一茶と啄木 [医学・医療・雑感小文]
耳鳴りの分類
夜の霜しんしん耳は蝉(せみ)の声
遠方に電話の鈴(りん)の鳴るごとく
今日も耳鳴る
かなしき日かな
小林一茶59歳の歳末の一句と、石川啄木の処女歌集『一握の砂』中の一首だ。
一茶は蝉、啄木はベル。
こうした耳鳴りの音質や大きさによって、耳鳴りの原因を知ることができるか?
「耳鳴りを引き起こす可能性のある部位は、外耳から脳までと広範囲で、高血圧、低血圧、糖尿病など全身性の病気やストレスなどで起こることもある。
耳鳴りの特徴だけで耳鳴りの原因を特定することは難しい」
というのが、坂田英治・埼玉医大名誉教授の答え。
おおまかな推定だが─、
1 高音性(キーン、ピーン、カチカチなど、金属音や電子音に似ている高い音の耳鳴り)=内耳や聴神経など感音系の障害が疑われる。
2 低音性(ブーン、ゴー、ボーなど低い音の耳鳴り)=中耳炎など伝音系の障害が原因になることが多い。
3 拍動性(脈と一緒にキンキン、ザーザーと聞こえる耳鳴り)=脳血管障害の一部症状が疑われる─という。
夜の霜しんしん耳は蝉(せみ)の声
遠方に電話の鈴(りん)の鳴るごとく
今日も耳鳴る
かなしき日かな
小林一茶59歳の歳末の一句と、石川啄木の処女歌集『一握の砂』中の一首だ。
一茶は蝉、啄木はベル。
こうした耳鳴りの音質や大きさによって、耳鳴りの原因を知ることができるか?
「耳鳴りを引き起こす可能性のある部位は、外耳から脳までと広範囲で、高血圧、低血圧、糖尿病など全身性の病気やストレスなどで起こることもある。
耳鳴りの特徴だけで耳鳴りの原因を特定することは難しい」
というのが、坂田英治・埼玉医大名誉教授の答え。
おおまかな推定だが─、
1 高音性(キーン、ピーン、カチカチなど、金属音や電子音に似ている高い音の耳鳴り)=内耳や聴神経など感音系の障害が疑われる。
2 低音性(ブーン、ゴー、ボーなど低い音の耳鳴り)=中耳炎など伝音系の障害が原因になることが多い。
3 拍動性(脈と一緒にキンキン、ザーザーと聞こえる耳鳴り)=脳血管障害の一部症状が疑われる─という。