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健康標語集 [医学・医療・雑感小文]

 健康標語集

療養中の友人に頼まれた文書を送ったら、「元気をもらった」とメールが来た。

封筒に刷られた言葉に感動したという。

「生きる喜びを、もっと Do more,feel better,live longer」

製薬会社のグラクソ・スミスクラインのスローガンだ。

プレスセミナーの資料が入っていた封筒を流用させてもらったのが、思わぬ効果をもたらしたようだ。

同業他社の標語も調べてみた。

Working for a healthier world~より健康な世界の実現のために」(ファイザー)。

「いのち、ふくらまそう」(第一)。

「からだ・くらし・すこやかに」(大日本住友)。

「健康な人により一層の健康を!」(大塚)。

「すこやかさを進めよう」(ゼファマ)。

「こころから、いいもの、届けたい」(心美寿有夢)。

「SONG for you! 歌とくすりは、どちらも人間を癒す力をもち、人を励まし、勇気づけ、心と体を立ちなおらせることができる」(シオノギ)。

「Happy Surprise よろこびビックリ誓約会社」(ロート)。

─元気、出たかな?

(注=「誓約」は変換ミスではありません)
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体の記録 [医学・医療・雑感小文]

体の記録

「ことしこそは…」と、年の初めに思うのは毎年のことだが、それが一向に実現しないのもまた、毎年のことだ。

正月酒の酔いがさめるころには、年頭の決意もあらかた忘れてしまい、なんだかんだ言ったり、したりするうち、春がきて、夏になり、秋だなぁと思い、気がつくと年の瀬が迫っている─といったあんばい。

むろんそれはおれのような意志薄弱人間の通弊で、意志強固な人は堅実な計画を着々と実現、人生の成功を収めているのだろう。

ま、それも人生、これも人生だが、ことしはひとつ具体的な手段を決めて、健康管理の努力をしてみよう。

いくつものことを一度にできるわけはないから、一つだけ決める。

たとえば、

エレベーターを使わず階段を上る。

朝晩、深呼吸をする。

めしを30回噛むクセをつける…など。

手帳に健康の目安となる体の記録をつけてみるのもいいのではないか。

睡眠時間、運動、飲酒、風邪などの体の不調その他。

一定期間の記録を見直すと、健康管理のいい資料になるだろう。

体調を乱した原因が発見できて反省材料になるだろう。
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尿漏れ漢方薬 [医学・医療・雑感小文]

 尿漏れ漢方薬

くしゃみや笑った拍子におしっこが少し漏れる「腹圧性尿失禁」に対する葛根湯(かっこんとう)の効果を、最初に見つけたのは、漢方の専門家でも、泌尿器科医でもなく、産婦人科医だった。

進純郎・前葛飾赤十字産院院長だ。

「風邪をひいたら、おしっこが漏れるようになったんです」という患者が来た。

ゴホンとやると腹圧がかかるから、漏れるのだろう。腹圧性尿失禁だな、と思ったが、どうしたらよいかわからない。

その場しのぎで、

「まず風邪を治しましょう」と葛根湯を処方したところ、何日かして、

「先生、風邪が治ったら、おしっこ漏れもなくなりました」

それがきっかけで、尿漏れの相談を受けると葛根湯を処方し、数十例中80%を超える有効率を得た。

「東洋医学会のにわか会員になって発表したところ、漢方の専門家がワーッと驚いてくれて、みんなが使い始めて、確かによく効く、と」

  なぜ効くのか。葛根湯の成分の麻黄に含まれるエフェドリンと、芍薬(しゃくやく)のピオニフロリンの相互作用ではないか、というのが進先生の考えだ。
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葛根湯医者 [医学・医療・雑感小文]

 葛根湯医者

漢方の風邪薬の代名詞のような葛根湯(かっこんとう)は、ひき始めの風邪には特によく効く。

その薬効のメカニズムも科学的に解明されている。

葛根湯の成分が、風邪のウイルスを食べる細胞「マクロファージ」の働きを活性化するのだという。

しかし、漢方でいう「葛根湯の証」(頭痛、発熱、悪寒、首の後ろのこわばりなどの4条件)に適応する病気は風邪だけではない。

例えば鼻炎、慢性副鼻くう炎、中耳炎、片頭痛、歯痛、肩こり、五十肩、神経痛、高血圧、大腸炎…といった病気にも「証」が合えば葛根湯が用いられ、よく効く。

そして、そういう「証」をもつ症例はとても多いので、江戸の昔は、どんな病人にもあてずっぽうに葛根湯を出す医者がいた。

落語に登場する「葛根湯医者」は〝ヤブ〟の別名だ。

これを裏返せば、葛根湯の適応症がいかに多いかという証拠になるだろう。

くしゃみやせき、重い物を持ち上げたりした時の「腹圧性尿失禁」に対する葛根湯の効果を報告した医師もある。

この場合は「証」とは関係なく葛根湯を投与して効いたそうだ。その話は明日─。
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風邪の漢方薬 [医学・医療・雑感小文]

