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心筋梗塞と過労の関係 [医学・医療・雑感小文]

心筋梗塞による突然死 過労が招く
 
 昨日、古い友人の元大学教師(85歳女性)から届いた「件名:質問」のメール。

 無沙汰、時候の挨拶、ご本人の近況につづいて、

「私の教え子で、北海道で高校教師をしていた男性がまだ48歳なのに、妻子を遺して、朝、死んでいたというのです。

妻なる人から手紙で知らせてきましたが、知らないうちに死んでいたので、事件性が疑われて、警察がきて大変だったとのこと。

死因は心筋梗塞だったことが判明したとのことですが、心筋梗塞って、予兆もなく突然死するものなのでしょうか。

高校教師は悪政治によって、雑用に追い回され、肝心の教育に集中できないと、嘆いていましたが、過労なども原因になるのでしょうか。

予兆、防止について教えてください。

高校教師は教え子に大勢居ますから注意して上げたいですので。」

 当方の拙速的返信。

はい。心筋梗塞による突然死はよく知られています。

心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈は3本ありますが、血管の幹に当たる部分と、血液を大動脈に送り出す心臓の左側の広い範囲を養っている、左前枝と呼ばれる血管が詰まると、ほとんど突発的に死を招くことになるようです。

同じように冠動脈が狭くなって血液の流れが悪くなる「虚血性心疾患」にも、差し迫った危険性のあるもの(急性冠症候群=ACSといいます)と、そうではないものとがあるわけです。

「予兆」ですが、狭心症の発作(胸しめつけられるような痛み)が生じることがあるようです。

そうした狭心痛がすぐ消失しても安心せず受診すべきです。

「防止」については、虚血性心疾患は心電図や超音波検査でわかるので、健診で異常を指摘されたら、心臓の専門医を受診し、ACSかそうではないか、見分けてもらうことが重要と思います。

一般的な虚血性心疾患とACSとでは治療法が違います。

ACSの危険因子のワーストスリーは高血圧、喫煙、糖尿病なので、それを防ぐ生活習慣(適正な食生活、禁煙、運動、休養)がまず大切だろうと思います。

突然死の原因の大半は心筋梗塞と脳卒中ですが、その背景には多くの場合、過労があるといわれています。

過労死は正式な病名ではありまぜんが、いまでは「KAROSHI」として外国でも通用し、

『広辞苑』にも第四版から収載されていて、

「過度な仕事が原因の労働者の死亡。1880年代後半から一般化した語」とあります。

過労死を防ぐために勤労者本人ができることは、疲れたら休む、特に睡眠を十分とる、この一事につきるのではないか。

過労死すなわち睡眠不足(欠乏)死というのが、小生、多年の素人意見です。

急ぎ、お返事まで。
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握力と寿命 [医学・医療・雑感小文]

 人間は二本足で立って生活するようになってから、手を使い、手を動かすことで脳を刺激し、脳の発達を促してきた。

 350万年前に二足歩行を始めたアフリカ猿人の脳の重さは推定450グラムだが、現代人のそれは1400グラムだ。

 日常、手をよく使うと、脳の働きがよくなるだけではなく、寿命を延ばす効果もあると内外の研究者が報告している。

 70歳以上の高齢者を対象に老化の総合的研究を続けている東京都老人総合研究所によると、男女とも握力の弱い人たちは死亡率が高く、握力の強い人は長生きする傾向が認められるという。

 文部科学省の「年齢別平均握力」表を見ると、20代前半から30代後半までが最も高く、男は48キロ台、女は28キロ台台だ。

 60代になると男40キロ台、女25キロ台、70代前半は男36キロ台台、女23キロ台台、70代後半は男34キロ台、女22キロ台と年とともに下がっていく。

「高齢になってからでも握力を強くすることはできる。

 握力を強くすることによって元気な余命を延ばすことができるのでは──」と専門家は話している。

グーパー運動

 握力は体力の指標だから、握力の強い人が元気なのは当然だが、握力を強くすると、なぜ寿命が延びるのか?

