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カラオケの効果 [医療小文]

 ちょっとくさくさすることがあったので、久しぶりにカラオケで歌いまくった。スカッとした。

 近年、音楽のさまざまな医療効果が確認されている。

 ペインクリニック(痛みの治療)にも活用されている。

 オーディオ・アナルムーディア(聴覚鎮痛法)というが、アメリカで行われた実験ではベートーベンやドビュッシー、ワグナーなどの曲が効果的だった。

 しかし、日本人には演歌や民謡がよく効いた人が多く、なかでも鎮痛効果の大きかったのは石川さゆりの歌う『津軽海峡冬景色』だった。

 これはよく知られている話だが、もっと効果があるのは自分で歌うことだと専門家は言っている。

 大きな声で歌うと、脳の中でモルヒネ様の物質、エンドルフィンがふえて、痛みを鎮める作用をするという。

  〃ランナーズ・ハイ〃と呼ばれるジョギング中に起こる恍惚(こうこつ)感も、そのとき脳内でエンドルフィンがふえているためだ。

 カラオケのマイクを握りしめ、自分の声にうっとりしている人の脳の中でもこの陶酔物質が盛んに分泌されているに違いない。

 それはストレス解消の絶大な効果をもたらしてくれるだろう。

 が、一つ問題な点は、それが、ときに(しばしば!?)他人のストレスの原因になりがちだということだ。
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パニック障害 [医学・医療・雑感小文]

 若い友人(38歳。会社員)が「パニック障害」にとりつかれた。

 6月初旬のある朝、出社のため乗った地下鉄の三つ目の駅で、ドアが閉まったとたん、わけもなく奇妙な不安感に襲われた。

 いまにも窒息しそうなほど息苦しく、鼓動が激しくなり、あぶら汗が噴き出て、足が震え、満員の電車の床に座り込んでしまった。

 次の駅でふらふらと下車。
 
 受診した病院で「パニック・ディスオーダー(パニック障害)」と診断された。

 2週間おきの通院治療が効を奏し、8月以降、発作は起きてない。

 パニック障害は、以前は不安神経症の一種とされていたが、1992年、独立した疾患として、WHO(世界保健機関)の「国際疾病分類」に登録された。比較的新顔の病気だ。

 当時は医療関係者にもまだあまりよく知られてなく、病名がわからぬまま病院をわたり歩く人が多かったようだ。

 近年は一般的な認知度が高まり、患者の会もできている。

 検査をしても、身体的には何の異常も認められず、心の病気とされているが、最近は脳機能障害としてとらえる考えもある。

 ただ、症状の多くが自覚的なものなので、周囲の人から「気の持ちよう」「心がけのせい」などといわれ、本人も落ち込んでうつ状態になったり、初期治療が適切でなかったため、病気が慢性化する例もあるようだ。

 なるべく早く専門医(精神神経科、心療内科など)を受診すべきだ。

 ある種の抗うつ薬と抗不安薬がよく効くといわれている。
  
 この病気を自己診断するためのチェックリストがある。

 ①突然、理由もなく、強い不安に襲われる。

 ②その際、以下のうち4項目以上の症状が出る。

  ●心臓がドキドキする、脈が速くなる。
  ●息切れ、息苦しさ、ハーハー息をする。
  ●息が詰まり、窒息しそうになる。
  ●胸(心臓)が痛い、苦しい、圧迫される。
  ●めまい、ふらふらする、頭がボーッとする、気が遠くなる。
  ●手足や体のふるえ。
  ●発汗。顔や体がカーッと熱くなる、手足が冷たくなる、寒気がする。
  ●吐き気、腹部の不快感。
  ●自分が自分でないような感じ、現実感がない。
  ●今にも死んでしまうのではないかと思う。
  ●気が変になるのではないか、何かとんでもないことをしてしまうのではないかと思う。