風邪の漢方薬

友あり、遠方よりEメール。

なかなか風邪が治らないので、薬局で葛根湯(かっこんとう)を求めようとしたら、

「葛根湯が効くのは、初期の風邪です」と言われた。

本当か? と。

本当だ。

おれは以前、漢方の大家の著述の手伝いをしたことがあり、漢方にはちっとばかり詳しいノダ。

漢方では、薬は、患者の「証」を診て処方する。

証とは「この患者のこの症状には、この薬が最も適している」という漢方独特の診断法だ。

「葛根湯の証」は、次のような体質と症状だ。

1 体力が中等度以上で(漢方では「実証」という)、

2 頭痛、悪寒、発熱があり、

3 しかし、汗が出る気配はなく、

4 首の後ろがこっている。

風邪のひき始めは、たいてい背筋に寒気が走り、頭が痛く、熱が出る。
この三症状に加えて、首の後ろにこわばりを感じ、汗はまだ出てないというようであれば、どんぴしゃり、葛根湯の証だ。

 だが、ほぼ同じような症状でも、じっとり汗ばんできたときは、もう葛根湯は効かない。このときに用いるのは桂枝(けいし)葛根湯という薬だ。
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及第がゆ [雑感小文]

 及第がゆ

 天暗く七草粥(ななくさがゆ)の煮ゆるなり    前田普羅

 年末年始の暴飲暴食で疲れ果てた胃袋をいたわり、おせち料理の偏った栄養を補う七草がゆは、優れた食の知恵だ。

「せり、なずな(ぺんぺん草)、ごぎょう(母子草)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(たびらこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)これぞ七草」という歌は鎌倉時代のもの。

すずな、すずしろ以外はみな野草。

なずなは利尿、解熱剤、はこべは動悸(どうき)息切れをしずめるなど、七草それぞれの薬効も知られている。

七草がゆは中国伝来の風習だが、科挙(官吏登用の国家試験)の制度があった時代の中国では、難関に挑む受験生が、合格の祈りを込めて「及第がゆ」を食べたという。

豚の肝臓(レバー)心臓(ハツ)腎臓(マメ)と魚の刺身が入った栄養満点のおかゆだったらしい。

現代日本の受験生も真似したらどうだろう。おかゆは消化がよいが、軟らかいのをいいことにろくにかまずに食べたのでは、不消化のもと。よくかんで食べよう。
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風邪の葬式 [雑感小文]

風邪の葬式 

ノロウイルス騒ぎのせいで、影が薄くなっているみたいだが、冬の病気といえばなんといっても風邪だ。

風邪は人間がいちばん多くかかる病気だから、卵酒をはじめ昔からいろいろな民間療法が伝えられている。

「昆虫記」で有名なファーブルは、風邪をひくと、かまどの灰の中に頭を突っ込んだ。

そうすると、ひとしきりくしゃみが出て、風邪はケロリと治ってしまう。

ファーブルはそれを「風邪の葬式」と称していたそうだ。

科学的信ぴょう性は問わないことにすれば、風邪の素人療法の中で最もユニークな一つといえるだろう。

健康な人の風邪は、薬を飲んでも飲まなくても3日たてばメドがつくのが普通だ。

逆にいえば風邪の素人療法は3日までが限度。

3日たっても症状が軽快しないときは、医師の診察を受けるべきだ。

初めから38度を超える熱が出たときや、普通の風邪にはみられない症状を伴うときもすぐ医者に行ったほうがよい。

せきをすると息苦しかったり、胸が痛むようなときは、肺炎や胸膜炎を起こしているおそれがある。

素人治療ではとても手に負えない。
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歯は履歴書 [医学・医療・雑感小文]

歯は履歴書 

 小野塚実・神奈川歯科大学教授(生理学)は、ガムをかんだときの脳の活動状態を、fMRI(機能的磁気共鳴画像化装置)で観察し、記憶力を補う前頭前野の働きが活発になることを確かめた。

 13人の高齢者に2分間ガムをかんでもらって、風景の間違い探しテスト(100点満点)をしたところ、かまないときの平均73・8点が80・3点に上がった。

歯を大事にし、ものを食べられる状態を保つことが一部の痴呆予防に役立つ可能性がある」と小野塚教授は示唆している。


 人生は歯のようなもの

 充実した日々を過ごせるのを人は当たり前と思っている

 毎日なんでもかめるのを人は当たり前と思っている

 けれど、あるとき突然、歯は壊れ始める

 人生も同じ。

 難しいことに出くわす

 このときになってその大切さに気づく(略)。


「人生は歯のようなもの」という、このシャンソンの訳者でもある石川烈・元東京医科歯科大学教授は、

「私の立場から言えば、歯は人生のようなもの。歯はその人の履歴書です」と話している。
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歯と脳 [医学・医療・雑感小文]