 説明は難しいが、物を強く握ろうとするときの意志の力が脳の働きを活発にするのではないか。

 また、腕に筋力をつけるのは、脳の力を向上させることにもなるのではないか、と専門家は話している。

 握力を強くするには、強く瞬間的に物を握りしめる練習を繰り返すとよい。

 木刀や竹刀の素振り、鉄棒、ダンベル...なんでもけっこうだが、手っ取り早いのは、指の握り開きだ。

 5本の指に力をこめてパッと目いっぱい開き、それから思い切り強くギュッと握りしめる。
 この「グーパー運動」を20回ぐらい毎日思いつくたびにやる。

 テレビを見ながらでもいいし、歩きながらやってもいい。

 小欄がこれを始めたのは8年前(77歳)の入院中で、そのときの握力は右32.0キロ、左31.1キロだった。

 以来、日常習慣的につづけてきた。

 ことし10月の「長寿!」健診の握力測定では35.3キロ、左34.8キロ。

 看護師さんに「ホウ!」と感心してもらった。
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猫とトキソプラズマ [医学・医療・雑感小文]

 尻なめた舌でわが口なめる猫 好意謝するに余りあれども    寒川猫持
 
 寒川氏は「歌人・目医者」で「猫持」はむろん筆名。

 軽妙な筆致のエッセイ集が何冊もある。

「犬と違って、猫が飼い主をなめるのは余程のことである。

 アイ・ラブ・ユーの印である。

 なるべく黙ってなめてもらうことにしているが、尻をなめた舌で口を、となると話は別である。

 猫のウンチにはトキソプラズマという原虫がいる。

 そんなものを口移しされたのではたまらない」と、猫持先生。

 トキソプラズマは、哺乳類や鳥類に寄生する原虫。

 最終的に(「終宿主」という)ネコの体内で生殖し、糞便中にオーシスト<胞嚢体(ほうのうたい)>というタマゴみたいなモノが出てくる。

 また、ブタやヒツジなどの筋肉の中にはオーシストを膜状の袋<包嚢(ほうのう)>でくるんだシスト<嚢子(のうし)>が寄生している。

 人間には多くのばあい猫糞(ねこばば)の中のオーシストや、豚肉などの中のシストから感染する。

 人間にうつったトキソプラズマは、普通は何の症状も現れない(不顕性感染という)が、まれに発病すると発熱、発疹(しん)、リンパ節炎(ぐりぐり)、肺炎、脳炎、脈絡網膜炎(目の病気)などを起こす。

 妊娠中の女性が初めて感染すると、胎児にも感染して、流産や死産をひき起こし、これを免れたばあいでも水頭症、小頭症、脈絡網膜炎などの赤ちゃんが生まれる(先天性トキソプラズマ症)。

 矢野明彦・千葉大学医学部教授(寄生虫学)の調査によると、過去3年間に全国で19人の新生児がトキソプラズマに感染し、9人が水頭症などにかかり、うち2人が死亡、残りの7人も重い障害が残った。

 ほかの10人は妊娠中の検査でトキソプラズマの感染がわかり、治療するなどして新生児の発症はなかった。

 成人のトキソプラズマ症同様、この先天性トキソプラズマ症も、以前はめったにみられない病気だったのだが、近年ややふえているのは、日本人にはびこっている「超清潔症候群」のせいだと、『笑うカイチュウ』などの著者、東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授(寄生虫学)は言っている。