 ③発作は4週間に4回以上起こる。

 または、1回起きたあと、また起こるのではないかと恐れる状態が1ヵ月以上続く。

 ④心臓その他、体の病気が原因ではない。

 以上4項目のすべてに該当すれば、パニック障害が疑われる。

 NPO法人 全国パニック障害の会のホームページ(http://www.jpdc.or.jp)を開くと、医療機関の案内その他、親切な助言が得られる。
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水虫VSにせ水虫 [医療小文]

 水虫の季節だ。

 けれども、このさい、はっきり知っておいてほしいのは、足(ときには手)に小さな水ぶくれができて薄皮がむけるからといって、その全部が水虫とは限らないということだ。

 ことに足裏にできたものは、だれでもすぐ水虫と考えがちだが、そんなことはない。

 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、汗疱(かんぽう)、接触性皮膚炎その他の皮膚病のこともある。

 こうした「にせ水虫」を水虫と思い込み、自己診断で水虫の薬を使うと、病気が治らないばかりか、かえって症状が悪化することも多い。

 水虫らしいと思っても、水ぶくれをつぶしたり、乾いた皮膚をむしりとったりせず、自然な状態のままでなるべく早く皮膚科医に診てもらおう。

 皮膚科医は、その水ぶくれや皮膚(角質)を取り、顕微鏡で原因菌を調べるのだが、このとき、水虫の薬をつけていると、仮に水虫であっても原因菌の発育が阻止されて正確な診断ができないこともある。

 水虫の正体は、カビの一種の白癬(はくせん)菌だ。

 水虫の足からはがれ落ちた乾いた皮膚の中には、白癬菌が巣くっている。

 屋内のあちこちに散らばったその水虫カビが別の人の足にくっつき、水虫をつくる。

 もっとも、カビがくっついたからといって、だれでも、いつでも、水虫になるわけではない。

 カビが繁殖するには高温多湿の環境が必要だ。

 むれて、じめじめした状態が長く続いたとき、はじめて白癬菌はそこに根づき、水虫が発症する。

 何日も風呂に入らなかったり、同じ靴下をはき続けると水虫の発症率はぐんと高くなる。

 頑固な水虫もちの夫と何年も一緒に暮らしていても平気だったのに、パート勤めを始めたら水虫ができたという女性の例がある。

 それまではいくら白癬菌がくっついても根づくことはなかったのだが、長時間、靴をはき続ける生活を始めたために白癬菌感染の条件が整ったというわけだ。

 水虫の人は、正しい治療を受けるのとともに、水虫菌をまき散らさないよう気をつけなければいけない。

 皮膚面から浮いた皮膚ははさみで切り取るか、入浴中に軽石などでこすり取るとよい。

 昔は水虫に効く薬がなかったので、「水虫の特効薬を発明したらノーベル賞だ」といわれた。

 今はノーベル賞クラスのよく効く水虫薬がいくつもある。

 薬を塗って、症状がおさまっても、完全に治りきるまで薬を塗り続けること。

 中途半端だと、来年の夏、再発する。
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PSAをしのぐ前立腺がんマーカー [医療小文]

PSAのがん特異性を凌駕する検査法を開発

前立腺がん。

いま、世界中で急増中の高齢者のがん。

生存率の最も長いがん。

したがって患者数の最も多いがん。

PSA(前立腺特異抗原)値は、その前立腺がんの腫瘍マーカー。

高血圧患者の血圧ように、糖尿病患者の血糖値、のように、前立腺患者にとって切っても切れない検査値である。

それだけにいろいろと問題も指摘もされている。

最近配信の医学専門紙『Medical Tribune』で以下のような記事を読んだ。

前立腺がんに特異的な糖鎖構造変化を伴うPSAの定量化に成功

前立腺がんでは、前立腺特異抗原(PSA)検査に基づく過剰な診断や治療が問題となっており、これらを是正する新たなバイオマーカーが求められている。

そのような中、PSA分子上の糖鎖構造変化に着目した研究が進められている。

弘前大学泌尿器科学講座の米山徹氏、同講座教授の大山力氏らの研究グループが、PSA糖鎖修飾異性体による前立腺がん診断の有効性について、第2回Liquid Biopsy(液体生検)研究会(1月20日)で報告した。

