

たとえば働き者の恵比寿は歩数の管理、少しお腹の出た布袋尊は体重管理など、測定状況に応じて表情などを変えながらコメントする。

七福神が励ましてくれる 医療者にもメリットがある

週2回届く七福神からメッセージは多彩だ。

頑張って効果が出れば「がんばっておられて、うれしゅうございます」と褒めてくれるし、運動を少しさぼった時は「もう少し動かんと体力が落ちるぞ」と激励してくれる。

毎日の健康管理に伴走してくれるので、楽しみながら続けられる仕掛けになっている。

実証研究では、アプリを利用した群では、3ヵ月後、6ヵ月後までのHbA1cの変化量が有意に改善した。

「七福神アプリ」のデータは、専用クラウドにも転送され、医師や保健指導者が遠隔で患者の様子を確認することもできる。

医師は提供された健康データや指導者用サマリーレポートにより、診察日と診察日の間の健康状態、生活態度を簡便に把握することができるようになる。

適切にサポートすれば治療中断率は下げられる

特定健診・保健指導の調査によると、特定健診で受診を勧められても、病院に行かない方の割合は約50%(2,790万人)に上る。

積極的に治療を受ける患者の割合は低く、糖尿病でも早期発見・早期治療が十分に実施されていない。

外来通院中の2型糖尿病患者を対象にした研究では、通常の診療だけでは1年間で8%以上の患者が治療を中断することがわかった。

受診しなかった患者に手紙や電話で受診を呼びかけたり、食事と運動のアドバイスなどの診療支援を行ったところ、治療中断率は3%程度に下がることが確認できた。

しかし、こうした取り組みは人手や時間を必要とするため、多くの医療機関で常に行えるわけではない。

そこでIoTを活用することで、糖尿病患者の重症化を防げる可能性がある。

最初の段階で体重が減ったり、血圧が低下したり、歩くことの気持ち良さを実感できるようになれば、日常の行動が変化して自信をもって生活習慣の改善につなげられる。

逆に、最初の段階でサポートに失敗すると、治療から脱落してしまうおそれが出てくる。

「七福神アプリ」にはゲーム的要素もあり、これまでの参加者からは「治療を楽みながら続けられる」という声も聞かれたという。

IoTで一人ひとりに適合した治療を実現

この臨床研究「IoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究~2型糖尿病患者におけるIoT活用の行動変容と血糖改善効果の検証~」は、国立国際医療研究センターが日本医療研究開発機構の「IoT等活用生活習慣病行動変容研究事業」の採択を受け、開始するものである。

糖尿病を含む生活習慣病の医療費は、医療費全体の11.3%に達するほか、網膜症や腎症、心筋梗塞、脳梗塞などに加え、がん、認知症の発症リスクを高めるため、重症化を予防することは患者の生活の質(QOL)を改善するためにも重要である。

課題となるのは治療からの脱落を予防し継続させること、そして糖尿病をコントロールするために生活スタイルの改善を支援すること。

今回の取り組みは、2年程度を予定している。

あいち健康の森健康科学総合センターでは、今回の実証研究の経験をもとに七福神アプリをさらに改良し、一人ひとりに合った保健指導に役立てていく考えだ。

日常行動を変えるために、IoTを役立てる試みははじまったばかりだ。成功すれば、IoTの活用が行動を変えるきっかけになり、糖尿病治療を良好に続けられ、糖尿病合併症を防ぐための大きな手助けとなるだろう。
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ヨーグルト効果と糖尿病リスク [医学・医療・雑感小文]

ヨーグルトを積極的に食べると、2型糖尿病のリスクを低下できる。

2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ることで発症する。

ハーバード公衆衛生大学院栄養学部のフランク フー教授らのチームは、ヨーグルトを食べることが糖尿病の発症リスクにどう影響するかを調査した。

研究調査は、米国で行われた大規模調査である「看護師健康研究」(1980~2010年)、「看護師健康研究II」(1991~2009年)「医療従事者追跡研究、」(1986~2010年)に参加した男女を対象に行われた。