「トキソプラズマは、ネコの便から感染するというので、ネコが悪者扱いされているが、感染経路はネコよりもむしろ加熱の不十分な豚肉のほうが多い。

 それにしても感染率は下がっているし、仮に感染してもどうってことはない。

 問題は、妊婦が妊娠中に初めて感染すると、母親は大丈夫だけど胎児に感染して、新生児に重大な影響が出ることです。

 子どものうちにかかっていたら何でもない病気なのに、感染率が下がってくると、妊婦が初めて感染する率はそれだけ上がる。

 感染率が下がったぶん、逆に胎児に行く発症率はふえている、という妙な時代になっている。

 猫の糞(ふん)なんかこわがらないで、妊娠年齢になる前にうつっといたほうがいいんですよ」と、藤田紘一郎教授。

 近年、トキソプラズマ症がややふえている理由は、ペットブームのせいではないか、と矢野教授は指摘している。

「飼い猫のフンなどに含まれたトキソプラズマがソファーなどに付着、空気中に舞い上がったものが口から入ることが考えられる」そうだ。

 なお、猫から人にうつる感染症猫から人にうつる感染症としては、他にパスツレラ症、猫ひっかき病などがある。

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酒と認知症 [医学・医療・雑感小文]

遅咲きの梅と早咲きの桃の共演に間なしに桜の開花が始まる。

そこへもってきて、

ともかくも 卒業したる めでたさよ 富安風生

「コノサカヅキヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミツガシテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

『サヨナラ』ダケガ人生ダ」

(井伏鱒二「厄除け詩集 勧酒」)

というわけで、飲もう、飲もう、飲むべし、

三月や酒進むこと進むこと  稲畑廣太郎

てな、折も折、新聞の「海外短信」でこんな記事を読んだ。

「慢性的な大量飲酒、認知症との関連が明らかに」

慢性的な大量飲酒は、あらゆる種類の認知症、特に早期発症型の認知症の主要な危険因子であることが、公衆衛生に関する専門誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に発表された研究論文で明らかになった。

研究者らがフランスの早期発症型認知症の5万7000件以上の症例を調査した結果、半分を優に超える数がアルコール関連、またはアルコール乱用の診断が追加されたものであることが判明した。

全体として、アルコール摂取障害は、あらゆる種類の認知症でリスクが3倍高くなることに関連づけられた。

従来の研究では、認知機能に対するアルコールの影響については結論が出ていなかった。

一部の研究では、少量から中量の飲酒には利点がある可能性を示しているが、他の研究では、大量飲酒は認知症のリスクを上昇させると結論づけている。

世界保健機関(WHO)は「慢性過剰飲酒」の定義として、男性で基準量の6杯かそれ以上である1日当たり純アルコール60グラム以上(アルコールドリンク約6杯以上に相当)、女性で40グラム以上としている。

今回の調査では、研究者らは2008年から2013年に認知症と診断されたフランスの成人100万人以上の医療記録を精査した。

結果、アルコールとの関連が統計学的に明白であることが示されたため、論文著者は検査の実施や大量飲酒への介入、アルコール依存症治療などを提案している。

これまでの研究でも、大量飲酒や喫煙と、うつ病、学歴の低さは、認知症の危険因子としての関連性が確立されている。

今回の研究は、フランス全土の病院の6年間にわたる患者の退院記録に基づいたもので、稀な認知症と関連する疾病の患者や若年の精神障害の人々は対象者から除外されている。
 
研究論文の主著者Michael Schwarzinger氏は、

「認知症の原因としてのアルコール摂取障害が負う割合は、これまで考えられていたよりずっと大きい。

認知症とアルコール使用障害との関連については引き続き検証する必要があるが、アルコールが脳の構造や機能に永続的なダメージを与えた結果ではないか」と考察。

さらに、アルコール使用障害によってリスクが高まるとされている高血圧や糖尿病、脳卒中、心房細動、心不全は血管性認知症のリスクを上昇させる可能性もあること、多量飲酒者に多くみられる喫煙や抑うつ、低学歴も認知症のリスク因子であることを指摘している。

その上で、「アルコール使用障害に起因した認知症は予想以上に多い。

したがって、多量飲酒が全ての型の認知症の主要なリスク因子であることを認識しておく必要がある」と強調。

アルコール飲料を入手しにくくするほか、増税や広告および販売への規制といった対策を講じるとともに、アルコール使用障害の早期発見と早期治療を推し進める必要性を訴えている。