PSA分子上の糖鎖の違いを高感度に定量するPSA-Gi検査法を開発 

前立腺組織に特異的な糖蛋白質であるPSAの血清濃度を測定するPSA検査の導入により、前立腺がんの早期診断が可能となった。

しかし、血清PSA値が4.0~10ng/mLのグレーゾーンと呼ばれる濃度域での偽陽性例が非常に多く、過剰診断による不要な生検の施行や医療費の増加が問題となっている。

また前立腺がんでは、積極的な治療が不要な症例は少なくないが、PSA検査ではその評価ができないため、本来は監視療法の対象となる症例への過剰治療も問題となっている。

これらのことから、前立腺がんにより特異的かつ術前に悪性度の予測が可能なバイオマーカーが求められている。

そこで米山氏らは、これらの課題を解決するためにPSAのがん性糖鎖変異に注目し、研究を進めているという。

PSAは、分子当たり1本のN型糖鎖による修飾を受けている。

正常血清と前立腺がん患者の血清中のPSAでは、その糖鎖構造が大きく異なることが明らかになっている。

同氏らは、この糖鎖の違いを高感度に定量化できるPSA糖鎖修飾異性体(PSA-Gi)検査法を開発した。

同法では、糖鎖と親和性が高いレクチンを利用し、血清中のPSA-GiのLacdiNAc構造に特異的に反応するレクチンであるノダフジレクチンと抗PSA抗体でPSA-Giを捕らえる「レクチン-抗PSA抗体サンドイッチアッセイ法」により、PSA-Giを高感度に定量化できる。

レクチンと糖鎖の親和性は、各レクチン特有の反応温度に依存しているため、現在汎用されている臨床検査装置では特異的な高感度検出が困難であった。

PSA-Gi検査法では、表面プラズモン励起増強蛍光分光法を基盤とした超高感度自動免疫測定装置(コニカミノルタ社試作)を用いることで、PSA-Giの高感度検出(最小検出感度10pg/mL)に成功した。

約40%の針生検を回避

米山氏らが同検査法を用いて、2008~17年に同大学病院泌尿器科を受診した前立腺肥大症および前立腺がん患者528例の生検時血清からPSA-Gi値を測定したところ、前立腺がん患者の血清で有意に高値を示した。

次にROC解析を行ったところ、現在広く用いられている総PSA(total PSA)検査や遊離型/総PSA(F/T)検査による曲線下面積(AUC)をはるかに上回る診断精度を示した。

同氏は「PSA-Gi検査法は、従来法よりも正確に前立腺がんを検出できることが分かった」と報告。

さらに、PSA-Giは既存のPSAより陰性診断率が高く、約40%の針生検を回避できることを示唆した。

今後は超音波、MRIなど他のモダリティーとPSA-Giを組み合わせた検査法の有用性についても検討を進めるという。

悪性度が高い前立腺がんの術前予測も可能

さらに米山氏らは、病理組織学的な悪性度(グリソンスコア;GS)の指標とPSA-Giとの関連についても検討。悪性度が高くなるほどPSA-Gi値が高くなることも明らかとなった。

PSA-Giの前立腺生検GS7以上のがんの予測に関するROC解析では、GS7以上の悪性度が高い前立腺がんを術前に予測できる可能性が示唆された。

また間接的比較ではあるが、PSA-Giはシングルマーカーとして、既に米食品医薬品局(FDA)がPSA以外の前立腺がんのマーカーとして承認している血清検査であるProstate Health Index(PHI)、および前立腺がん遺伝子3と同等のがん特異度、陰性診断率を示した。

PSA-Giと臨床危険因子を組み合わせた総合的評価法を確立することで、精度の高い悪性度予測の実現が期待されるという。

同氏は「2020年度までにPSA-Giの上市を目指しており、ハイスループット自動免疫測定装置および測定用試薬の開発を2018年度中に完了させたい。

2019年度には薬事申請に向けて研究会を立ち上げ、複数施設での臨床評価を行う計画である」と展望した。(髙田あや)
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どうぞ!『国産 すっぽん 梅肉黒酢』 [医療小文]

◎血液サラサラ&活力アップ!

