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高村光太郎の「歩け、歩け」 [医療小文]

寒くなく暑くなく、戸外を歩くには絶好の季節だ。

ウォーキングは気軽にできる運動不足解消法─というより最上の健康法だ。

天気のいい休日には家族そろって風薫る緑の山野を歩き、小鳥のさえずりに耳を傾け、林に座って日の光におどる若葉を見上げてみよう。

家でゴロ寝をして疲れをいやすのもよいが、山野を歩いて疲れをとる方法もある。

長年、いろいろな病気の専門医に取材して記事をつくってきたが、本題の話がおわったあと、先生ご自身の健康法をたずねると、ほとんどの医師が異口同音に「歩くこと」と答える。

なかにはビルの10階くらいまではエレベーターには乗らない、と豪語した先生もおられる。

新聞でこんな記事を読んだ。

週に2、3回、「ゆっくりまたは平均的」ペースで1~2時間、ジョギングする習慣がある人は、そうでない人に比べて、寿命が男性で6.2年、女性で6.9年、延びた。

そんな調査結果を、デンマークの研究チームが、欧州心臓学会で発表した。

発表したピーター・シュノール医師は、

「ほどほどにジョギングする人の死亡率は、習慣がない人や走り過ぎる人より低く、飲酒量と死亡率の関係に似ている」とコメントしている。

コメント中の「ジョギング」は「ウォーキング」と言い換えることができるし、記事の見出し、

「ゆるジョグ」で長生き? の、?はいらない──と思った。

足の老化を防ぐことは、体だけでなく、頭の老化を防ぐ効果もある。

歩いたり走ったりするとき、下半身の骨格筋にある緊張筋がいっせいに収縮して、脳細胞を刺激するからだ。

高齢でも足の丈夫な人は、頭もしっかりしている。

「強い足には冴(さ)えた頭脳が宿る」ということわざもある。

背筋を伸ばし、あごを引いて、一歩、一歩、しっかりと......。

姿勢がいいと若く見える。

歩け歩け歩け歩け
南へ北へ
歩け歩け東へ西へ
歩け歩け道ある道も
歩け歩け道無き道も 
歩け歩け
(「歩くうた」作詞 高村光太郎 作曲 飯田信夫)

昭和16年(1941年)5月にレコード発売された「戦時歌謡」である。
この年12月8日、米英相手の太平洋戦争が始まった。
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