英エクセター大学医学部Clive Balland教授は、

「極めて重要な研究結果」と高く評価。

「今回の研究では、アルコール使用障害、そしておそらくは飲酒が認知症を予防する上で修正可能なリスク因子であることが示された。

このエビデンスは極めて強固なものだ。われわれは、アルコール使用障害や飲酒は認知症に関連するという明確なメッセージを人々に伝え、対策を進める必要がある」と訴えている

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ゴルフと心臓 [医学・医療・雑感小文]

 ゴルフ場で心臓発作を起こして倒れたという話を聞くことが、ままある。

 スポーツ中の突然死をまとめた統計を見ても、若い人ではランニング、水泳、サッカーなどが上位を占めているが、40~65歳ではゴルフが1位、65歳以上では1位がゲートボールで、2位がゴルフだ。

 中高年者には競走、競泳、サッカーといった激しい運動をする人は少なくなるので、そのほうの事故はへるのだろう。

 それはわかるのだが、ゴルフやゲートボールのようないわばスタティック(静的)なスポーツで致命的な事故を招くことになるのは、なぜだろう。

 最大の原因は、たぶん精神的緊張だろう。

 その証拠にゴルフ場での突然死はほとんどグリーンで起きている。

 ここ一番というパットのプレッシャーが、血圧を押し上げ、心臓の血管を収縮させて、心臓発作の引き金を引くことになるのだろう。

 心筋梗塞や狭心症の発作が最も多く発症するのは、寒冷刺激によって、血管が収縮し、血圧が上がる冬だが、冬に次いで多いのは夏だ。

 夏場は、大汗をかいたとき、水分を補給しないと、脱水が生じ、血液が粘っこくなる。

 そのため、血液の流れが悪くなり、血栓ができ、血管が詰まりやすくもなるのだろう。

 コースへ出る前、プレイ中、水分の適切な補給を──。

 もっとも、グリーンで倒れたからといってすべて心臓発作とは限らない。

 脳卒中のこともあるだろうし、夏場だと熱中症のこともある。

 心臓発作でも、狭心症は、グリーンよりもむしろ坂道などを歩いているときに起きることが多いようだ。

 過去に狭心症の発作を経験している人は、ニトログリセリンの錠剤を携帯しているはずだから、腰を下ろし、ニトロを舌下にふくめば、ほどなく症状は落ち着く。

 初めての発作だったが、パートナーが持っていたニトロで助けられたという例も少なくないようだ。

 意識がしっかりしている場合の対応はそれでよい(むろん、プレイは中止する)が、問題はパッタリ倒れて、意識を失った場合だ。

 このとき、パートナーがまず行わねばならないのは、呼吸と脈の確認だ。

 1 鼻と口に手のひらを当て、吐く息が感じられるかどうかを調べる。

 吐く息が感じられない場合、舌根が沈下して気道をふさいでいるのだ。

 2 人差し指と中指をあごの先に当て、もう一方の手を額に当て、あご先を持ち上げるようにしながら、額を静かに押し下げるようにして、頭を後ろに反らせる。

 3 人差し指と中指を頸動脈に当て、脈がふれているかどうか確かめる。

 呼吸と脈拍が確認できたら、安静にして救急車を待つ。

 4 呼吸と脈拍が確認できなかったら、大声を上げて、AED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらおう。

 5 AEDがくるまで心臓マッサージ(胸骨圧迫)を休まずに行う。

 6 心臓マッサージのやり方=倒れている人の胸の真ん中(乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中)に手のかかとの部分を重ねてのせ、肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が4~5センチ程度沈むまで)押す。

 7 AEDには、だれでも使えるように音声のガイドと図がついていて、自動的に心臓の状態をチェックし、使わなくてもいい場合は、器械は動かない。

 使用法を間違える心配はない。 ためらわず、使おう。

 こうした事故を招かないため、心臓病の既往歴をもつ人は、なるべく坂道の少ない、慣れたゴルフ場を選び、少しでも体調が悪かったら(不義理を恐れず)コースに出るのをやめることだ。