「おッ! これはきっと効くゾ!」

 一目、見て、直感した。

『国産 すっぽん 梅肉黒酢』

 この商品名だけでよけいな説明は無用に思われる。説得力満点の名称である。

 1日3粒×31日分=93粒で2800円。価格もリーズナブル。優良商品の模範のような一品ではないか。

 薄っぺらな財布を少しもためらわず開いた。

 早速、毎日・毎食後、1粒ずつ服用。

 そして3日目。

 確かな効果を実感している。

 夜の眠りが深くなった。

 昼の元気度が上がった。

 効果の理由をちょっと考えてみよう。

 まず、すっぽん─。

 すっぽんが強精・強壮食品の"右代表"であるのは、昔からよく知られている。

 東大・薬学部のチームは、すっぽんの体まるごとのフリーズドライ粉末による動物実験を行った。

 マウスにすっぽん粉末を与えると、1日1時間の強制運動(ロープ登り=登上距離4m/分、240m/時)を、10日間連続してやらせてもペースは落ちなかった。

 また、1日1時間・4日連続のストレス&疲労負荷(水上宙吊り=鼻先が水面に接するようにしっぽで吊るす)のあとでも、活発な性活動を示した。

 すっぽんの威力、推して知るべし!

 一方、梅肉黒酢は「血液サラサラ」のチャンピオンである。

 栗原毅・慶応大特任教授が、MC-FAN(血液流動性測定装置)を用いて行った食品の血液流動性効果─つまり血液サラサラ効果ベスト10の1位が黒酢、2位が梅肉エキスだった。

 藤野武彦・元九州大学健康科学センター教授は、黒酢の飲用によって高コレステロール血症が著しく改善された症例を数多く報告している。

 その効果は、黒酢のもつ赤血球変形能を高める作用によるところが大きいという。

 赤血球変形能とは、赤血球が自在に形を変えながら細小血管・毛細血管の中を流れる能力のこと。赤血球変形能が低下すれば当然、血液のスムーズな流れは停滞する。

 MC-FANの開発者、菊池佑二博士らは、梅肉エキスのきわめてすぐれた血流促進作用のもととなる成分を突き止めて、「ムメフラール」と名づけた。

 ムメフラールは梅肉エキスをつくるときの加熱過程で生成される物質なので、青梅や梅干しには含まれていない。

「梅肉黒酢」の効果は、黒酢、梅肉エキス、それぞれの特長が相乗的に発現されるものといえる。

 菊池博士らは、梅肉エキスと黒酢の配合製剤による顕著な血流改善効果を、日本ヘモレオロジー学会で発表している。(ヘモレオロジー=血液流動学。血管内の血液の流れについて研究する学問分野)。

◎深く眠れる理由

 商品といっしょにもらったチラシによれば、「国産 すっぽん 梅肉黒酢」は─、

 国内産すっぽん(ジャポニカ種)を甲羅ごと低温・短時間乾燥し粉末化。

 1匹のすっぽんからごく少量生成されるすっぽんオイルを配合した。「粉末+オイルの相乗パワーが期待できます」という。

 梅肉エキスは、紀州南高梅のみで製造(青梅1kgから20~25gしかとれない)。

 黒酢もろみは、熊本産有機玄米を用い、福岡で300年以上の歴史をもつ蔵元が、伝統的な静置発酵法と職人の技術で造り上げた。

 すなわち「国産 すっぽん 梅肉黒酢」の「国産」は、すっぽん、梅肉、黒酢それぞれにかかって、品質と安心を保証しているわけである。

 チラシの裏面に、日本食品分析センターによる同製品のアミノ酸含有量グラフが掲載されてある。

 多い順にいくつか挙げると、グリシン、ブロリン、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、アラニン、アスパラギン酸、アルギニン...といったところ。