 歯と脳

 正月だというのにちょっと寂しい話で恐縮。

 唐の詩人、韓愈の「落歯」という詩をまず読んでください。


 昨年奥歯が一本抜けてしまい

 今年になって前歯が一本抜けてしまった

 急に七、八本も抜けてしまい

 抜けるのが止まりそうもない

 残っているのもみなぐらぐらで

 どうやら全部抜けたら止まるらしい

                   (訳・黎波)


 全部抜けたらそりゃ止まるだろう。

 寂しいけどなんだかおかしくて笑ってしまった。

 先年、東北大大学院の渡辺誠・歯学研究科長らのグループは、歯が減ると脳も萎縮すると、国際老年学会議で発表した。

 仙台市内の70歳以上の高齢者1167人のうち、健康な652人には平均14・9本の歯があったが、認知症の疑いのある55人は平均9・4本と少なく、歯の数と知能との関連が示唆された。
 
 さらに、高齢者195人(69~75歳)の脳をMRIで撮影し、残っている歯や、噛み合わせの数と、脳組織の容積との関係を調べた。

 歯が少ない人ほど大脳の海馬周辺と前頭葉の容積が減少していることがわかった。
 
 海馬は、大脳の側頭葉の内側にあり、記憶や学習のメカニズムを担っている。

 アルツハイマー病は、脳が萎縮してくる病気だが、海馬とその周辺が最初に障害される。そのため、まずもの忘れが始まる。

 そして病変はしだいに広がり、しまいには前頭葉が冒される。

 前頭葉は理解や判断など高次の脳機能にかかわっているから、本格的な痴呆症状が出てくる。
 
 歯の根元は、歯根膜神経という精密なセンサーが取り巻いていて髪の毛1本挟まってもわかる。

 歯がなくなると、その脳との通信がプツンと切れる。

 脳へのインプットも、脳からのアウトプットも極度に少なくなるわけで、

 「噛むことで脳は刺激されるが、歯がなくなり、歯の周辺の神経が失われると、脳が刺激されなくなる。それが脳の働きに影響を与えるのではないでしょうか」

 と、渡辺誠先生は話している。
 
 歯と脳とのこうした関係は、ガムを噛んだときの脳の活動状態を観察した、小野塚実・神奈川歯科大学教授の研究でも確かめられている。

 その話は明日─。
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新年は、死んだ人を…… [雑感小文]

 新年は、死んだ人を……

 昨日の「ふうちゃんの詩」につづけて、やはり毎年、正月の朝、読むことにしている詩がある。
 
 大正生まれの詩人が、昭和の末年に書いた詩だ。



 きのうはあすに      中桐雅夫 

 新年は、死んだ人をしのぶためにある、

 心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、

 おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ、

 でなければ、どうして朝から酒を飲んでいられる?

 人をしのんでいると、独り言が独り言でなくなる、
 
 きょうはきのうに、きのうはあすになる、

 どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる、

 でなければ、どうしてこの一年を生きてゆける?


 この詩が収められた詩集『会社の人事』(晶文社)を開くと、ふやけた性根にピリッと辛い詩句が次々に現れる。
 

 何という嫌なことばだ。「生きざま」とは、

 言い出した奴の息の根をとめてやりたい、

 知らないのか、これは「ひどい死にざま」という風に、

 悪い意味にしか使わないのだ、ざまあ見ろ!

    ──略──        

 生きていてどれほどのことができるのでもないが、

 死ぬまでせめて、ことばを大切にしていよう。

                            (「嫌なことば」)


 きみの会社のきみの引出しの隅を、

 クリップを伸ばした先でつついてごらん、

 お世辞の雨でふやけた塵や、

 皮肉のにかわで固まった塵が出てくるよ。
    
  ──略──

 目刺しのように並んでいる良心の割引者たち、
   会社員ばかりの厭(いや)な日本だ。

                     (「会社員」)」。



 人間は二種類に分けることができる、

 紅白歌合戦を見る人、見ない人、

 飢えている人、食べ飽きている人、
 
 人を殺したことのある人、殺したことのない人。

     ──略──       

 向こう側の国と、こちら側の国とがある、
 
 向こう側に妹や弟がいたら、と想像するのはおかしいか、

 肉を食べたことのない子供たちを想像するのはおかしいか、

 それほどの想像力も、きみらはもっていないのか。


 ぼくは自分の小さな手のつまらないしわを眺めながら、
 
 生きているのが恥しくなった。
                  ──ベトナム二題─

                          (「想像力」)



 おれたちはみな卑怯者だ、

 百円の花を眺めて百万人の飢え死を忘れる、

  強い者のまえでは伏し目になり、

 弱い者のまえでは肩をそびやかす。

                           (「卑怯者」)



 戦いと飢えで死ぬ人間がいる間は

 おれは絶対風雅の道をゆかぬ

                         (「やせた心」)
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