 なお、ニトロには「使用期限」がある。

 期限を過ぎた薬や、期限内でも錠剤をむきだしにしていると、成分が揮発して薬効が薄れてしまう(舌先でなめてみてピリッとこなかったら薬効が薄れた証拠)。

 シートなどに明示された使用期限を確かめて、いつも新しい薬を携帯するようにしよう。
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食塩による昇圧は、他の栄養素で相殺されない [医学・医療・雑感小文]

栄養と血圧に関する国際共同研究

 米ノースウェスタン大の研究チームは、1990年代末の3年間、4カ国17集団の成人4,680例を対象に実施された「栄養と血圧に関する国際共同研究」のデータを解析した。

 結果、食事によるナトリウム(Na)摂取が血圧に及ぼす悪影響は、血圧にとって好ましい他の栄養素を摂取しても相殺されない可能性があると、学会紀要誌「Hypertension(高血圧)」に発表した。

 アルコール摂取など、栄養素以外の交絡因子(調べようとする要因以外で病気の発生に影響を与えるもの)を調整した分析では、24時間尿中Na排泄量が上昇した。

 このNaと血圧の有意な関連は80種類の栄養素を個別に調整したモデルでも維持された。

 Naと血圧の関連が他の主要栄養素または微量栄養素の任意の組み合わせによって大きく変化しないことが示唆された。

 また、栄養素以外の交絡因子を調整した血圧とNa/K(カリウム)比の関連を分析した結果、Na/K比と血圧の有意な関連は80種類の栄養素を個別に調整したモデルでも維持された。

 Na/K比と血圧の関連はBMIを調整後も変化しなかった。

 BMI(Body Mass Index=ボディマス指数)=体重と身長の関係から算出されるヒトの肥満度を表す体格指数。

 正常体重(BMI 25未満、1,666例)、過体重(BMI 25以上30未満、1,861例)、肥満(BMI 30以上、1,073例)の3群に分類した分析では、Na摂取量の増加によりSBP(systolic blood pressure= 収縮期血圧)が正常体重群で1.7mmHg上昇、肥満群で2.1mmHg上昇と有意な関連が認められた。

 食品業界による加工食品の減塩努力が不可欠
 
 このようなNa摂取およびNa/K比と血圧との直接的な関連は性、年齢、人種、社会経済的地位を問わず認められた。

 研究チームのリーダーは、
「Na摂取およびNa/K比が血圧に及ぼす悪影響が確認された。

 その他の主要栄養素および微量栄養素(血圧に影響するものを含む)はこの悪影響を相殺する効果が非常に小さいことが示された」と結論。

「米国をはじめ多くの国におけるNa摂取源の大部分は市販の加工食品なので、高血圧の予防と管理のためには食品業界が商品の大幅な減塩に取り組むことが不可欠である」と付言している。
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身長VS脳卒中、その関係は? [医学・医療・雑感小文]

 子供のとき背が低いと脳卒中リスク高?

 小児期に身長が低かった人は、成人してから脳梗塞や脳出血といった脳卒中を発症するリスクが高い可能性があることが、ビスペビア・フレデリクスベア病院(デンマーク)臨床研究・予防センター、Jennifer Lyn Baker准教授らによる研究から明らかになった。

 研究結果は「Stroke」2月15日オンライン版に掲載された。

 Baker氏らは、1930~1989年に出生したデンマーク人31万1009人を対象に、7~13歳時に測定された身長と成人期の脳梗塞および脳出血との関連について検討した。

 このうち成人期に脳梗塞と診断されたのは1万412人、脳出血と診断されたのは2546人だった。

 解析の結果、男女いずれにおいても7歳時の身長が高いほど脳梗塞のリスクが低下するという負の関連が認められ、7歳時の身長が平均レベルだった人と比べ、平均よりも約5cm高かった人では脳梗塞リスクが約10%低かった。