 なかでもグリシンがぐんと突出している

 眠りが深くなった理由がわかった。

 グリシンは、体内の血流をよくし、ヒトの睡眠リズムと密接にかかわる深部体温(体の中心部分の温度)を下げて、深い睡眠を促す"快眠アミノ酸"であるからだ。

 元気と快眠サプリ、ありがとう! ってとこである。

 ネットで「国産すっぽん梅肉黒酢」を検索してみたら、ページの末尾に、

「定期お届け便 1袋2520円 3袋セット2324円×3袋6972円」とあった。

 こんどからそうすべえ。

 詳しくは、

http://www.cymbidium.co.jp/item/suppon.html

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花かぶれ・はぜまけ [医療小文]

 うるわしの五月、はじまる。

 花屋の店頭にいろいろな花の鉢植えが並べられてある。

 その美しいかれんな花たちが、皮膚炎の原因になることがある。

 よく知られている一つは、プリムラ・オブコニカ(西洋桜草)。

 葉や茎から分泌されるプリミンという刺激性の物質が皮膚につくと、人によってはひどくかぶれる。

 チューリップにもかぶれ成分があり、オランダでは栽培者の職業病になっているそうだ。

 花屋の人が、フリージアにかぶれて仕方がないので扱うのをやめたという話もある。

 アロエ、キク、ライラックなどもかぶれを起こしやすい成分を含んでいる。

 ウルシやハゼなど揮発成分のあるものだと、そばを通っただけでもかぶれる人がいる。

 子どものころ、ハゼにかぶれたことがある。

 そのとき、祖母が教えてくれた。

「ウルシにゃ負けても、うぬにゃ負けん!」

 こんど、ハゼの木のそばを通るときは、そうおらんで(叫んで)通ればよい、と。

 以来、"ハゼ負け"はしなくなった。

 ハゼ、ウルシかぶれに暗示の力が強く作用することは、池見酉次郎・九大名誉教授(心身医学)が実験的に証明している。

 ハゼやウルシにひどくかぶれるという高校生13人に目かくしをして、右手(または左手)には、かねて恐れているハゼ(またはウルシ)の葉を、

「これは栗の葉だ」と言ってすりつけた。

 もう一方の手には、無害な栗の葉を、

「これはハゼ(またはウルシ)だ」と告げてすりつけた。

 結果、そのなかの9人が、栗をハゼ(またはウルシ)だといってすりつけた方にだけ皮膚炎が現われ、ハゼ(またはウルシ)を栗だといつわってすりつけた方にはなんの変化もみられなかった。

 残りの4人のなかの2人は両腕ともかぶれた。(池見酉次郎著『心療内科』=中公新書による)

 話を戻すと、花かぶれは、触れさえしなければ大丈夫だ。

 だから最上の予防法は「触らない」こと。

 手入れをするときは手袋をはめ、終わったら手や顔を洗おう。

 かぶれは、医学用語では接触性皮膚炎。

 表皮に対する多種多様な物質の刺激による非アレルギー性、あるいはアレルギー性の変化で起こる。

 非アレルギー性の代表がおむつかぶれ。

 化粧品かぶれや花かぶれは、アレルギー性だ。

 治療はむろん皮膚科──。
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よく眠れば血圧下がる [医療小文]

睡眠の改善は早朝の血圧上昇を抑制

睡眠障害や不眠、夜間のシフト勤務は概日リズムを障害する。

交感神経活動に異常を来し、アルドステロン系や食塩感受性の亢進によってnon-dipper型またはriser型の高血圧を惹起させることで、心血管疾患を引き起こす。

正常人の血圧は、昼間に比べ夜間睡眠中には10~20%低下し、午前3時ごろに最低となったのち、覚醒に先駆け早朝から午前中にかけて上昇する。

この夜間の血圧低下はdipping現象と呼ばれている。

高血圧症の一部には、このdipping現象が認められない症例が存在し、O'Brienらはこれらをnon-dipper型と報告した。

通常、血圧値は昼間よりも夜間(就寝中)に低下し、起床前から起床後にかけて上昇するという変動パターンを示す。

このパターンはdipper(ディッパー)型と呼ばれ、夜間の血圧値は昼間の血圧値に比べて10~20%ほど低くなる。

しかし、血圧の日内変動が異常をきたすと、昼間から夜間の血圧低下率が10%未満しかないnon-dipper(ノン・ディッパー)型、夜間の血圧低下率が20%を超えて極端に下がるextreme dipper(エクストリーム・ディッパー)型、逆に昼間より夜間の血圧値が上昇するriser(ライザー)型というパターンを示す。

