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あくびの効用 [医学・医療・雑感小文]

 
あくびは無意識の深呼吸

呼吸によって、空気の中の酸素を体に取り込み、体内で生じた炭酸ガスを吐き出す作業を「ガス交換」という。

この生体の換気作業を行っているのが、肺の中の肺胞だ。

肺胞は、健康な成人では両肺で約3億個もあるが、普通に呼吸しているときは、肺が完全にはふくらまないため、3億個の肺胞の約20%は十分に開かず、つぶれたままになっている。

その分、取り込まれる酸素の量は少なくなるわけで、そんな状態が長く続いていると、動脈の血液の中の酸素の割合(酸素分圧という)が下がってくる。

20代前半くらいまでの健康な青年の酸素分圧はほぼ100トルだが、年をとるにつれて次第に下がってきて、60代では70トルを切るようになる(トルは圧力の単位)。

酸素分圧の低い血液が全身を回っていると、当然、脳細胞をはじめ、あらゆる内臓の細胞は100%の活動ができない。

頭が疲れたときに出るあくびには、つぶれた肺胞を開き、酸素の取り込みを増やす働きがある。

脳の酸欠を救う、無意識の深呼吸なのだ。

ああ~、おっと失礼しました。
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