 一方、脳出血については男性のみにおいて同様の関連が認められ、男性では7歳時の身長が平均レベルだった人と比べ、平均よりも約5cm高かった人で脳出血リスクが約11%低いことが分かった。

 7歳時だけでなく8~13歳のいずれの時点でも身長の低さと脳卒中リスクとの間に同様の関連が認められたとしている。

 Baker准教授は、

「小児期に身長が低いことは脳卒中リスクの高さを示すシグナルと考えられる」とした上で、

「この研究結果を知ることで、身長以外の修正可能な脳卒中のリスク因子に対する取り組みの強化につなげてほしい」と話している。

 今回の研究では社会経済的な状況や栄養、感染症、飲酒、喫煙などの因子を考慮してデータが分析されたが、Baker准教授は、

「今回認められた身長と脳卒中リスクとの関連には血圧が関与している可能性がある」との見方を示す。

 これまでに身長が低い人は血圧が高いとの報告があり、高血圧は脳卒中のリスク因子であるためだという。

 ただし、Baker准教授は「この研究は身長の低さと脳卒中に因果関係があることを証明するものではない」としている。

 この研究には関与していない米国心臓協会(AHA)脳卒中部門のスポークスパーソンであるE. Steve Roach氏も、

「研究の規模が大きく追跡期間も長い点は印象的だ」とした上で、

「この研究結果は慎重に受け止める必要がある」と強調。

「身長には遺伝や環境、思春期の開始時期など多数の因子が影響する。

 この知見は脳卒中を詳細に理解する手掛かりとしては重要かもしれないが、身長によって脳卒中リスクを予測することはできない」と説明している。

 米ニューヨーク大学ウィンスロップ病院のShazia Alam氏も、

 「この研究は興味深いものではあるが、現時点では身長の低い患者に(脳卒中リスクについて)警告する必要はない」との考えを示し、

「修正可能なリスク因子を認識しておくことは重要だが、身長による影響がどの程度のものなのかを明らかにするのは難しい。

 脳卒中リスクには身長そのものよりも、小児に影響するさまざまな因子が関与している可能性が高い」と話している。
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がんはいい病気 [雑感小文]

 国立病院機構九州がんセンター名誉院長で、日本尊厳死協会九州支部長でもある大田満夫先生の『私は、がんで死にたい』(社会思想社)という本を読んだ。

 人はみな、いつかは必ず死ぬ。

 これほど確かな事実はない。

 同じ死ぬなら、最期を自分の意思通りに生きて死にたい。

 それには、がんは決して悪くない。

 むしろがんで死ぬほうがいい――と大田先生は言っていられる。

 昔は、「がん=死」であり、しかも苦しんで死ぬ病気だった。

 いまはそうではない。

 早期がんは治るし、前立腺がんの5年生存率は92%、乳がんや子宮がんも80%を超え、胃や腸のがんでも50%以上だ。

 大半の人が少なくとも5年間の生命を保証されているわけだ。

 進行度を正確に測り、余命を推定できる。

 自分に残された時間を計画的に過ごせる。

 苦痛はモルヒネなどの内服でほぼ100%抑えられる。

 中毒症状や意識障害もない。

「この疼痛対策はWHO(世界保健機関)の協力で急速に浸透しています。

 これをしないのは医者の怠慢です」

 大田先生は、そう言い切っておられる。

 80歳以上の半数はがんの芽をもっている。

 がんを「天寿」と考えてうまく付き合っていこう。

 拙者ことマルヤマも現役のがん患者。

 がんが発覚したのが、1999年秋だから、足かけ2世紀!にわたって、がんと楽しくつき合っている。

 その一部始終は拙著『「がん」はいい病気』(マキノ出版刊)に書いた。
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爪のデコボコ、なぜ? [医学・医療・雑感小文]