Non-dipper型とriser型の人は、正常なパターンの方に比べて脳卒中や心筋梗塞などが起こる危険性、あるいは心臓や腎臓、脳の臓器障害が起こる危険性が高いことがわかっている。

Extreme dipper型では脳卒中が発症する危険性が高いことが知られている。

夜間高血圧をはじめnon-dipper型、riser型の概日リズム障害患者では、降圧治療を受けていても心血管疾患リスクが高いことが分かっている。

自治医科大学循環器内科学部門主任教授の苅尾七臣氏は、オレキシン受容体拮抗薬スボレキサントによる睡眠障害の改善が夜間および早朝高血圧に与える影響を検討し、第82回日本循環器学会で報告した。

スボレキサント(英:Suvorexant)とは、選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬であり、不眠症に対する効能・効果を有する睡眠薬。

スボレキサントによる夜間と早朝の血圧抑制を検討

苅尾氏は、睡眠障害を合併した治療抵抗性夜間高血圧患者に対してスボレキサントを投与したところ、早朝血圧や起床時血圧の低減が図れることを経験。

睡眠中のオレキシン遮断が不十分であることが睡眠障害による夜間高血圧に関与するという仮説を立て、不眠症合併高血圧患者を対象にスボレキサントの有効性を検討するプラセボ対照ランダム化比較試験Super 1 studyを実施した。

対象は、同大学病院および睡眠障害クリニックを受診している不眠症合併高血圧患者〔朝の収縮期血圧(SBP)が135mmHg以上で降圧治療中または外来随時SBP160mmHg未満〕80例。

降圧治療を含む現行の治療は変更せず、プラセボまたはスボレキサント20mg(65歳以上では15mgに減量)を上乗せする群に40例ずつ割り付け、試験開始時と2週後の血圧の変化を検討した。

スボレキサント群とプラセボ群の患者背景に差はなく、年齢はそれぞれ55.9±9.5歳、55.9±9.5歳、男性は72.5%、69.1%、BMIは25.5±4.4、25.9±3.9、夜間平均SBPは137.9±15.9mmHg、140.7±18.1mmHg、夜間平均心拍数は63.0±9.8拍/分、62.8±7.3拍/分であった。

morning surge(朝の大波=早朝高血圧)が急峻な例、睡眠満足度改善例では血圧が低下

夜間平均SBPは、スボレキサント群ではベースライン時の139.1mmHgから2週後137.3mmHgに、プラセボ群では141.3mmHgから136.9mmHgへといずれも若干低下したものの、両群に有意差は認められなかった。

24時間平均SBP、日中のSBPの変化にも両群で有意差はなく、朝のSBPの低下度にも有意差は見られなかった。

また、ベースライン時の夜間平均SBP、夜間SBPのピーク値および最低値について、それぞれベースラインからの変化量と相関を調べたところ、両群ともにベースライン時に高値であった例ほど低下している傾向が見られたものの、両群間に有意差は認められなかった。

一方、朝の平均SBPに関してはスボレキサント群ではベースライン時に高値であった症例ほど低下量が大きく、morning surgeが急峻であった例ほどスボレキサントによる血圧上昇抑制効果が高い可能性が示唆された。

さらに、ベースライン時および2週後に実施した睡眠満足度評価において、スボレキサント群では睡眠満足度の改善幅が大きかった症例ほど、著明な夜間血圧の低下が得られる可能性が示されたという。

以上から苅尾氏は、スボレキサントが夜間睡眠中の交感神経亢進による覚醒反応を抑制することにより、早朝の循環動態への悪影響を軽減する可能性があると述べた。(長谷川愛子)

『Medical Tribune』2018年04月24日配信
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