対象となった人数と年齢はそれぞれ、4万1,436人(40~75歳)、6万7,138人(30~55歳)、8万5,884人(25~42歳)だった。

調査期間中に1万5,156人が2型糖尿病を発症した。

分析した結果、ヨーグルトを毎日28g食べていると、2型糖尿病を発症するリスクが18%減少するという結果が得られた。

ヨーグルト28gはティースプーン山盛り2杯半分に相当する。

ヨーグルトがインスリン受容性を改善、炎症も低減

研究チームは、「ヨーグルトを食べると、インスリン受容性が改善し、血糖を下げるインスリンの効きが良くなり、炎症を減らす作用を得られる可能性があります」と指摘している。

また、炭水化物の摂取前に乳製品を摂取すると、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンである「グルカゴン様ペプチド-1」(GLP-1)の分泌が刺激され、食後の血糖値の上昇を抑えやすくなることが、過去の研究で確かめられている。

「植物ベースの食事を摂ること、野菜や果物、全粒穀物を十分の摂ること、運動を習慣として続けることなどに加え、ヨーグルトを食べることを健康的な習慣に加えるべきでしょう」

と、フランク フー教授は述べている。
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ヨーグルトは心臓にも効く? [医学・医療・雑感小文]

ヨーグルトが心血管疾患リスクを低下

ヨーグルトの摂取量が多いほど、高血圧の男性と女性の心血管疾患のリスクが低下する傾向があることが、7万人以上を対象とした調査で明らかになった。

ヨーグルトを食べると、糖尿病のリスクが低下することもわかっている。

高血圧は、心筋梗塞や心不全などの心血管疾患の主要な危険因子だ。

世界の10億人が高血圧であると予測されており、効果的な心血管疾患の予防策が求められている。

これまでの研究で、ヨーグルトなどの乳製品を食べることで、高血圧、2型糖尿病などを予防・改善でき、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を改善できることが示されている。

これらは心血管疾患の危険因子であり、ヨーグルトを食べることで心血管疾患を予防できる可能性があることが、7万人以上を対象とした調査で明らかになった。

ボストン大学医学部予防疫学部のジャスティン ブレンディア医師はこう話している。

「高血圧の男性と女性を30年以上追跡した大規模な研究で、ヨーグルトが心臓の健康の維持に役立つことが分かりました。

食物繊維が豊富に含まれる野菜や果物、全粒穀物とともに、ヨーグルトを食べることが勧められます」

ヨーグルトが女性の心筋梗塞リスクを30%減少、男性では19%減少

研究チームは、米国で実施されている大規模調査である「看護師健康研究」(Nurses' Health Study)に参加した5万5,898人の女性(30~55歳)と、
「医療従事者追跡研究」(Health Professionals Follow-up Study)に参加した1万8,232人の男性(40~75歳)のデータを解析した。

研究の参加者は、61項目の食事についての質問票に回答し、心筋梗塞や脳卒中などの発症や、血行再建術などの治療歴について報告した。

期間中に3,300人の女性と2,148人の男性が、これらの疾患と診断されたり治療を受けた。

解析した結果、ヨーグルトの摂取量が増えると、高血圧のある人で、心筋梗塞のリスクが女性では30%減少し、男性では19%減少することが分かった。

女性では、ヨーグルトを食べることで、血行再建術の手術を受ける割合が16%低下した。

さらにどちらのグループでも、週2回以上のヨーグルトを食べている人は、追跡期間中に主要な冠動脈性心疾患や脳卒中を発症するリスクが20%減少した。

「ヨーグルトなどの乳製品が健康に良いことは多くの研究で指摘されています。

今回の研究で、ヨーグルトを長期間食べ続けると、心血管疾患のリスクを低下できることが示されました」と、ブレンディア医師。

明日は糖尿病とヨーグルト効果について─。
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インフルワクチン効果は? [医学・医療・雑感小文]