爪のデコボコは何かのサイン? 爪からわかる健康状態

爪は健康のバロメーターともいわれます。

爪のさまざまな状態が、身体の不調や何らかの病気のサインを示しているという意味です。

なかでも、爪の表面にできる凸凹(でこぼこ)が気になる…という方は多いのではないでしょうか。

「爪」の凸凹に着目して、健康状態との関係を見ていきましょう。

爪の構造

爪は「皮膚付属器」といって皮膚の一部です。

表皮の一部が変化したものは「毛」となり、表皮の角質が板状になって「爪」になります。

私たちが通常「爪」と認識している部分は、専門的には「爪甲(そうこう)」あるいは「爪体(そうたい)」と呼びます。

また、爪の根元で爪甲をつくり出す部分を「爪母(そうぼ)」、その一部で付け根にある乳白色の三日月形の部分を「爪半月(そうはんげつ)」と呼んでいます。

爪と健康

爪の色や形状などに、健康状態や病気のサインが現れることがあります。

たとえば、白っぽい爪は貧血、青っぽい爪は心臓や肝臓の障害が疑われるといいます。

また、上向きに反り返っている爪は脊髄疾患、反対にくちばしのような形状の爪は糖尿病の心配があるそうです。

さらに、加齢によって増える縦線は、胃腸の働きの衰えや吸収力が弱まっていることを表しています。

爪の下部には毛細血管が集中していて、この部分が血液循環の折り返し点になっています。

ですから、爪は血液の健康状態を反映しやすく、健康のバロメーターなどといわれるのでしょう。

爪の凸凹

爪の凸凹からはどのようなサインが読み取れるのでしょうか。

何かに強くぶつかる、挟む、などしていないのに、爪に「へこみ」ができた場合は、身体に何らかの問題が生じている可能性があります。

爪甲縦溝

タテのへこみは「爪甲縦溝(そうこうじゅうこう)」、ヨコのへこみは「爪甲横溝(そうこうおうこう)」といいます。

爪甲縦溝のたいていの原因は、人が誰しも通過する加齢(老化)によるものです。

いわば「肌荒れ」と同じような状態で、新陳代謝が落ちて水分が不足するため爪の表面に縦線上の凸凹ができます。

胃腸の働きが衰えて爪まで栄養が行きわたらない、また、爪の乾燥によっても起こります。

こうした変化は、一般的には30代あたりから見られます。

もし、10代や20代で爪甲縦溝がでている場合、食生活の乱れによる栄養不足、睡眠不足、ストレスなどが疑われます。

爪甲横溝

爪にヨコの凸凹ができた場合は、身体に何らかの異常がある可能性を示しています。

爪の成長のもとになる「爪母」に障害が起こったか、もしくは、何らかの異常に「爪母」が影響を受け、爪が正常に成長できない状態に陥っていると考えられます。

とくに横溝のできた位置が爪の根元に近いほど、異常が生じてから間もないと判断されます。

皮膚疾患、気管支疾患、神経疾患の可能性があります。

さらに、へこみが深いと血管系のトラブルや糖尿病、亜鉛欠乏症といった病気が疑われます。

ほかにも、服用している薬やダイエットの影響も受けます。

皮膚科や内科の受診をおすすめします。

その他の症状

タテ、ヨコの凸凹のほか、次のような形状に変化することもあります。

・爪異栄養症(そういえいようしょう)

 
波打つような凸凹が複数の爪に現れた状態です。

 
おもな原因は栄養不足や水分不足で、過労やストレスでも現れます。

 
また、円形脱毛症やうつ病の兆候という指摘もありますので、生活習慣の改善、とくに休養が大切です。

・爪甲点状陥凹(そうこうてんじょうかんおう)

 
ポツポツと針を刺したような点状の凸凹が現れます。

原因はストレスといわれています。

また、円形脱毛症になる確率が高い状態であるともいわれています。

なお、いずれも爪乾癬や爪水虫といった爪の病気と見た目が似ています。
 
皮膚科の受診をおすすめします。

 日ごろから爪を健康に保つ

爪は、身体状態の影響を受けやすいデリケートな部位、それだけに、爪自体の健康管理も大切です。

次のような点に留意しましょう。

爪はケラチンからできているため、食生活ではたんぱく質とこれを機能させるビタミンやミネラルを充分に摂る

ストレスが反映されやすいので、ストレス発散に努め、睡眠や休息をおろそかにしない

水分不足を防ぐため充分に保湿する。指マッサージなども行い血行を良くする

余計なダメージを受けないように、爪を切るなどケアを欠かさない

爪の健康状態をみる習慣をつけておくと、何らかの異常の早期発見・対処によって大きな病気を避けられるかもしれません。

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
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急性心不全は病名ではない [医学・医療・雑感小文]

 突然死を招く心臓病、原因と予防
 
 俳優の大杉漣さんの突然の死去にはほんとうに驚いた。

 すぐにはしんじられなかった。

 死因は急性心不全と報道された。

 急性心不全とは、「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻し,心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への灌流不全を来たし,それに基づく症状や徴候が急性に出現,あるいは悪化した病態」(急性心不全治療ガイドライン)と定義されている。

 ひらたく言えば、「心臓が何らかの理由で急激に動かなくなり、循環状態に病的な影響を及ぼす」という状態。

 心臓は全身に血液を送るポンプの役割を果たしているが、そのポンプが故障したために全身に血液を循環させる事ができなくなるわけだ。

 血液には体の機能を維持するための酸素や栄養素が含まれているが、その血液が全身を循環できないという事は死に直結する。

 もっとも厚生労働省報告には、急性心不全という疾患分類はなく、明確な実態や動向は明らかにされていない。

 一つの疾患としての分類には急性心不全は位置づけられておらず、疫学的な調査も本格的にはあまり行われていないようだ。

 急性心不全を起こす原因は、心疾患の三大危険因子と言われる「高血圧・糖尿病・高コレステロール血症や高脂血症などといった脂質代謝異常」から、「風邪などの感染症」、「アルコール」、「ストレス」など非常に多くのものが複合的に絡んでいる。

 もともと不整脈が持病にある人が急性心不全を起こす事も多く、心室細動など致死性不整脈が急性心不全の原因のひとつともなることも多い。

 東京都監察医務院のHPによると、急性心臓死あるいは心臓発作の大半が虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)と報告している。

 虚血性心疾患では安静時や労作時など時を問わず突然意識をなくし倒れ、症状出現後1分以内に命を落とすこともある。

 そうした短時間で心肺停止に陥った場合、ただちに救急搬送しても蘇生することはきわめて困難といわれている。

 もし、目の前で意識不明の状態に陥った人がいた場合、その原因がもし致死性不整脈による急性心不全であれば、すぐさまAED(自動体外式除細動器)を使用することで救命できるかもしれない。

 AEDは動作が自動化されているので、機械が適切に判断し、必要な場合のみ電気ショックを流す仕組み。

 AEDによって助かる命がふえることは確実。

 もし目の前で誰か倒れて「意識がなく」「呼吸がない」場合には、たとえ原因がわからなくてもすぐさまAEDを━。

 日ごろより自分の持ち場のどこにAEDがあるか把握し、的確に救命処置が行えるためにも自治体などが行っている救命講習を受けておきましょう。

 急性心不全は予防できうるか

 基礎疾患や原因が一つとは限らず完全に予防するのは難しい急性心不全だが、その状態に陥るリスクを減らすことはできる。

 急性心不全のリスクを減らすためには

・会社などの定期健康診断は必ず受診する。

・定期的に血圧測定をする(特に30歳以上の人)。

・塩分はできるだけ少なくする。肥満を防ぐ。

・何か症状が出たら医療機関に受診する。

・禁煙。

・ストレスをさける(特に競争心が強い努力家、性急、短気な人)。

・スポーツなどの趣味を適度に生活の中に取り入れ、睡眠を十分に取る。

「おたくま経済新聞」より引用・要約。
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