「インフルワクチン効果は25%」米で分析結果

米疾病対策センター(CDC)は2月15日、今シーズンに米国で最も多くの患者をもたらしたH3N2型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの予防効果は、25%にとどまるとの分析結果を明らかにした。

米国では、例年を大幅に上回る規模でインフルエンザの感染が拡大しているが、その一因としてワクチンの効果の低さが指摘されていた。

今回の分析結果はそれを裏付けるものとなった。

発表されたワクチンの効果は今シーズンの中間データに基づき推定されたもの。

ワクチンの効果分析に関する報告書は、米国での今シーズンのインフルエンザの概況に関する報告書とともに「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)=罹患率及び死亡率週別報告書」2月16日号に掲載された。

MMWRは米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)が毎週報告している感染症情報。

米国各地でどの疾病がどの程度発生しているかといった詳しい内容を迅速に知ることができる貴重な情報源であるとともに、重大な健康危機が生じた際も的確に対応するために大きな役割を果たしている。

CDCはアメリカ合衆国ジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所。

MMWRによると、今シーズンに流行した全ての型のインフルエンザに対するワクチンの効果は36%、今シーズンに大流行しているH3N2型(A型インフルエンザウイルスの亜型の一つ)に対するワクチンの効果は25%と推定された。

一方、2009年に大流行し、その後も毎シーズン感染が報告されているH1N1型に対しては67%、B型インフルエンザに対する効果は42%と推定された。

6カ月以上8歳未満の小児では、すべての型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの効果は59%と推定された。

米国以外にも、H3N2型ウイルスに対するワクチンの効果が低かったために、インフルエンザによって大きな打撃を受けている国がある。

たとえば、オーストラリアではワクチンの効果は10%程度であったと推定されているほか、カナダでもその効果は10~20%だったと報告されている。

今シーズンは、ワクチンの製造時に予測されたウイルス型と実際に流行したウイルス型との一致率が低かったが、今後はワクチンによる効果が期待できるH3N2型以外のウイルスの感染が広がる可能性があることから、CDCは「ワクチンをまだ接種していない人は、今からでも接種してほしい」と呼びかけている。
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インフルエンザと心筋梗塞のイヤな関係 [医学・医療・雑感小文]

インフルエンザ感染で心筋梗塞リスクが上昇

インフルエンザ感染が急性心筋梗塞のリスクと関係することを示す研究結果が、カナダのグループにより米医学誌「ニューイングランドジャーナル」に発表された。

急性心筋梗塞は急性呼吸器感染症によって引き起こされることがある。

先行研究でインフルエンザと急性心筋梗塞との関連が示唆されているが、これらの研究ではインフルエンザ感染の検査法や研究デザインに問題があった。

同グループは自己対照ケースシリーズデザインを用いて、検査で確認されたインフルエンザ感染と急性心筋梗塞との関係を検討した。

(自己対照ケースシリーズ=ケース自身に対照となる期間を設定して比較する手法)

特異性が高い種々の検査法を用いて呼吸器検体のインフルエンザ感染を確認し、行政データからAMIによる入院を特定した。

呼吸器検体採取後の7日間をリスク期間、リスク期間前後のそれぞれ1年間を対照期間とした。

インフルエンザ検査の結果が陽性で、前後のそれぞれ1年以内に急性心筋梗塞による入院が確認された患者は364例であった。

このうち20例はリスク期間中の入院(1週当たりの入院20.0例)で、344例は対照期間中の入院(同3.3例)だった。

対照期間と比較したリスク期間の急性心筋梗塞による入院の発生率比は6.05であった。

7日目以降の急性心筋梗塞発症増加は認められなかった。

ウイルス検出後7日以内の急性心筋梗塞発症率比はB型インフルエンザが10.11、A型インフルエンザが5.17、RSウイルスが3.51、その他のウイルスが2.77であった。
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